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DMM.com初のBtoB向けSaaS事業「DMMチャットブースト」 次なる収益の柱へスケールさせる人材像とは

DMM.com 執行役員 セールスソリューション本部長の緒方悠さん(左) 人事担当・佐伯彩果さん(右)

動画、英会話、証券、暗号通貨…「なんでもやってる」DMM.com。約60の事業を20以上のグループ会社で運営している。機動的でチャレンジ精神旺盛な姿勢は、いつも話題に事欠かない注目を浴びる企業のひとつだ。そのDMM.comが次に本腰をいれたのが「DMMチャットブースト」。LINE公式アカウントのチャットボットを利用し、リアル店舗からECまでをも営業支援する事業だ。なぜいまチャットボットなのか。事業におけるビジョンとそれを支える人材戦略について、執行役員セールスソリューション本部長の緒方悠さんと人事の佐伯彩果さんにお話を伺った。

コロナ禍で大打撃の旅行事業からピボットしてSaaSに参入 BtoC向けのイメージからBtoB向けの認知を狙う

――まず「DMMチャットブースト」とはどのような事業ですか。またこの事業に注力することになった背景と合わせてお聞かせください。

 もともとチャットブーストは、現在「DMM Boost」に社名変更した「ハッシャダイ」というグループ会社が、「トラベルバイト」というコンシューマー向け旅行領域の事業で、開発を手がけていました。

 ところが、コロナ禍により旅行業界そのものが大打撃を受け、ハッシャダイも煽りを受けました。早急な事業ピボットが迫られる状況に追い込まれたのですが、ハッシャダイではトラベルバイトの事業成長を支えるために社内のシステムとしてチャットボット技術が確立していました。世の中ではリアル店舗のDX化やEC領域でチャットボットへのニーズが高まっていることもあり、システムそのものを販売することへピボット。DMM.comのグループカンパニーとして組織力をあげて事業化するという決断に至りました。幸い社内体制の大きな変更を伴うことなく事業を進められそうなこともわかっていたので、DMM初のBtoB向けSaaS事業としてスタートできました。

 これまでDMM.comは、動画配信、FX、ゲームなど、基本はプラットフォームを利用したコンシューマー向けサービスを得意とした企業なのですが、すでに太陽光やパチンコメディア事業などビジネス向けサービスはいくつかあり、今回の事業化は、よりビジネス向けのサービスを強化していくための足掛かりとなります。

――旅行事業からのピボットということですが、このサービスのターゲットはどの業種向けになるのでしょうか。

 我々のターゲットのひとつは美容室・サロン業界や宿泊施設、不動産といったリアル店舗を構えている事業者向けで、問い合わせ、顧客管理、コミュニケーションなど顧客対応業務を自動化する「DMMチャットブーストfor店舗」 を提供しています。

 そしてもうひとつはEC事業者向けで、ECを利用している事業者の集客・宣伝・顧客対応を効率化する「DMMチャットブーストfor EC」を提供しています。

 さらに、サービスにはもうひとつ「DMMチャットブースト CV」というのがありまして、新規顧客をコンバージョン(獲得)することに特化したサービスになっています。いずれのサービスもLINEを活用したものです。

「DMMチャットブースト for 店舗」のサービス内容

目指すは市場占有率20% 獲得するマーケットを拡大しDMMのスピード感にのる

――チャットボットサービスを提供している企業はすでに多くあると思うのですが、御社が特に競合としているサービスにはどのようなものがありますか。また、それらと比較して御社サービスの優位性はどこにあると思われますか。

 競合は「for店舗」だと比較的多くあると考えていますが、具体的にはソーシャルデータバンクさんの「Liny」やマネクルさんの「Lステップ」、ミコワークスさんの「MicoCloud」が挙げられます。「for EC」だと、「ソーシャルPlus」、「CV」は「zeals」です。元々競合の方が先にスタートしており、我々は背中を追いかける立場ですが頑張っています。

 私たちの強みは店舗向けやEC向けを導入していただいている顧客のカスタマーサクセスであったり、それを支援する我々の組織力です。

 リアル店舗の中にはまだアナログだったり、レガシーシステムが残っていたりするので、SaaSのソリューションを提供しても現場の人が活かしきれない場合も多いのが現状です。そこを我々が手厚いCS(顧客満足)でカバーしていきたいと考えています。そしてゆくゆくはサービス全体で市場占有率20%を目指しています。

――市場占有率を上げるためにはどういう戦略で臨まれるのでしょうか。

 プロダクト面でいうと、2020年6月のリリースから、多くの顧客が要望する基本的な機能の強化を主軸に開発してきましたが、開発当初に比べ市場には少しずつ競合サービスも増え始めてきていますので、使いやすさの追求や顧客の専門領域に特化した機能開発を軸に、UIの改善、競合との機能差別化を狙っていきます。

 営業戦略としては、当初ヘアサロンのリアル店舗をメインとしていましたが、DMMの事業拡大のスピード感でいくと、ヘアサロン以外のマーケットを獲得していく必要がありました。現在は、クリニック、不動産、人材紹介などのニーズを素早く発掘し、顧客属性を増やしています。

チャットブーストのCMキャラクター「Mr.BOOST」

潜在ニーズを拾い上げた提案営業 無形商材に強い営業経験者に来て欲しい

――マーケットの獲得が喫緊の目標になるとのことですが、営業力の強化が必要になると思われます。いまどんなスキルや経歴を持った人材を求めていらっしゃいますか。

 SaaSのビジネスモデルは顧客重視モデルなので、顧客の潜在ニーズを追求できる人材を求めています。例えば開発だと、見えているニーズは競合も把握しており、競争にはなりません。まだ表に出てきていない、意識していないニーズがどこにあるかまで追求できる人材が欲しいです。またSaaSの営業は“モノ”を売る営業とはやっぱり違うと思います。この事業の場合、「チャットブースト」という商品は決まってはいますが、パッケージとは違いお客さんのニーズに合わせていかようにでもカスタマイズできます。お客さんのニーズを引き出しながら提案できる営業経験者が欲しいです。経歴で言えばSaaS営業、ソリューション営業、広告代理店営業など無形商材を扱ったことのある方がこの仕事に向いていると思います。

 また、営業代理店を活用した顧客獲得も重要な戦術としているのですが、想定していたより難易度が高かったので、代理店をコントロールする手法を確率し運用できる人材も求めています。 

――具体的にどのような採用戦略をお考えですか

 DMM.comがB to B事業をやっているイメージを強化するために、メディアへ積極的に露出していきます。例えば今年1月からタクシー内広告を出していますが、5月からはTVCMも始めます。まずは事業の認知度を高め、そこから母集団形成していく流れを想定しています。また従来通り自社ウェブサイトの採用ページ、転職サイト、転職エージェント、ダイレクトリクルーティングなどあらゆるチャネルを通じで、求める人材の応募者増を図っていきます。

――最後に、御社の採用にチャレンジするにはどのような心構えでいた方がいいのか、人事担当の佐伯さんからうかがえますでしょうか。

 これまで、事業立ち上げ初期の営業組織においては、「新規の顧客に対する営業のご経験/実績のある方」を中心に採用し、新規顧客の獲得を進めてきました。今後は、既存/新規のお客様に対して、今よりも更に価値貢献できるよう、顧客の潜在的なニーズを拾い上げ、素早く製品に反映させるプロセスが非常に重要です。

今後の営業組織には、「ただ単に既存のツールを販売する」というスタンスではなく、「ITを活用してお客様が抱える課題を解決し、価値拡大に貢献する」というスタンスで、より柔軟に・より深くソリューションを考え、提案していく事を求めています。

 また、チャットブーストは今後さらなる価値発揮に向け、各組織において新しい業務の構築、改善が必要なフェーズになっています。従って、「自身のアウトプットと向き合いながら、事業/組織がより良くなる為のアクションを意識して、組織を一緒に作っていく」というような気持ちで向き合っていただける方に、ご入社いただきたいと考えています。

 従って、上記のスタンスに共感していただける方や、営業や組織の改善におけるプロセスを具体的にイメージ出来る方にご応募いただきたいです。

 最後に、DMM.comは、新しい事業開発や、既存事業のグロースを多数推進しており、一緒に活動していただける方を絶賛募集中です。

 圧倒的なスピード感と、桁違いの裁量を感じながら、事業創出に集中できる環境があることがDMM.comで働く魅力だと考えています。「面白そう!」「挑戦してみたい!」「上を目指してみたい!」と感じていただけるような、意欲的で野心的な方を求めております。記事を最後までご覧いただいた皆様のご応募をお待ちしております!

【プロフィール】
緒方悠(おがた・ゆう)
DMM.com 執行役員 セールスソリューション本部長
2011年にDMM.comグループ入社。動画配信事業部を経た後、2013年にアミューズメント事業部の立ち上げを行う。2017年に株式会社STVV(ベルギーサッカー1部リーグ チーム運営会社)の経営権取得に携わり、同クラブの取締役に就任。Football事業部を立ち上げる。2018年、執行役員セールスソリューション本部長に就任し、8つの多岐にわたる事業を統括。

佐伯彩果(さえき・あやか)
DMM.com 人事戦略グループ セールスソリューション本部担当人事
新卒でITメガベンチャーに入社後、HR系のアプリケーションの開発・導入コンサルティングに従事。コンサルティングファームにて人事・ITコンサルに従事したのち2019年11月にDMM.comに入社し、HRBPとして複数の事業部を支援。

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