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レガシー産業をデジタルで変革するラクスル 「世界を良くする」理想を理想で終わらせない人に来て欲しい

ラクスル株式会社 ラクスル事業本部 執行役員 印刷・集客事業統括 前田大輔さん

ネット印刷の「ラクスル」、物流シェアリングプラットフォームの「ハコベル」、広告プラットフォームの「ノバセル」など、インターネットを利用して効率化したサービスを提供するラクスル株式会社。創業以来掲げている「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンのもと、デジタル化が進んでいない産業にインターネットを持ち込み産業構造を変革することを得意としている。だが、事業を支えるエンジニアの確保は他社同様苦労しているという。どのように採用課題と向き合い解決しようとしているのか。同社執行役員の前田大輔さんに話をうかがった

効率化とマッチング デジタルだから成し得た事業

ラクスルの事業

――祖業である印刷・集客支援のラクスル、物流プラットフォームのハコベル、に加え現在では広告プラットフォームのノバセルなど複数のオンラインビジネスを展開してらっしゃいますが、事業はどのようにして決定してきたのでしょうか。

基本的には非効率な状態にある産業ですが TAM(Total Addressable Market・獲得可能な最大市場規模のこと) が非常に大きいところであり、そこに対してテクノロジーの力で効率化を図っていくというのが我々の事業モデルです。 

例えば、印刷の後工程というのは一枚一枚印刷しても複数枚同時に印刷しても実際にかかるコストは同じで、そこを集約すれば非常に効率化できるところであったりだとか、物流ですと5次請6次請構造になっていて、そこを整流化するだけでも効率化されます。広告についても同じことがいえます。また広告だと地方のテレビCM枠の空いているところと出稿したい企業とをテクノロジーの力で人の力を介返さないでマッチングさせていくことも可能です。このように効率化、マッチングという二つの方向性のプロダクトノウハウがありますので、今後もそれをきっかけとしてM&Aもしながら事業開発をしていきたいと思っています。

新規事業もM&Aも成長のためにバランスよく

――自社による事業開発のみならずM&Aにも積極的な姿勢を示しておられます。既存事業と買収企業、既存事業同士のシナジーによる事業成長についてはどのような戦略を立ててらっしゃるのでしょうか。

ラクスル事業は200億円から250億円くらいの売り上げあり、 それだけ規模が大きいと周辺事業もそれなりにあります。先日買収したダンボールワンもそのひとつです。段ボールの大きさや印刷をカスタマイズできます。同じようなノウハウを使えるところもあるので、効率的なインオーガニック成長が期待できます。

ただ、既存の事業ドメイン同士という観点で言うと、それぞれ成長ステージが結構違っていて成熟に向かいつつあるステージのラクスル、急激なグロース過程のハコベル、そのほかにもまだ立ち上げ段階にいる事業もあります。それぞれのステージで必要となる要素が変わってきますし、全てが順調にいくということも確約できません。また業界もかなり違ってくることもあり、直ちにシナジーが生み出せるという段階ではないです。かといってどの事業も安定するまで待つのかというのも違います。まだまだラクスル事業が屋台骨大黒柱となっていますが、今後売り上げを占める割合がどんどん減ってきて、バランスの良いポートフォリオがしっかり組まれた企業として成長していきたいです。

エンジニア不足は深刻だが、カルチャーマッチする人が欲しい

――御社の事業を支えているのはシステムエンジニアですが、人材不足が叫ばれるようになってから随分経ちます。御社の状況はいかがでしょうか。

もちろん当社もエンジニア不足を感じることがあります。それは世界的な流れだと思うのですが、こと日本においては絶対数が少ないため当社ではインドやベトナムにテクノロジーセンターを設けて現地のエンジニアを雇用して開発をすすめています。とはいえ、当社のシステムは日本語ベースで作られていますし、日本語のコンテキストがないと理解できないことも多くありますので、そこが課題としてあります。

――日本人エンジニアが必要であることには変わりないのですね。具体的に御社が求めているエンジニア像はどういったものでしょうか。

スキルについては一定程度は見ているのですが、正直なところそこまで重要視していません。もちろん役職や肩書きによって求められるものはありますが。それよりもラクスルスタイルというReality、System、Co-Operationからなる行動規範に合致するかどうかをいちばん見ています。Realityリアリティとは仕事に対して解像度をあげること。Systemシステムは仕組み化、Co-Operationはチームワークのことです。「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに共感し、成し遂げようという強い意志をもった人が入社してきてくれていると思います。

あと私個人として見ているのは、その人が振り返りと内省ができるというところです。自分が置かれた状況に対して何やっていかなければならないのかを常に考えられる人は、だいたいこれまで修羅場をくぐってきていることが経験上わかってきました。

報酬と共に経営意識をもつことでエンパワーメントできるRS制度

本社目黒オフィスの様子

――まだ見ぬカルチャーマッチしたエンジニアにチャレンジしてもらいたいという気持ちがあると思うのですが、求職者にささりそうな御社ならではの報酬制度や取り組みはありますか?

ダイバシティの実現を積極的に進めています。性別も国籍も年齢も全てフリーで、既に全社員における女性比率が約37%、海外国籍比率が約10%であることを強みとしています。

報酬制度では、当社は日本でもかなり早期にRS制度(譲渡制限付き株式報酬)を導入しています。株式インセンティブを付与してしっかりと働きに報いていこうということと同時に、従業員全員に経営意識をもってもらうためです。当社の競争優位性は組織・人であり、優秀なタレントを採用・リテインできるよう、労働市場で競争力のある報酬水準を維持すべく活用していることを表明しています。

また、従業員個人のwillを第一優先すべく、採用時の配属希望は当然ですが、入社後もいろんなチャレンジをしてもらえる体制を整えている最中です。

【プロフィール】
前田大輔(まえだ だいすけ)
ラクスル株式会社 ラクスル事業本部 執行役員 印刷・集客事業統括
1997年住友商事株式会社入社。鉄鋼部門に配属後インターネットをベースとした事業開発部隊に異動し計7社に出向。直近7年間は爽快ドラッグ・マレーシア、モノタロウ・インドネシアの社長を経験。2021年ラクスル株式会社に入社し現職。

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