親子兼、同じ仕事で働く仲間として──刺激し、学び合いながら、互いを高め合っていく | キャリコネニュース - Page 2
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親子兼、同じ仕事で働く仲間として──刺激し、学び合いながら、互いを高め合っていく

親子である前田 誠司と大輔は、週末販売スタッフとして同じ国内大手プリンタメーカーを担当しています。それまでは家の中でもすれ違いが多かった親子でしたが、今では業務の結果報告が欠かせないほどに会話が弾むようになりました。二人が、新たな関係に進むきっかけとなった、就業の経緯と仕事の魅力を語り合います。【talentbookで読む】

父と息子が、同じメーカーのプリンタ販売員として競合店に勤務

大輔の父、誠司は、2014年に週末販売スタッフとしてビーモーションに入社。平日の勤務先の転職に伴い、ダブルワークとして働き始めました。2022年8月現在、大型家電量販店で8年にわたり同じ国内大手プリンタメーカーを担当するベテランスタッフです。

誠司 「プリンタのシェアは他の2社が大きく占めています。担当する国内プリンタメーカーの商品は、その2社と比較するとお客様にまだその良さを十分に認知されていません。そこで心がけているのが提案型の接客です。

まず、プリンタをお探しのお客様には積極的にお声掛けして、ニーズをヒアリングする。そのニーズに合う切り口で、商品を提案していく。お客様のご要望に合わせつつ、担当する商品の良さを伝えるために、こうした接客を意識しています。入社してから同じメーカーを担当し、現在の店舗も6年と長いこともあって、営業の方と協力して目標売上も意識しながら仕事をしています」

息子の大輔は2021年10月に入社し、誠司の働く店舗からさほど離れていない競合店で同じ国内プリンタメーカーの販売を担当しています。

大輔 「平日は大学の授業があるので、休日だけのアルバイトです。プリンタコーナーに来たお客様に担当メーカーの商品をお勧めするのですが、接客業が初めてだったこともあって、最初は自分から声をかけるのに勇気が要りました。

半年ほど経った今は、お客様に声をかけた時に、『結構です』と断られてしまうことが課題です。声の掛け方を工夫しつつ、接客では父と同じく、お客様に用途を聞いてから、その用途に合わせて商品を提案するようにしています。そうすることで、担当の商品をお客様のニーズに沿って提案できるんです」

二人は違う店舗での勤務のため、普段の仕事での関わりはほとんどありませんが、新製品の発表などのタイミングで行われるメーカーでの勉強会には一緒に参加しています。

大輔がビーモーションに入社したのは、誠司から勧められたことがきっかけでした。

大輔 「2021年の3月までは塾の講師のアルバイトをしていましたが、人に教えるのは自分に向いていないとわかって辞めてしまいました。半年ほど経って、そろそろ新しいアルバイトを見つけなければと思っていた時に、父からビーモーションの週末販売スタッフをやってみないかと誘われたのです」

誠司 「大輔を誘ったのは、大学を卒業してから社会に出る前に、いろんなお客様と接して社会を勉強、体験できるのが、将来の役に立つはずだと思ったからです。それに、待遇面では時給もよいので、時間を自分で調整できるのなら、大学生の大輔には適した仕事だと思っていました。

また私から見て大輔は、一つのことに集中できて探求するのが好きな性格です。未経験でも販売の仕事をすぐに吸収できると感じていました」

父と同じ仕事で、情報を共有してもらえるのは強みだと思った

誠司に誘われる前までは、父親の職業は知っていたものの、具体的にどういう仕事をしているかまでは考えたこともなかったと大輔は話します。

大輔 「帰ってきた父親から、前より成績が上がったみたいな自慢話を聞かされるくらいでした(笑)。週末は家電量販店でプリンタを売っているという漠然としたイメージしかなかったですね。

そんな中で、父親と同じ仕事をするのは不思議な気はしましたが、抵抗感はありませんでした。どちらかというと、仕事のやり方を教えてもらえるし、情報が共有できるのは強みだなと思ったくらいです」

誠司がスタッフを統括する担当者に紹介した上で、大輔は登録説明会へ参加しました。業種はタイミングによっても変わるので指定はできませんが、誠司は担当者に、もし同じメーカーなら多少はフォローできると伝えていました。

大輔 「コロナ禍だったので、説明会はオンラインです。説明会では父の話題がでて、共通の話題として盛り上がりはするものの、少し照れくささがありましたね(笑)。とくに自分から職種の希望は出しませんでしたが、内心では父と同じメーカーがいいと思っていました」

誠司 「大輔が私と同じメーカーの販売になれたのは、たまたま求人があったからだと思いますが、私も大輔もビーモーションも都合の良いウィンウィンウィンの状況になったのは確かです」

これまでは会話が少なかった親子が、家で接客のロールプレイング!?

ビーモーションでは採用後に2日間連続の講習を行っています。基本的な知識と販売方法についてしっかりと学んでから現場に立つことができるため、誠司が大輔に教えたのは販売における心掛けでした。

誠司 「講習を受けたとしても、現場に出れば当然わからないことも出てきます。その時に、適当に返答をして済ませることだけはしてほしくないと思っていました。お客様からのクレームや返品は、店舗の迷惑につながりますから。わからないことはうやむやにせずに、時間が掛かってもきちんと確認してお答えした方がいいと伝えておきました」

大輔にとっては、この仕事が初めての接客業。講習を受けたとはいえ、実際に売り場に立ってみると、どうやってお客様に声を掛ければよいのか戸惑うこともありました。その際に助けとなったのが、誠司の存在でした。

誠司 「大輔が、仕事から帰ってくるなり、『今日はこういうことがあって、どうすればよかったか』と聞いてきたんです。自分なりのやり方を伝えたり、細かな操作方法については家にあるプリンタで実演したりしました」

大輔 「染料と顔料の違い。製品の機種間での違い。そういった基本的な知識に加え、接客の際のお客様への話しかけ方、実際にお客様に聞かれて対応に困った質問への答え方など、わからないことは父から全て教わりました。それらはメモして、一人で練習して身につけていきましたが、今思い返しても、父はプロとしてのいい答えをくれていたなと思いますね」

同じ仕事をし始めたことで変化が生まれた二人の関係性。その変化は、家族としての関係性にまで波及しています。

誠司 「それまでは、私はダブルワークでほとんど家にいなかったですし、ご飯の時間帯もあまり重ならないので、食事中、大輔に『今日学校どうだった?』と聞いても『うん』で終わるような会話ばかりでした。

それが、同じ仕事を始めてからは、顔を合わせると質問攻めにあうんです。うちの奥さんもその様子を見て、『何があったの?』とびっくりするくらいですから、この変化は思わぬ嬉しい結果でした」

大輔 「父との関係性は、180度変わったなと思いますね。この仕事を始めるまでは、接点がほぼない状態で、『父とは話さなくてもいいや』という気持ちでしたから。

むしろ、今は父を尊敬しています。昔の自分は、単にお客様にプリンタを売るだけだと考えていましたが、実際に働いてみて、お客様に合う機種を勧めるには商品や接客の知識など、さまざまな要素が求められる仕事だとわかるようになりました。以前のままだったら、今、父のすごさを実感できなかったと思います」

仕事を通して見えてきたお互いの姿に、刺激を受けながら成長していく

大輔が働き始めてから半年が経った現在では、週末に仕事から帰ると、まずはお互いの成果を報告し合うのが日課になっています。

誠司 「もちろん店舗ごとの特色もあるので、単純に売り上げた台数だけで比べることはできません。それでも、私自身かなり成果があったと感じられた年末商戦で、大輔もそれに近い数字を販売しているので、なかなか頑張っていると感心しています」

大輔から見れば、長年の勤務で高い実績を上げている誠司はプロ中のプロであり、学ぶべきことが多い存在です。その誠司の接客への姿勢は、過去の経験から受け継がれているものでした。

誠司 「お客様が何を望んでいるか、洞察することを意識しています。私は飲食店勤務時代に、きき酒師の資格を取っていて、注文した料理に合わせてお酒を提案する仕事をしていました。プリンタ販売も同じで、お客様の使い方に合わせてプリンタを提案するんです。

また、私はフォトマスターというカメラの資格も持っていて、カメラが好きな人には、他社製品も含めて一番のものを提案しています。こういう接客は、お客様にもお店の人にも喜ばれるんです」

その他にも、誠司は売り場という立地条件も意識した接客を心がけています。

誠司 「入り口から見ると、私の担当する売り場は結構奥の方にあります。そのため、地理的にも不利ですし、他のメーカーの担当者もいるシーズンだと、知名度の差もあってお客様に一度担当者がついたら、もう接客するチャンスがなくなってしまうんです。

なので、売り場の近くだけでなく、入り口からお客様が歩いてくるのを見て、ファーストアプローチをすることを心がけていますね」

大輔 「接客業というのは堅苦しく話すようなイメージでした。ですが、父とのロールプレイングには、こうした経験が反映されていて、接客を観察すると、父は柔らかな口調で親しみやすく話しかけているんです。今は、それをまねて接客しています」

誠司も教えるばかりではありません。大輔の仕事ぶりに、刺激を受けています。

誠司 「お客様からの質問にどう返すかを話し合っていた時に、自分とは違う切り口で大輔が説明したことがありました。こういう考え方もあるのかと、新鮮な発見でしたね。自分の接客でも、こっそり使わせてもらっていますよ(笑)」

互いに学び合う二人はこれから、どのように仕事をしていきたいと考えているのでしょうか。

大輔 「今は平日の授業が終わると自然にスイッチが切りかわって、社会人モードに入る感じです。日常でも、目上の人との会話がスムーズになって、少なからず良い影響が出ていると感じています。お客様から購入後に『ありがとう』といっていただけるように、頑張っていきたいと思います」

誠司 「お客様に合った商品を提案し、それを満足して購入いただけることがわれわれの喜びです。自分の担当メーカーばかりをゴリ押しするのではなく、お客様の希望に合うものが他社であれば、それも素直にお伝えするようにしていきたいと思っています。お客様にも店舗にもベストな販売をしていければいいですね」

同じ仕事に就いたことで、協力しつつ、互いに良い刺激を与え合う同僚として、親子という枠を越えた関係を築いていった誠司と大輔。お互いを気遣う言葉も自然と交わすようになりました。

大輔 「家族のためにダブルワークをして毎日働いているので、疲れないか心配しています。これからは健康第一で、趣味も楽しみつつ少しはのんびりとした時間もとって欲しいです」

誠司 「大輔には、一度しかない人生なので、後悔しないように自分で決断して進んでいってもらいたいなと思います。その中で私が答えられることがあるのなら、全力でアドバイスしますよ」

経験を積むにつれて、さらに仕事の腕を上げていくであろう大輔が、ベテランの誠司にこれからどのような影響を与えていくのか。二人の今後がとても楽しみです。

ビーモーション株式会社

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