育休を取得して変わった仕事観。誰もが働き方を選べて助け合える職場であるために
グローバルセキュリティコンサルティング部とグローバル事業企画部の部長を兼務する松本 直毅。キャリア入社からセキュリティコンサルティングを担うかたわら、誰でも気兼ねなく育休取得できる環境づくりに取り組んできました。自身の育休取得をきっかけに変わった価値観や働き方について語ります。【talentbookで読む】
グローバルな仕事を希望しNRIセキュアへ。プレイングマネージャーとして多忙な日々
現在、松本はNRIセキュアテクノロジーズ(以下、NRIセキュア)のグローバルセキュリティコンサルティング部とグローバル事業企画部の部長を兼務しています。
「グローバルセキュリティコンサルティング部は、主に日本企業の海外拠点や海外グループ会社までも対象としたコンサルティングサービスを提供する部署です。内容としては、お客様の海外の拠点や事業において、サイバー攻撃への対策がきちんと取られているかどうかをアセスメント(評価)する支援、セキュリティガバナンスを推進するために必要なルールや体制を整備する支援など、情報セキュリティに関する課題全般のお手伝いをしています。
もう一つのグローバル事業企画部は、NRIセキュア全体のグローバル事業を拡大するために、事業戦略やさまざまな企画の立案を担う部です。グローバルの舞台においてNRIセキュアが提供するサービスを磨き、お客様に付加価値を提供するための活動を行っています」
かねてより、グローバルな仕事をしたいという想いをもって中途入社した松本。セキュリティコンサルタントでもある彼は、プレイングマネージャーとして、多忙な日々を送っています。
「グローバルセキュリティコンサルティング部は、部員の平均年齢も若く男女比はほぼ同じ。とても明るく元気な組織です。私の仕事内容としては、直下の10名の部員のマネジメントやお客様に提供するアウトプットの最終的なチェックをするほか、メンバーと一緒に営業活動も行います。
また、私自身がコンサルタントとして直接お客様と対話するケースもあります。プレイヤーとして、お客様に対するセキュリティコンサルティングを通じて社会に貢献していることを実感しつつ、もう一方でマネージャーとして後進のメンバーの成長にも携わることができ、充実したキャリアを過ごしています」
2カ月間の育児休暇を取得。育休取得者の立場を想像できる管理職でありたいという想い
2020年7~8月、第一子誕生を機に松本は育児休暇を2カ月間取得しました。
「男性が育休を取得したり、家族の介護をしたりながら仕事をする状況が増えています。私の職場でも育休を取得するメンバーが増えている中で、管理職としてその人たちが置かれている立場を想像できるように自分自身も経験しておくべきでは、という気持ちから、育休取得にはとても前向きでした」
松本が育休取得の希望を伝えたのは2019年の年末。パートナーの妊娠が判明してすぐのタイミングでした。
「休暇を取り仕事を周囲に預けることになるため、十分な引継ぎ期間を設けるためにも早めに伝える必要があると思っていました。ありがたいことに、育休を取得したいと伝えたときの周囲の反応は、とても好意的なものでした。上司やメンバーらが、『おめでとう』と声を揃えて喜んでくれたのを覚えています。周囲の方に本当に恵まれていたと思います。自分が育休取得の希望を伝えられたときにもそう接することができるようにありたい、と感じました」
育休期間を2カ月間としたのも松本の意向でした。
「当時のコンサルタントの仕事は3カ月単位のものが多く、職場復帰してすぐにフル回転でプロジェクトに参加するのは難しいと考え、1カ月かけて現場勘を取り戻すつもりでした。初夏に娘が生まれたので、2カ月間の育休を取得して秋から復帰し、徐々にプロジェクトの実務に関わる想定で休業期間を計画しました」
育休で職場を不在とするあいだ、営業活動や提案活動は周囲のメンバーに任せなくてはなりません。周囲のメンバーに一時的に業務の引き継ぎを行ったことが、自身がそれまで無意識に行っていた活動を言語化する良い機会になったと松本は言います。
「お客様に当社の付加価値を理解・共感いただくためのプレゼンテーションや資料作成上の工夫などについて、意図も含めて具体的に引き継ぐよい機会となりました。とは言え、普段から全面的に信頼しているメンバーたちばかりなので、引き継ぎに心配はありませんでしたね」
育休中、想像をはるかに超える怒涛の日々を過ごしますが、コロナ禍に突入したばかりの混乱した時期に自分が育休を取得したことは松本にとって幸いでした。当時のことをこう振り返ります。
「妻も私も実家が遠い上、緊急事態宣言が発令されたこともあって移動がままならず、互いの実家のサポートを得るのが難しい状況でした。子どもを外に連れ出すことへの不安もあったので、家族は孤立状態。短期間でも夫婦で協力して対応する時期があってよかったと思います」
2カ月に及ぶ育休期間が終わり、職場に復帰した松本。驚くほどスムーズに業務に戻ることができたと話します。
「復帰後も保育園の送り迎えなどをできる限り行うことに決め、業務時間も8~18時を基本とするサイクルとすることで、周囲のメンバーにも協力をしてもらっています」
職場復帰後すぐにグループマネジャーへ昇格。育休を経て変わった自分の価値観
松本は、育休を取得したことで、自身の価値観が大きく変化したと語ります。
「子どもが生まれる前は、仕事の時間とプライベートの時間が多少曖昧でも生活が回っていました。今は子どもの寝起きや送り迎えなどの時間を意識せざるを得ないため、期限から逆算して計画的にやりきる、与えられた時間などの制約の中で割り切る、という志向がより明確になりました。
また、育休を取得する男性社員が目に見えて増えていると感じています。今後、育休に関わらずそれぞれのライフステージの状況に応じて柔軟な働き方ができ、それが相互に尊重されるような雰囲気づくりに自分がひと役買えたらうれしいですね」
加えて、松本は復帰後すぐにマネージャー職を任されます。
「育休から復帰するタイミングでグループマネジャーに昇格しました。育休を取得することが業務評価に影響しないことを示す実例になったと思っています」
一方、育休を取得したことで、思わぬ副産物も。自身の休暇中にメンバーに仕事を任せたことで、メンバーが大きく成長しました。
「育休取得前は、複数の案件でプロジェクトマネジャーを務めていたのですが、当時の上司のサポートも得ながら、その業務のほとんどをメンバーがカバーしてくれました。2カ月間の休暇から戻ってきて、大きな支障なく業務が進んでいることに驚くと共に、メンバーの視座が上がったと感じました。一人ひとりの成長が著しく、チームとしての総合力が飛躍的に高まりとても頼もしく感じました。もっと大胆に長期育休を取得してもよかったのではと思うほどです。
しかしながら、不在の間に業務を担ったメンバーの方は大変だったはず。そこでフォローしてもらったことへの恩は、将来メンバーたちが何かの事情で仕事にブレーキをかけざるを得ないような事態になったときに、返していければと思っています」
育休を取得して、子どもと過ごすかけがえのない時間を得た松本。「職場復帰後も子どもとの距離が近い」とうれしそうに話すその笑顔が、育休取得の意義の大きさを物語っています。
子育てを理由に、仕事のパフォーマンスは落とさない。“普通”を貫ける部長であるため
育休取得後も仕事と育児の両立を実現してきた松本。大切にしていることがあります。
「子どもとはなるべく接点をたくさん持つこと、一定の時間を一緒に過ごし関わりを持つことを意識しています。保育園の送迎を担当しているので、職場のカレンダー上では朝と夕方を“私用”でブロックさせてもらい、『打ち合わせもできるだけ8~18時まで』と、周りに伝え協力をいただいています。
もちろん緊急時には最優先で対応するなど原則通りにはいかない場合もありますが、『私はこんなスタイルで仕事をしています』と積極的に伝え、関係者の方々の理解を得るよう努めています」
そうやって自分らしい働き方を追求する松本にとって、理想とする姿があります。
「理想とするのは、いろいろと制約がある中でも決して仕事のパフォーマンスを落とさないこと。『家庭のことで大変だから、パフォーマンスが落ちても仕方がない』と周囲に思われたくはありません。それでは、育休の取得、子育てと仕事の両立がマイナスなイメージとして浸透してしまいます。
家に帰れば家事や子育てにきちんと向き合いながらも、会社では淡々と責任を果たす。会社においては、そのような“普通”の管理職、“普通”の部長でありたいと願っています」
また、育児に限らず社内にはさまざまな事情を抱えた社員がいます。プライベートの時間を確保せざるを得ないタイミングは誰にでもあるもの。柔軟な働き方ができる環境づくりに終わりはありません。
「現状でも育休を取得できるような環境はありますし、育休に限らず、ご家庭のいろんな事情がある方でも当社はウェルカムだと思っています。また、おこがましいかもしれませんが、部長である私自身が一人の当事者として、より良い環境作りをしたいと考えています。
一人ひとりが抱える事情に、もっと寄り添える組織でいられるように。そんな想いで、これからも職場環境づくりに向き合っていきます」
組織全体の価値観や働き方を変革し、誰もが充実した人生を手に入れるために??松本はこれからも自ら声を上げながら、会社を、社会をさらなる良き方向へと導いていきます。
※ 記載内容は2023年6月時点のものです
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
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