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誰もがイキイキと働ける社会へ。女性を応援する商品開発に取り組む明治の意義

乳幼児・フェムニケアマーケティング部でマーケティングに携わる吉田 菜々絵。女性特有の健康課題に着目した新ブランド「明治フェムニケアフード」を立ち上げました。これまで多くの女性が我慢してきた健康課題に向き合い、意義ある一歩を踏み出した吉田。商品に込めた強い想いを語ります。【talentbookで読む】

身近なニーズにはっと気づく。女性特有の健康課題に着目し、開発をスタート

グローバルニュートリション事業本部の乳幼児・フェムニケアマーケティング部に所属しています。女性特有の健康課題に着目した新しいブランド「明治フェムニケアフードα-LunA(アルファルナ)」(以後、「α-LunA」)のマーケティングに携わっており、リサーチや商品開発、プロモーションなどをチームで検討しながら進めています。

「α-LunA」開発のきっかけは、普段の何気ない会話でした。

新商品開発の検討をしていたとき、生活ニーズの調査をすると、日常における悩みや困りごとは、たとえば冷え性や肩こりなど、ありきたりなものしか出てきませんでした。

休憩中たまたま生理の話題になり、女性同士で話が盛り上がっていたことから周囲の社員にも聞いてみたところ、悩みを抱えている女性がとても多いことを知ったんです。さらに調査を進めると、約6割以上の女性が何も対処をしていない状況でした。身近すぎて見落としていたニーズにはっとしましたね。

一方で、当社では、粉ミルクを扱うメーカーとして、長年の母乳研究の過程で牛乳や母乳に含まれる乳たんぱく質の一種である「α-ラクトアルブミン(α-LA)」(以後、α-LA)の研究を行ってきました。これまで商品化には至らなかったものの、「フェムテック」「フェムケア」といった言葉が世の中に広がりつつある中で、女性特有の健康課題への支援を求める社会的機運の高まりや、社内の女性社員が切望する声が後押しとなって、α-LAを配合した商品の開発が動き出しました。

開発を進めるに当たっては、男性社員の理解も得なくてはなりません。正直なところ、開発当初は、女性特有の健康課題についてピンときていない方が多かったです。生理やPMSの経験がない男性にとって、女性が抱える悩みを理解できないのは当然のこと。しかし「これは社会的意義が大きいから、社を挙げて取り組んでいくべき課題だ」と、トップが認めてくれたことをきっかけに、状況は大きく変わりました。

男性への説明は、女性のカラダのメカニズムについて伝えるだけでなく、統計データなども用いながら、女性特有の健康課題が社会的経済損失に結びついていることを訴え、理解者を増やしていきました。

現在、チームには男性も在籍していますが、皆さんとても積極的に取り組んでくれています。自ら関連書籍を買い求めて生理について勉強したり、「こういう伝え方をしたほうが男性は理解しやすいし、取り組みやすいと思う」とアドバイスをくれたりと、とても助かっています。

手軽に商品を購入してもらうたくさんの工夫とは

大学では国際文化学部に所属し、言語から芸術に至るまでさまざまな国の文化について勉強していました。また、勉学と並行してラクロスにも力を入れていたのですが、部活中のケガが絶えませんでした。もともと食に関心があったことに加え、そこでカラダづくりの大切さをあらためて思い知り、明治商品を通じて、世の中を元気にできたらという想いを胸に、2010年に入社しました。

入社後は営業として、スポーツ店やドラッグストアをメインに担当。営業を4年経験した後、マーケティング部へ異動となり、粉末コラーゲン「アミノコラーゲン」のブランドマネージャーを担いました。ここでの経験やノウハウは新ブランドの立ち上げに大いに役立っていますね。

6年ほど前からプロジェクトリーダーとして、「α-LunA」の開発担当になりました。

多くの方に気持ちよく商品を購入していただけるよう、パッケージはもちろん、広告などのコミュニケーションにおいても温かみのあるテイストにして、そっと寄り添う存在になれるように心がけています。

また、生活のさまざまな食のシーンに手軽に取り入れてもらえるよう、当社が得意としているチョコレートやドリンク、パウダーといった剤型で商品を展開しています。とくに、チョコレートは外出先などで小腹がすいたときの合間に召し上がっていただくシーンを想定し、開封すると「生理に、わたしに、プラス」のキャッチコピー部分が切り取られるように配慮しました。

女性応援ブランド賞を受賞。知ってもらうことの大切さ

▲「国際女性デー表彰式|HAPPY WOMAN AWARD 2023 for SDGs」での受賞の様子(左から2人目)

「α-LunA」は、2023年3月8日に開催された「国際女性デー表彰式|HAPPY WOMAN AWARD 2023 for SDGs」で、企業部門「女性応援ブランド賞」を受賞。開発から約6年が経過していますが、女性を応援する商品を展開し、女性の活躍推進に寄与したことが評価されたことは、プロジェクトリーダーとしてとても喜ばしい出来事でした。

表彰いただけたのは、本当に多くの方々に応援してもらったからこそ。これまでフェムニケアフードに関わってくださったすべての方に感謝すると同時に、これからも引き続き、商品の提供を通じて、女性のエンパワーメントやSDGs推進に貢献していきたいと決意を新たにしました。

そのためにも、まずは理解を広めていくことが大切だと思っています。知ることで自身のカラダのケアを積極的に行うことができ、また、大切な人をサポートできると思います。女性だけでなく男性も含めて、女性特有の健康課題を理解し違いを認め合うことが、組織の中、ひいては社会で女性がイキイキと活躍することにつながると考えています。

実際、女性特有の健康課題への理解が進んだことで、問題の解決につながったケースがありました。

当社の工場で働く女性が声を挙げたことがきっかけで、トイレ内に生理用品を入れる個人用小物入れが設置されました。「安心感を持って働くことができる」と女性社員から好評の声が上がっています。小さな事例ですが、これはとても大きなムーブメントだと思います。こうした動きがどんどん広がっていくことを願っています。

とはいえ、「生理」という言葉を発することにさえ躊躇する方も多いはず。私も社内でそうした場面に出くわすことがありましたが、決して恥ずかしいことでも隠すべきことでもないと主張し続けてきました。

最近では、女性特有の健康課題への理解が広がり、社内で男性同士が生理について会話するのを見かけることも。また男性社員から「吉田さん、女性支援のこんな取り組みや資料があるよ」と言われる機会も増えてきていて、状況が大きく変わりつつあるのを実感しています。

「生理」はタブー視されてきた領域ですが、現代女性がより一層豊かに暮らしていくためには、今、最も取り組むべき領域であると考えています。これからも明治が積極的な情報発信を続けることが、重要だと思っています。

率先して世の中を変えていこう。強い意志を持って、大きな壁を乗り越えていく

▲「α-LunA」の商品ラインナップ

今後は、ブランドの市場浸透を図りながら、女性特有の健康課題への理解を深めるための取り組みを進めていきたいです。そして、いずれは女性にとって働きやすい社会を当たり前にしていきたい。この目標は、ひとりで成し遂げられることではありません。当社だけでなく、さまざまな企業や団体と力を合わせながら取り組んでいけるといいですね。

女性の皆さん一人ひとりにお伝えしたいのは、ご自身のカラダと向き合う時間を大切にしてほしいということ。忙しいとつい自分のカラダのことを後回しにしてしまう。それで体調を崩してしまうケースが少なくないと感じています。作業のパフォーマンスを高めるためにも、まずは自分について知ることが大事だと思いますね。

最近では、女性特有の体調の変化をサポートしてくれるフェムテック/フェムケアアイテムが充実してきました。それらもうまく活用してカラダをいたわりながら選択肢を広げ、ともに頑張っていけたらうれしいです。

新しいことを軌道に乗せていくのは大変なこと。ときには大きな壁に、挫けそうになることも。そんなときはいつも、「幸せなのは、乗り越える壁があること」と、かつての恩師の言葉を思い出します。この大きな壁を乗り越えることによって、幸せになる女性が増える。そう願いながら、強い意志を持って挑んでいます。この言葉を胸に、少しずつ人を巻き込み、大きなムーブメントを起こしていきたいと思っています。

※ 記載内容は2023年8月時点のものです

株式会社 明治

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