苦手意識を自信に変える人材育成──営業部門の育成を担うインストラクターの想い | キャリコネニュース
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苦手意識を自信に変える人材育成──営業部門の育成を担うインストラクターの想い

かんぽ生命に中途入社して以来、営業一筋のキャリアを重ねてきた鳥居 直史。横浜支店法人営業部の担当部長である鳥居は、これまでインストラクターとして法人営業部社員の育成にあたってきました。育成において大切にしているのは、“人としての成長”。その想いの背景には、彼の営業パーソンとしての誇りがありました。【talentbookで読む】

営業一筋20年超。たくさんの人との出会いが、今の自分につながっている

2023年4月より横浜支店法人営業部の担当部長を務める鳥居のキャリアは、営業一筋。専門商社で3年ほど経験を積んだのち、当時の郵政省に入省し、個人営業に4年、法人営業に17年携わってきました。

そんな鳥居が営業に取り組む中で気をつけていることが、思い込みや先入観を持たないこと。

鳥居 「営業をしていると、自分の中でお客さま像を勝手につくりあげてしまうことがあるんです。法人営業をはじめた当初、『経営者の方はきっと金融や保険に詳しいだろう』、『法律や税務・労務にも精通しているのだろう』と勝手な先入観を持っていました。しかし、実際に経営者の方と会ってお話ししてみると、経営者の方によって得手不得手があり、勝手な思い込みでお話をしてはいけないことに気づかされました。

他にも、『営業社員はとにかくお客さまと仲良くなって距離感を縮めるのが良い』など、営業に対してよくあるイメージも一種の先入観だと思います。お客さまとの距離感が近すぎるとかえって相談されにくくなったり、真剣なお話がしづらくなったりといったようなこともあります。信頼関係を築くことは第一ですが、お互いにとって心地良い距離感を保つことが重要だと感じています」

仕事で壁に直面したときは、周囲に助言を求めてきたという鳥居。

鳥居 「同じ職場で働いていて、他の人ができて自分ができないことがあるときは、自分に何かが足りない、あるいは自分の努力の仕方が間違っていると思うんです。そんなときは、周囲を見渡して、できる人の姿勢を取り入れ、アドバイスをもらいながら改善してきました」

20年以上営業を続けてきた鳥居は、営業の醍醐味は、多様な人々との出会いだと語ります。

鳥居 「この仕事をしていなかったらご縁がなかったような方々と出会えることが、純粋に楽しいんです。多くの経営者の方とお会いして感じるのは、とてもパワフルで年齢を感じさせない方が多いなと。

おそらく、会社経営にあたって世の中の情報やトレンドを常に取り入れたり、取引先や金融機関などあらゆる人とのコミュニケーションの中で細やかな気配りを心がけたり、会社を守るため、また従業員の方々やそのご家族を守るため日々緊張感を持っているからだと思います。自分もこんな風に歳をとっていきたいなと思いますし、営業をしていると人と接する中での学びや発見がとても多いと感じます」

「営業で学んだからこそ」という自信に。どこでも活躍できる人材育成を

長きにわたる営業経験をもとに、これまでインストラクターとして約6年間にわたり法人営業部社員の研修も担当してきた鳥居。 人材育成に携わる上では、 “人としての成長”に重きを置いています。

鳥居 「営業の指導方針や育成スタイルは、時代に合わせて少しずつ変化しているのですが、常に根底にあるのは、人として成長してもらいたい、という想いです。営業スキルの向上だけではなく、日々の仕事を通じて内面を磨いていくことが最も重要だと思っています。

日々の仕事に対する真摯な取り組み方であったり、周囲との人間関係の築き方であったり、置かれた環境下でいかに成長できるかというところですね。そうした力を身につければ、もし他の部門に異動したとしても活躍できる人材になれると思うんです。

社員によっては、営業一筋のキャリアを希望する社員もいれば、営業を経験したのち、いつかは資産運用や商品開発、マーケティングの仕事をしたいと考えている社員もいます。今後、異動した先で『営業を経験した人は頼もしいね』と評価されるような存在になっていてほしい。私自身、誇りを持って営業の仕事をしていますので、自分が指導・育成した社員には、『営業で学んだからこそ』という自信を持ってもらえるようになってもらいたいと考えています」

社員の自信を育てるため、これまでの営業経験を反映させた研修プログラムを組んできました。

鳥居 「法人営業部に着任した新入社員には、まずテレアポを経験してもらっています。テレアポは、営業の中でもとくにつらいイメージのある仕事かと思いますが、営業に対する先入観や苦手意識を取り払うことを目的に早い段階で取り組んでもらっています」

初めてのテレアポは不安を感じる社員も多いと言います。安心して取り組めるよう、トークスクリプトの作成やロールプレイング研修に力を注いでいます。

鳥居 「テレアポを経験したことがない社員は、『きっと断られるのでは』、『お叱りを受けたらどうしよう』といった不安があります。私が実際にテレアポをするところを見てもらったり、お客さまにお電話する際に『この通りに話せば大丈夫』と思えるスクリプトを用意したり、ロールプレイングで練習をしたり、少しでも不安を取り除けるようなフォローを行っています。

また、さまざまな営業社員からもアドバイスをしてもらうことで、自分に合った方法を取り入れられるようにしています。実際にテレアポをやってみると、かんぽ生命に興味を持ってお話を聞いていただけるお客さまが多いんです。郵政グループになじみのあるお客さまは、思った以上に多く、他社で営業をされた方からすれば、驚かれるかもしれません。

しっかりと準備をして臨めば、お客さまからお叱りの言葉を受けることはほとんどないので、『自分にもできるかもしれない』と、自信につながるよう心がけています」

100回の研修よりも1回の実践。社員自らの気づきを大切に

不安や先入観を取り払いながら、周囲からアドバイスをもらえる環境づくりを行う鳥居。テレアポを経験した後は、お客さまへのアプローチ、ヒアリング、プレゼン、クロージング、成約といった営業プロセスを実践に即したかたちで学べるように工夫しています。

鳥居 「100回の研修よりも、1回の実践の方がやはり印象に残るんです。お客さまと実際にお会いしたり、プレゼンの一部を話してみたり、成約後の事務手続きを行ってみたり。そうした実践の中で得た学びや反省をもとに、研修やロープレで改善をして、また実践をしてという繰り返しですね」

中には、お客さまと話すことに苦手意識を持っている社員も。プレッシャーを軽減するために、鳥居はあることを伝えていると言います。

鳥居 「話すことが苦手な社員に対しては、『話す力よりも、話を聴く力の方がよっぽど大事なんだよ』と伝えています。とくに新入社員は『営業社員は流ちょうに話せるスキルが必要』といった先入観から、ネガティブなイメージをもつ人が多いですがそれは違うと伝えます。

お客さまは自分の話を聴いてくれる人を好みます。新入社員にはお客さまのお話をしっかりと聴いて、話す言葉に反応しながらうなずいたり、メモを取ったりしてもらいます。流ちょうに話そうとする必要はまったくなく、まずはお客さまのお話を聴く姿勢をもつことから心がけるように伝えると、ほっとした顔をしてくれます。

そして、『鳥居さんだからできるんでしょう』と思われないように、プレゼンの際など、私は毎回シンプルで同じような話し方をしています。そうすると若手社員も真似しやすくなるので、『自分にもできる』と次第に自信がついていきます」

きめ細やかな育成を行いつつも、鳥居が大事にしているのは、教えすぎず、決めつけないこと。

鳥居 「『こうすべきだ』と言ってしまうのは簡単ですが、それでは自分自身で考える機会を奪ってしまいます。社員の自主性を引き出すためにも、ヒントを投げかけながら、自ら気づくのを待つようにしています。

しかし、お客さまからすれば、若手社員であってもプロの営業パーソン。その信頼を裏切るわけにはいきません。めったにないことですが、マナーであったり、コミュニケーションであったり、お客さまにご迷惑をおかけするようなことについては、何が良くなかったのか、しっかりと伝えます。社外ではプロ、社内では勉強ですね」

一生懸命やり抜いた経験は必ず糧になる。将来を見据えて「今ここ」に打ち込む姿勢を

かんぽ生命に入社し、2023年4月に22年目を迎える鳥居。今後、入社を迎える社員に向けて伝えたいことがあると言います。

鳥居 「新入社員の方に伝えたいのは、やはり、今の環境で全力を注いでほしいということ。一生懸命頑張る人には助けてくれる人が集まります。法人営業においては、経営者の方の考えや人生観に直接触れられたり、経営者の方のお悩みについて相談を受けたりする機会もあります。法人営業はたくさんの学びがある仕事なので、法人営業を一生懸命やり抜いた経験は、必ず今後のキャリアの糧になるはずです。

また、営業活動をしていると、かんぽ生命のブランド力や規模の大きさを実感することがあります。かんぽ生命や郵政グループとお付き合いしている企業などを考えると、非常に影響力の大きな仕事です。きっと楽しい経験ができると思います」

社員が自分自身で体験し、気づき、成長していけるために。鳥居の人材育成にかける想いは、これからも変わることはありません。

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