どんな会社でも活躍できる人材になるには? 3つの原則「時を守り、場を清め、礼を正す」を守ることから始めてみる
どんな会社に行っても活躍できる人材になるには、どうすればいいのでしょうか。「活躍」という言葉にどんなイメージを思い浮かべますか? 「利益を出すこと」「その会社にとってなくてはならない存在になること」「相手の期待に応えること」。色々な解釈があるかと思います。
「活躍」という言葉を辞書で引くと、「めざましく活動すること」と出てきます。そのように活動し、会社や社会に良い影響を与える人。そんな人材になるためには何が必要なのでしょうか?(文:ビジネスコーチ 駄田井 一孝)
経営者から”3原則”が出来ていない従業員への不満が出てくる傾向
今は亡き教育哲学者の森信三先生が、会社を良くしようとしたら、まずこの3つから始めるとよいという3原則を提唱しています。それは「時を守り、場を清め、礼を正す」です。
時を守る…時間や期限を守る。
場を清める…履物を揃える。机の上の整理整頓をする。
礼を正す…挨拶をする。ハイと元気よく返事をする。
上記3つは、そんなの当たり前でしょう、と思われる事です。しかし、その当たり前のことが出来ていない、もしくは出来ていないことで周囲に影響を与えていることがあるのです。
経営者から、従業員に対しての課題や要望を聞くことがよくあります。その課題の中に、上記の3つがよく出てきます。
「〇〇さんは、机の上が片付いていない。整理整頓ができない」
「〇〇さんは、時間ギリギリに行動する。遅れても連絡が来ない」
「〇〇さんは、挨拶をしない。呼ばれても返事をしない」
これらに共通していることは、「相手に何かしらの引っかかり」をつくってしまう可能性があることです。基本的に仕事は人と一緒にやるものです。相手を不安にさせず、安心感を与え、信頼感を築くことが大切です。
良い信頼関係を構築出来れば、仕事を上手く進めることが出来ますが、相手に不安や不信感を与えてしまうと上手く進めることが出来ません。
企業に紹介したくない学生は「挨拶ができない」「時間を守れない」
自分自身の言動が、相手に引っかかりや不安を与えていないか?と気をつける必要があります。このひっかかりや不安が、だらしない印象やこの人には大切な仕事を任せらないという評価につながります。
その他にも、「報告、連絡、相談」が大事です。部下に仕事を指示した際、上司はその仕事がどう終わったのか気になるところ。だからこそ、しっかりと報告をしておきます。ここでも大切なことは、相手が気になることや引っかかりそうな事に対して手を打っておくことです。
時間や期限を守る。身の回りの整理整頓をする。元気な挨拶をする。まずは、この3つをしっかりやっていけば、相手に引っかかりを創り出すことなく、良い印象を与えることが出来ます。
以前、大学生の就職支援を行っており、企業の人事担当者に学生を紹介する仕事をしていました。紹介したいと思う学生と、紹介が難しい学生を分ける境目は「しっかりと挨拶が出来るかどうか」「時間を守る、もしくは時間に遅れそうになった時に連絡が出来るかどうか」でした。
最低限、その2つができないと、人事担当者からクレームになる可能性があります。逆に挨拶がしっかり出来て、時間を守る、又は遅れそうになった時にきちんと連絡をする。そういう学生なら安心して紹介することが出来ます。
相手に不安をつくり出していないか、信頼して仕事を任せて頂けそうか。自分の言動が、相手にどんな影響を与えているのか。それらをしっかりと観察し手が打てること。めざましく活動する人材になるためにはそんな観点が必要だと私は観ています。
その観点を養うために、まずは、「時を守り、場を清め、礼を正す」の3原則から取り組んでみて、相手に良い印象を持ってもらうことから始めてみてはどうでしょう。
【プロフィール】
駄田井一孝(だたいいっこう) ProLeader代表/ビジネスコーチ
ビジネスコーチング実践会
https://www.1pro-leader.com/
1977年大阪府堺市生まれ。秋田県立農業短期大学卒業後、モーグルスキー選手として活動。2001年の長野国体に大阪代表選手として出場。選手引退後、豊中市消防本部に入社。消防士在職中に、対話を通して人の行動と能力を引き出すコミュニケーションスキル、コーチングと出会いトレーニングを開始。2004年にビジネスコーチとして独立し、経営者・経営幹部・個人事業主を対象に個人面談を通して目標達成のサポートを行う。個人面談の延べ人数400人以上。「この選択でよし!この自分でよし!」と日々、自分の存在に力づけられながら、望んでいることを実現していくことをサポートしている。