スポーツの出来る子は”聞き流す”のも得意 自分に不要な情報はあくまでも聞いているフリ | キャリコネニュース - Page 3
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スポーツの出来る子は”聞き流す”のも得意 自分に不要な情報はあくまでも聞いているフリ

多くの子どもたちと接してきた中で、上手な子は「聞き流し」能力が長けていることに気づきました。自分に必要ないと思った情報は聞いているフリをしているんです。

とある野球チームのコーチをしている頃、チームのレギュラーメンバーに「実は監督の言うこと聞き流しているでしょ?」と聞いたことがあります。その答えは「はい」。僕のレッスンでU-12の侍ジャパンに選出された子も聞き流す能力に長けています。

聞き流して何をしているかというと、黙々と自分の練習をしています。そして必要なこと、最終的にわからないことやできないことの情報は自分で集めにいく。その子のレベルが上がれば、監督やコーチは上手い子にはなにも言わなくなります。

その反面、聞き流すことができない子もいます。正直で素直な子ほど、監督やコーチがいうことを真に受けてすべてを実践しようとしてしまう。チームが変われば新しいコーチの言うことを、習い事をすればまたその指導を、親に言われればそれを聞いて受け入れてしまう。

すべて聞き入れてしまうがゆえに混乱し、その子どもが本来持っている個性や潜在能力を失ってしまうのです。その結果、うまくできなくなり、また監督やコーチから指導を受け、さらに混乱していくという悪循環に陥ります。

指導とは指し示すことであって、教えることではない

動機づけ研究の第一人者でロチェスター大学教授のエドワード・L・デシは著書『人を伸ばす力』(新曜社1999年)の中で「自律的であることがモチベーションに繋がる」ということを説いています。

つまり、上手な子たちは内発的な動機=聞き流しができ自律的であることがモチベーションに繋がっていると言えます。逆に、真に受けてしまう子どもたちは「教えたがる」という外発的動機づけの下で他律的になっている。

競技をするのは子どもたち本人であり指導者ではありません。子どもたちがどのようになっていきたいのかをサポートし、手助けをすることが本来の指導です。上手くなった子どもは決して指導者の手柄ではなく、自律的に練習してきた結果なのかもしれません。

筆者近影

筆者近影

【筆者プロフィール】ちばつかさ

柔道整復師、メンタルケア心理士、元プロ野球独立リーガー。東京と福井で投げ銭制の接骨院「小道のほぐし接骨院」を経営しのべ10万人近くの体と心と向き合う。野球経験を活かし都内で”野球を教えない”野球レッスンも運営。【公式サイト】

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