医学×金融×データサイエンス。型にはまらないアクチュアリーとしての新たな挑戦 | キャリコネニュース
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医学×金融×データサイエンス。型にはまらないアクチュアリーとしての新たな挑戦

大学で医学を学び、かんぽ生命入社後は、アクチュアリー正会員の資格を取得した庭本 康治。2022年9月現在は、デジタルサービス推進部の分析ラインで、ビッグデータのアナリストとして活躍しています。これからのアクチュアリーがもっと輝くために必要なこととは。かんぽ生命だからこそできる、アクチュアリーとしての活躍やデータサイエンスなどのスキルの活用について語ります。【talentbookで読む】

データサイエンスの力でさまざまな部署と共に課題解決へ

デジタルサービス推進部の分析ラインに所属する庭本。多方面の専門知識を活かしながらデータ分析業務に携わっています。庭本の強みは、アクチュアリー正会員資格を有しながら、データ分析業務に携わっていることです。

庭本 「『アクチュアリー』とは、確率・統計などの手法を用いて、将来の不確実な事象の評価を行い、生命保険業界などで活躍する数理業務のプロフェッショナルのことです。本来、この資格を取得すると、保険料率の設定や責任準備金の評価など、生命保険業がこれまで行ってきた伝統的な業務を担うことが多いです。

しかし、私が今所属しているデジタルサービス推進部の分析ラインでは、そうした今までの伝統的な業務ではなく、データサイエンスの分野となるビッグデータの分析を通して、他部署と連携した各種取組を行っています。アクチュアリー正会員の資格を保有している強みは、会社の根幹となる、保険料率の設定や責任準備金の評価などの生命保険事業の仕組みを理解した上で物事を判断できることです。

たとえば、スマホアプリを活用した健康増進型の商品開発ができないか、というような検討を行っています。歩数をカウントしたり、健康診断書を読み取ったりして健康年齢や健康な身体づくりのアドバイスを提供する『すこやかんぽ』という健康増進アプリと、当社に長年蓄積された入院履歴等のデータを掛け合わせ、『日ごろから健康のためによく歩く習慣ができている人は、入院するケースが他の方と比べて少ないのではないか』などの仮説を立て、データ分析を行います。

有意な結果を得ることができれば、お客さまの健康増進をサポートできる保険商品がつくれるのではないか、などのデータ分析を商品開発部と連携しながら行っています。従来の商品開発では、保障や保険料をどのくらいに設定するか、という考え方が基本でしたが、当社の保有するビッグデータを活用すれば、かんぽ生命も従来の商品開発の枠を超え、付加価値のあるものがつくれるのではないかと試行錯誤しています」

他にも、保険をお引き受けする基準を管轄する新契約サービス部と、分析したデータを活用して協業することもあるといいます。

庭本 「医療技術の進歩により、以前なら保険のお引き受けが難しかった疾病でもお引き受けできるケースが増えてきました。現在の医療技術に即したデータを分析し、保険のお引き受けを判断する新契約サービス部に検討材料となるデータを提供しています。

さらに、保険金のお支払い漏れや、不正請求を検知できないかなど、保険金のお支払い部門の課題解決にも役立てるのではないかと模索しています」

いずれの業務も、従来の保険業務にデータサイエンスを掛け合わせることで、他の部署をまたぐ会社の課題改善に取り組んでいます。

好きなことを仕事にしたい。たどり着いたのは、医学と金融の知識を活かせる生命保険業界

京都大学医学部で基礎研究を行った後、同大学院で、がんなどの病気を可視化する診断装置の開発研究に没頭したという庭本。大学の同期が医師や研究者という職業を選択する中、「好きなことを仕事にしたい」という想いから生命保険業界へ進むことに。

庭本 「私の大学時代の専攻は、“医学”という特に専門性が高い分野だったこともあり、就職活動においては、自身の専攻分野を活かせる会社を探していました。医師や研究者などに進む学生が多いですが、私は、父親がファイナンシャルプランナーをしていたこともあり、小学生のころから貯金や将来のお金の使い方について考えるのが好きでした。なので、自分の好きな金融に関する仕事にも携わることはできないかと思っていたんです。

その結果、医学と金融の両方に携われる生命保険業界にたどりつきました。生命保険会社には、お申込み時の健康状態から、保険のお引き受けの可否を判断する“アンダーライティング”という業務があるからです。その仕事に就ければ、自分の得意分野である、医学を活用しながら、金融にも携わることができると思いました」

保険のお引き受けを行うアンダーライティング業務への配属希望を出し、庭本は総合職としてかんぽ生命に入社します。希望どおり、東京新契約サービスセンターに配属され、医学を活かせるアンダーライティング業務に従事することになりました。そんな庭本に転機が訪れたのは、入社3年目のことでした。

庭本 「私にとっての転機は、入社3年目にシンガポールで開催されたアンダーライティングのセミナーに参加したときです。そのセミナーで、海外では保険のお引き受けをするアンダーライターが、アクチュアリーと協業していることを知りました。アンダーライターの役割は、医学的見地に基づいて将来の病気のトレンドを見極めながら、保険をお引き受けする基準を検討することです。

一方、アクチュアリーの役割は、統計・数理的見地から、予定死亡率・予定利率・予定事業費率を計算し、将来の財務状況の健全性を予測することです。アンダーライターとアクチュアリーが協業することで、医学的見地だけではなく、財務状況の健全性も考慮したお引き受けの基準を設定することができると学びました。

セミナーに参加したことで、今後は日本の生命保険会社もアクチュアリーの資格を持つ社員が活躍していくと確信し、アクチュアリー正会員の資格取得を目指そうと決意したんです」

資格取得に向けて猛勉強。かんぽ生命のアクチュアリー職における充実した育成体制

帰国後、庭本はアクチュアリー正会員を目指して猛勉強を始めます。7科目の試験を、かんぽ生命で働きながら1科目ずつクリアし、約7年でアクチュアリー正会員となりました。かんぽ生命は、アクチュアリー職を目指す社員の育成に力を入れており、資格取得を目指す社内の受験生を対象に試験対策の勉強会を実施しています。そして、庭本は現在その講師を務めています。

庭本 「アクチュアリー資格の社内勉強会は2週間に1?2回程度実施しています。社内のアクチュアリー正会員が講師を務め、小テストをつくって実施するなど試験対策を行い、一人ひとりの苦手なところや勉強の進捗を確認しながらケアを行っています。

かんぽ生命では、アクチュアリー正会員への取得に向けて支援体制を強化しており、一次試験対策では講師を1科目につき1人、二次試験対策では1科目3人体制でサポートしています。私も講師を担当することになりましたが、受験生一人ひとりと対話した上で、アドバイスするように心がけています。アクチュアリー正会員の資格取得への道のりはとても長く、モチベーション維持が一番難しいと感じています。

そのため、科目ごとに実務で活用するシーンを伝えるなどしながら、勉強意欲を支えることを意識しています。社内勉強会があることで、同じ資格取得を目指す社員との競争意欲も湧きますし、モチベーションアップにつながります。日々の業務もあるので、資格取得に向けては大変なところもありますが、かんぽ生命はアクチュアリーの取得に向けて支援体制が整っていると思います」

アクチュアリーになったことで開けた道。データサイエンスの力で会社の課題を解決したい

資格取得後は、かんぽ生命のアクチュアリー代表として、他社の生命保険会社のアクチュアリー職の方と一緒にトロント、ニューヨークでの研究発表に参加した庭本。先進国でのアクチュアリーの多様な役割を知り、さらに視野が広がったといいます。

庭本 「近年の海外のアクチュアリー職は、従来の伝統的な業務やアンダーライターとの協業の他にも、データサイエンティストに近い形での活躍もしています。アクチュアリー資格には統計・数理科目があるため、学問的にデータサイエンスとの親和性が高いです。データサイエンスをより深く学べば、保険のお引き受け基準だけでなく、商品開発など他の分野においても、役に立てるのではと思いました」

アクチュアリーとしての強みを生かしながら、データ分析のプレイヤーとしても第一線で活躍したい、という想いから、庭本は、伝統的な業務に従事するのではなく、データサイエンスに従事したいと希望し、デジタルサービス推進部の分析ラインに異動することに。

庭本 「アクチュアリー正会員の資格を持つ社員であれば、保険料率の設定をする商品開発部や責任準備金の評価をする主計部等で働くのが一般的なキャリアデザインだと思いますが、かんぽ生命では、私の『データサイエンスがしたい』という希望に沿ったキャリアを歩むことができました。かんぽ生命はアクチュアリー職に伝統的な業務の他、データサイエンスなどのさまざまなキャリアを用意してくれていると感じます」

また、庭本はデータサイエンスを得意とする社員を増やそうと、育成にも力を入れ始めています。

庭本 「デジタルサービス推進部では、2022年度採用からデジタル人材採用を始めています。また、新規採用だけでなく、今所属している社員もよりレベルの高いデータ分析ができるよう、データ分析に利用する統計ソフトの社内勉強会を企画し、実施しました。かんぽ生命で働く良さは、データサイエンスやアクチュアリーの活躍を積極的に後押ししてくれるところではないかと思います。

また、事業内容の公共性が高いので、仕事へのやりがいを感じています。日本は少子高齢化の波を受けて、将来的に公的保障が少なくなる可能性もあるといわれています。民間の生命保険会社は、公的保障を補完する役割を担っており、今以上に生命保険会社が全国の皆さまにお役に立てるときがくるのではないかと考えています。

かんぽ生命は歴史の長い会社ですが、新しいことにチャレンジしようとする気風があります。データサイエンス業務やアクチュアリー職で活躍したいという方に、とてもいい環境が整っていると思います」

時代を読み、未来を予測して行動を起こす庭本。複数の専門を掛け合わせた唯一無二のスキルセットで、生命保険業界に新しい風を吹き込んでいきます。

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