社会に役立つものをつくりたい──ソリューションシステムの開発を通じて得られた手触り感 | キャリコネニュース
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社会に役立つものをつくりたい──ソリューションシステムの開発を通じて得られた手触り感

Hondaのソリューションシステム開発センターでは、モビリティで培ってきた技術に先進技術を掛け合わせ、仕事や暮らしを支えるパワープロダクツやソリューションシステムの開発を行っています。従来の事業領域を越えた挑戦に賛同し、多くの人材が集まってきています。ふたりの社員に仕事のやりがいを聞きました。【talentbookで読む】

エンジニアとしてのやりがいを求めて

Hondaが提唱する「パワープロダクツ」とは、耕うん機や芝刈り機、除雪機など、人々の生活を支える製品群の呼称です。

元来、エンジンなどモビリティの技術をベースに、パワープロダクツを市場に送り出してきたHondaですが、近年では知能化技術によって、これらを知能化し、その利便性を飛躍的に向上させています。また、そうして培った新たな技術は、すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供するためのソリューションシステムとしても応用範囲が広がっているところです。

これらを統括するソリューションシステム開発センターでは、Hondaの外で多様な経験を積んできた人材が大勢活躍しています。西田もそのひとりです。

西田 「もともと子どものころからロボットが好きだったんです。大学でも自律移動ロボットの研究を行っていて、新卒での就職先も総合電機メーカーを選択しました。そのメーカーでは、自動車の自動運転に関する車載機器などを取り扱っていたため、広い意味でのロボティクスには携われていたのですが、もっと直接的にロボットの開発に携わりたいという想いを長らく捨てきれずにいました。

そんな気持ちを抱えていたあるとき、Hondaで働いていた大学時代の友人が声をかけてくれたことがきっかけで、Hondaの選考に応募し、縁あって働くことになりました」

一方の野尻は、異業種からの転職者です。

野尻 「以前は製薬会社の工場でエンジニアとして働いていました。当初は工場の設備設計などものづくりに携われると思っていましたが、製薬は製品ライフサイクルが長いためエンジニアとしての仕事も保守・保全がメインになります。そのため、なかなか新規で機械を開発・導入するといった経験ができずにいました。

現状を変えたいと思い転職活動を行ったところ、学生時代エンジン研究をしていたことを評価してもらい、Hondaで働くことになりました」

実地テストを繰り返し、社会に役立つものを送り出す

異なる業界からHondaへと飛び込んだふたり。自律制御機能を持ったパワープロダクツ、つまりはロボットをつくる現場ならではの苦労と楽しみを知ったと言います。

野尻 「最初に取り組んだパワープロダクツは、作業機械メーカー向け汎用エンジンで、すでに量産開発へと移行するフェーズにありました。これが私にとって初めての量産開発だったのですが、想像以上にタフな仕事もあるということを学びましたね」

野尻が手がけた製品は、多様な作業機械に搭載される汎用性が求められていたため、どのような環境でも制御ソフトウェアが正常に動作するか、実地テストをする必要がありました。

野尻 「標高2,000メートルの山でテストしたかと思えば、マイナス20度の冷凍室でもテストをするんです。そのテストすべてに、担当するメンバーが直々に立ち合います。品質に対するこだわりを強く感じられて、肉体的には辛かった分、開発の醍醐味を得た気がしましたね」

西田も、半月ものあいだ、毎日テスト用ロボットの後をついて回った経験があると言います。

西田 「私が最初に入ったのは、大型施設向けの案内ロボットを開発するプロジェクトです。ロボットが自分の位置を認識するための自己位置推定技術の開発を担当しました。屋外のオープンスカイでGNSSの電波が届く環境だと良いのですが、屋内で人の行き来する複雑な環境だとGNSSは使用できず、多様なセンサーを用いて自己位置推定を行う必要がありました。

ロボットを実地に持って行ってはテストし、課題を一つひとつクリアするプロセスは、大変でしたが、振り返ると楽しかったです」

また、テストの過程で、自分が作る製品がどのように社会に受け入れられるのかを知ることができたと言います。

西田 「ロボットに興味をもって、写真を撮ったり、話しかけてくださったりするお客様もいたんです。逆にまったく興味も示されない方もいて。

前職では、主にセンシング技術を開発していたのですが、そのセンシング技術も含んだ自律移動ロボットが実際に社会で活かされてどのような反応を得られるのかを知ることができました。とても良い経験でしたね」

スペシャリストが集まるからこその成長環境

入社していくつものプロジェクトに参加してきたふたりは、ソリューションシステム開発センターで、どのようなやりがい・成長実感を得ているのでしょうか。

西田 「アジリティ高く開発することを求められており、それを実現できたときは充実感があります。たとえば、その日見つけた課題に対して、その場で考え、実装して、その日のうちに修正してしまうというスピード感が必要な場合もあります。『うまく動かなかったものが、動いた!』と達成感を抱いて帰宅する日も少なくないですね」

野尻 「当初は量産開発のプロジェクトに参加していたのですが、研究開発の比重が多くなると、自分の知識や経験が求められるようになってきました。もともとロボットの制御に関する技術を扱ったことがなかったので、自分で勉強して身につけるほかありませんでした。しかし、自分の知らない新しい世界に足を踏み込むことは好きですので、苦ではありませんね」

また、知識を増やす上では、多様なエキスパートが集まる環境が役立っているとふたりは声を揃えます。

野尻 「いま私が担当しているプロジェクトは、多様な技術分野をあわせながら研究開発を行う必要があるので、カメラやセンサーなど周辺認識装置のエキスパートや、モビリティに関するエキスパートなど、多様な経験を積んだメンバーがプロジェクトに参画しています。海外出身の方もいて、英語も交えながらコミュニケーションしています。

ロボットに関わる各分野のエキスパートの方が大勢いることが、ソリューションシステム開発センターの強みでしょう。中途採用で入社したメンバーも含めて互いに知見を吸収し合うことで、組織としての成長につながっています」

西田 「ソリューションシステムを生み出すため、ソフトウェア開発に挑みたい人はもちろん、ハードウェア開発に挑みたいという人にも最適な職場ではないでしょうか。もちろんその分関係者は多いため、さまざまな人を巻き込む力は必要だと思います」

社会貢献とエンジニアリングの手触り感を両立する

ふたりは、エンジニアとしてのやりがいや展望を共有し、切磋琢磨できる大勢の仲間と出会いました。想いを共にするからこそ、めざす未来も自然と重なっています。

西田 「目の前のプロダクトの実証実験を成功させ、パイロット事業に漕ぎつけたいという目標があるので、まずはその目標に向けて取り組んでいきます。ゆくゆくは、入社したときに手がけた案内ロボットのように、もっとユーザーに近いところで動くロボットをつくっていきたいと考えています。

生活の中にロボットが自然と存在するような、そういう世界になったらいいなといつも思っています」

野尻 「私もHondaに入って、実際に自分の手で、社会に役立つものを世に送り出せているんだという実感が高まりました。研究開発に携わったものに、自分のちょっとしたアイデアが生かされているだけで、こんなに楽しく、うれしいんだと気づかされたんです。より多くの人に新しい利便性を届けていきたいですね」

Hondaに転職して働くふたりが得たのは、手触り感だったのかもしれません。確かな働きがいを胸に、ふたりはエンジニアとしての挑戦を続けていきます。

本田技研工業株式会社

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