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コロナ禍で給料を上げられない!部下にどう納得してもらう? 管理職のコミュニケーション方法

部下に納得してもらうには?

部下に納得してもらうには?

新型コロナウイルスの影響で多くの企業が業績不振に陥っています。今後の資金繰りを考えると眠れないという経営者、管理職も多いでしょう。その一方で、従業員も

「うちの会社、大丈夫だろうか?」
「定期昇給は、あるのだろうか?」

といった不安を抱えています。

今回は、このような状況の中、メンバーに業績の状況を説明し、給料を上げられないことに納得してもらうためのコミュニケーション方法をお伝えして参ります。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

経営をガラス張りにし、当事者意識を養え!

給料を上げられないことに納得してもらうためには、その理由をしっかり伝えていくことが重要です。ここをうやむやにしたままでは、メンバーの納得感を得ることは出来ません。そこでお勧めなのが「ガラス張り経営」です。私の尊敬する経営者、株式会社日本レーザーの近藤宣之会長も実施している経営方法です。

ガラス張り経営とは

「売り上げがどれくらいあり、利益はどれくらいで、計画からどれくらい離れているのか」
「その利益がどのように使われ、給料がどのように分配されているのか」

といった会社の状況を、経営幹部のみならず、末端の社員までもが理解している経営になります。

私が携わっている株式会社FeelWorksでも、この経営方法を取り入れており、毎月の社長からのレビューで、会社の経営状況が伝えられます。ガラス張りだからゆえ、今どんなことが足りないのか、今どんな行動をしていけばいいのかメンバー自らが考えるようになるのです。そして、給料がどのような流れの中で、どのように分配されているのかが目に見えるので、給料の状況に対する納得感も高くなります。

もちろん、経営者は今の状況に責任を感じ、しっかり自省しなくてはいけません。しかし現場の管理者は、会社の状況を把握した上で、メンバーに現状と方向性を伝えていく必要があります。

相手の立場に立ったコミュニケーションで、納得感と働きがいを育んでいく

心理学的に言うと、我々の脳は知らないことに対し空白を作り、この空白を埋めようとします。しかし、この空白がなかなか埋まらないと、不安を感じ、やがてイライラ感になることもあるでしょう。

この空白を埋めるためにも、会社の状況を理解してもらい、これからの方向性を持ってもらうことが必要なのです。そのために、管理職の皆さんに心がけていただきたいコミュニケーションが“ペーシング&リーディング”と言うものです。

ペーシングとは相手に合わせるコミュニケーションを指します。いわゆる“傾聴”と言われるもので、相手の話をよく聴き、相手の思いを捉え信頼関係を作っていくコミュニケーション技法です。

具体的にはまず、メンバーの会社に対する不満や満足、今の役割に対する不満や満足を聴きながら、メンバーの中にある不安を抽出していきましょう。不安をしっかり聴いた後は、メンバーの将来の目標をしっかり聴取していきます。上司のかかわりによって、不安がある程度収まり目標が見えてくると、人は働きがいを見つけ出しやすくなります。

次がリーディング、導くコミュニケーションです。職場ではティーチングやコーチングと呼ばれるものがそれにあたります。上司として、メンバーの能力向上に必要な行動をメンバー自身から引き出していきます。このペーシング&リーディングのコミュニケーションにより、給料が上がらなかった過去の目線から、給料を上げていく未来の目線に変更させていくのです。

コロナによって今後、日本型雇用にも変化が起きそうです。中でも年功序列や終身雇用といった制度は過去のものになりつつあります。日本型のメンバーシップ型雇用から欧米型のジョブ型雇用を採用する企業が増えていくでしょう。成果主義をベースとした雇用システムになると、メンバーの自律が欠かせません。会社の状況をしっかり自身の目で見、これからの動きを自ら決めていく力が求められます。そのような背景も伝えながら、業績不振の中、給料を上げられないことを次のステップへのフィードバックとして伝えていく必要があります。

筆者近影

筆者近影

【著者プロフィール】田岡 英明

働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。

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