仕事と家庭の両立は「分業化」がキーワード 医療事務の新たな働き方 | キャリコネニュース
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仕事と家庭の両立は「分業化」がキーワード 医療事務の新たな働き方

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医療法人梅華会様は柔軟性のある勤務体制と分業化で、退職率の高い医療事務でも働き続けられる環境を整備し2021年3月にホワイト企業認定 プラチナを取得されました。今回は柔軟性のある勤務体制と分業化に取り組んだ背景について、人事部労務課の小野様におうかがいしました。

時短勤務の推奨や医療部門以外の部門設立で診療時間に縛られない働き方を提案

――働きやすい社内制度や環境作りに取り組んだ経緯について教えてください。

一般的に医療事務の仕事(病院内での受付会計や診療の補助)は、診療が行われないと仕事がない状態です。そのため、診療時間=働く時間になるのですが、午後診療が遅い時は20時を過ぎることもあります。医療事務は女性の割合が高いですが、結婚や出産をした際、フルタイムでの勤務は家庭との両立が難しく、退職を選択せざるを得ない環境でした。

理事長の梅岡は「就職は結婚と同じようなものであり、お互いが相思相愛の状態でないと、うまくいかない」と考えています。いくら長く働いてほしい優秀な人材であっても、従業員本人が働き続けられる環境でなければいけません。そこで「医療事務は医療事務の仕事しかできない」という考えを取っ払い、新しい部署の設立。病院の診療時間以外でも働くことができ、社員のワークライフに合わせた働き方を実現しました。

 医療事務の仕事イメージ


医療事務の仕事イメージ

――自社の特徴的な取り組み・制度の概要を教えてください。

現在、医師・看護師・医療事務の医療部門以外に、経営企画・人事部・マーケティング部があり、”医療事務兼人事部採用”のように部署や役割を兼任して働くことができます。また、家庭との両立のために時短勤務も取り入れており、医療部門の職員でも診療時間に拘束されずワーク・ライフバランスに合わせて働くことができます。

――取り組みを展開したことで社内・社外から感じられた効果はありますか?

開院2008年~2015年(8年目)まで産休・育休取得者ゼロから、2016年以降に産休・育休取得した従業員は9名になりました。現在休暇中の従業員は3名、常勤で時短勤務者は3名おります。

また、2012年から医療部門以外の部署を設けたことで、医療事務が診療業務以外に行わなければならなかった業務(発注作業、外部との連絡、採用活動等)を、他部署で担うことができるようになりました。医療部門の従業員の負担が軽減されて、残業時間の短縮にもなり、結果的に残業時間が1人あたり月10時間削減できるほどまで改善しました。

医療部門の従業員は、診療業務に集中することができ、他部署では診療時間関係なくスピーディに業務対応できるようになり、効果を感じているという従業員の声もありました。

オンライン採用説明会の様子

オンライン採用説明会の様子

――上記取り組みを制度化し導入から実施、成果があがるまでに苦労したエピソードを教えてください。

医療部門しかないところから新しい部署の立ち上げは、まったく道がないところからのスタートだったため、何から手を付けていいかすら分からなかったです。相談できる人がいなかったため、本から学んだことを実行して試していくしかありませんでした。福利厚生の見直しに関しては、他業界での事例を参考にしたり、医療部門以外の部署を設ける際は組織作りに関する本を参考にしました。新しい部署を設けてから1年ほどは業務の分担が不明瞭な部分もあったので、その都度話し合いをして改善を行いました。

ホワイト企業認定を取得した経緯や周囲の方のご反応について

――ホワイト企業の認定取得を目指したきっかけや目的を教えてください。

「ホワイト企業か、ブラック企業か」というのは、就活中の学生さんが企業を選ぶ判断基準になると思います。学生さんに安心して就職先として選んでもらいたい!という思いから認定取得を目指しました。また、ホワイト企業認定が取得できたら、今まで職場環境づくりをしてきてくれた従業員にとっても自信に繋がると感じていました。

――ホワイト企業認定取得後に、社内外から得られた効果はございますか?

取得までの準備をするにあたり、今までの社内での取り組みを振り返り、様々な課題を解決してきたことや今ある環境を知ることで、改めて有難い環境で働けているということを感じました。また、このような認定をいただける企業で働けていることに誇りを持ち、従業員や従業員の家族にも安心してもらうことが出来たと思います。

入社一年目のスタッフが採用メンバーに加わったときのお祝い

入社一年目のスタッフが採用メンバーに加わったときのお祝い

――コロナ禍で新設した制度や取り組みや、今後課題としていらっしゃる点について教えてください。

出勤しなくても出来る業務は全て在宅勤務で対応し、ミーティングも全てオンラインで実施するようになりました。在宅勤務が多くなった時期は、人と会う回数が減ったため、従業員同士でたわいもない話をする機会がなくなり孤独を感じることもありました。しかし、チームとして働いていることを忘れないために、オンラインでランチ会や最近学んだことのシェア会を実施し、コミュニケーションを取れる機会を増やすことで従業員のモチベーション維持をしました。

オンラインミーティング中の様子

オンラインミーティング中の様子

――今後注力していく取り組みがあれば教えてください。

現在、問診票の電子化を進めています。患者さんが問診票を記入する手間をなくすことで待ち時間が軽減され、更にコロナの感染対策にもなります。また、病院では現金払いが一般的ですが、当院では電子マネーにも対応しています。今後も、患者さんの需要や時代の流れに合わせて様々な取り組みを行っていきます!

――最後にホワイト化を目指す企業様へ、一言お願いします。

自社の取り組みを改めて知ることのできる、良い機会になると思います!従業員が安心して働ける職場をつくり、共に社会貢献していけたら嬉しいです!

<ホワイト財団のインタビューページ>

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