「ネットワークスペシャリスト」とは?試験の難易度や勉強法を解説 | キャリコネニュース
おかげさまで9周年 メルマガ読者数
65万人以上!

「ネットワークスペシャリスト」とは?試験の難易度や勉強法を解説

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が試験を実施する国家資格「ネットワークスペシャリスト」。ネットワークに関する資格試験の中でも、難易度の高い試験です。ネットワークスペシャリスト試験に合格するには、どんな勉強法が効果的なのでしょうか。ビジネスチャットサービスのバックエンドエンジニアとして働く安達勇太さんが解説します。

目次

 ネットワークスペシャリストとは
 ネットワークスペシャリストを取得するメリット
 ネットワークスペシャリストの概要
 ネットワークスペシャリスト勉強のポイント
 
 

→安達 勇太さんのプロフィール

Chatworkという会社でバックエンド(PHP/Scala/AWS)のエンジニアとして働いています。ウェブサービスの開発やキャリアに関する疑問や相談のことならお気軽にご相談ください。学校の課題から初心者の方、これからプログラミングを勉強してみようと思っている方の相談まで幅広く対応しています。

 

ネットワークスペシャリストとは

——ネットワークスペシャリスト試験は、どんな資格なのでしょうか。どんな知識が問われますか?

ひと口にネットワークといっても、いろんな階層があります。 ネットワークモデルの1つであるOSI参照モデルを例に挙げると、一番下のレイヤーは物理層といって、ケーブルや電気信号といったハードウェアに近い部分。上のレイヤーはアプリケーション層といって、Webブラウザなどみなさんがふだん触れているような技術。そういった、上のレイヤーから下のレイヤーまでの幅広い知識が問われる資格試験です。 また、ネットワークはセキュリティとの関連が強いため、ネットワーク周りのセキュリティに関する知識や対策も試験に盛り込まれています。

——ネットワークスペシャリストの資格の取得は、どんな人におすすめしますか?

大学生やIT関連のスクールに通っている人など、ネットワーク周りの高度な知識を体系的に学びたい人におすすめです。 大学生にとってはやや実務的な知識の体系になりますし、スクールに通っている人にとっては発展的・応用的な内容になります。 また、エンジニア歴1、2年目でこれから実績を積みたいという人にも向いている資格です。

——学生さんやスクールに通われている方は、実務についてわからないことが多いと思うのですが、その点はいかがですか?

実務といっても、試験では仕事の流れといった細かなことまで問われるわけではないので、必ずしも業務経験が必要というほどではありません。

ネットワークスペシャリストを取得するメリット

 

——ネットワークスペシャリストの資格試験にパスすると、どんなメリットがありますか?

キャリアに関していえば、学生のうちに取得しておくと就職に有利に働くかもしれません。 しかし、すでにエンジニアとして就職をしている人は、資格を持っているからといって転職が成功したり、資格を持っていないから転職の足切りにあったりということは、ほぼないでしょう。 ただし、資格を持っていることで収入に影響することがあります。資格手当のようなかたちで給料に上乗せされたり、資格を持っていないエンジニアに比べて人月単価が高くなったりといったメリットがあります。

——業務的なメリットはいかがでしょうか。

どういう人が取得するかにもよります。 ネットワークエンジニアなら、もちろん業務に資格がいきてきますね。 アプリケーションを開発するようなエンジニアであっても、ネットワーク周りの設定やチューニングで知識がいきてきます。また、ネットワーク周りのトラブルシューティングやボトルネックの解消をするときにも、そうした知識があると役立ちます。

ネットワークスペシャリストの概要

1.対象者像
高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者

2.業務と役割
ネットワークシステムを企画・要件定義・設計・構築・運用・保守する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。

 (1) ネットワーク管理者として、ネットワークサービス活用を含む情報システム基盤のネットワーク資源を管理する。
 (2) ネットワークシステムに対する要求を分析し、効率性・信頼性・安全性を考慮した企画・要件定義・設計・構築・運用・保守を行う。
 (3) 情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守において、ネットワーク関連の技術支援を行う。

3.期待する技術水準
目的に適合したネットワークシステムを構築・維持するため、次の知識・実践能力が要求される。

 (1) ネットワーク技術・ネットワークサービスの動向を広く見通し、目的に応じた適用可能な技術・サービスを選択できる。
 (2) 企業・組織、又は業務システムの要求(情報セキュリティを含む)を的確に理解し、ネットワークシステムの要求仕様を作成できる。
 (3) 要求仕様に関連するモデリングなどの設計技法、プロトコル技術、信頼性設計、セキュリティ技術、ネットワークサービス、コストなどを評価して、最適な論理設計・物理設計ができる。
 (4) ネットワーク関連企業(通信事業者、ベンダ、工事業者など)を活用して、ネットワークシステムの設計・構築・運用・保守ができる。

試験時間・出題形式は以下のとおり。

午前Ⅰ 9:30~10:20(50分)   多肢選択式(四肢択一)

午前Ⅱ 10:50~11:30(40分)  多肢選択式(四肢択一)

午後Ⅰ 12:30~14:00(90分)  記述式

午後Ⅱ  14:30~16:30(120分) 記述式

(独立行政法人情報処理推進機構より引用)

ネットワークスペシャリスト勉強のポイント

——実際に資格を取得した安達さんは、どんな方法で勉強しましたか?

私の場合は、解説付きの問題集過去問をやりましたね。王道な方法だと思います。 特に、午前Ⅰと午前Ⅱは過去問と同じような問題が出てきますので、過去問をしっかりとやり込んでおくことです。 ネットワークスペシャリストは時事ネタがよく反映されます。午後ⅠとⅡに関しては、問題集や過去問に加えて時事ネタを追っておく必要があります。 たとえば、最近新しく出てきたネットワークの規格やプロトコル、話題になった事件は試験に出やすいですね。ネットワークやセキュリティの話題がニュースで取り上げられることがあったら、どんな技術なのか、詳細まで調べておくとよいです。

——ほかに、勉強するうえでのポイントはありますか?

過去問や問題集を試験と同じ時間配分で解く練習はしておいたほうがいいですね。 午後は記述式の問題が出題されます。時間配分の感覚がわかっていないと時間が足りなくなってしまいますので、過去問を解くときは時間配分を意識しましょう。

——過去問や問題集を解いたと言いましたが、おすすめの教材はありますか?

過去問と解答はIPAの公式サイトに掲載されていますので、印刷して使うといいでしょう。逆に、教材を何冊も買い込まなければ理解ができないレベルだと、合格は厳しいかもしれません。 ネットワークスペシャリストはネットワークだけでなく、データベースやWebアプリケーションなどほかの分野との関連も深い資格試験です。基本的な知識が必要とされるので、先に基本情報技術者試験や応用情報処理技術者を取得して、ステップアップを目指すといいでしょう。

関連記事を見る

→Microsoft Azure認定資格とは?資格の概要や勉強法を解説

→JDLA Deep Learning for GENERAL(G検定)とは?取得のメリットや勉強法を解説

→JDLA Deep Learning for ENGINEER(E資格)とは?難易度や勉強法を解説

安達勇太さんのプロフィールを見る

安達勇太さんにIT・プログラミングについて相談する

注目動画

アーカイブ