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新型コロナ、福井で発生したデマLINE「感染者はこの人!これ回して!」 事実無根の噂や相関図も

新型コロナでデマLINE発生

新型コロナでデマLINE発生

新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が発令され、対象となった都府県でも独自の対策が始まりました。 “当たり前ではない状況”が続く中、僕が住む福井県の福井新聞では4月10日、「広がるコロナ風評被害に悲痛な声。福井県内でデマ、営業自粛の店も」という記事がでました。

「どこどこのお店に感染者が出た」などのデマ情報が流れているというのです。事実と異なる感染者の相関図が添えられ、標的となったお店には苦情の電話や無言電話もくるようになっているというのですが、実は僕の妻の元にもそんな嘘の情報が入ってきたんです。(文:ちばつかさ)

県内で出回るデマLINE 飲食店に「こんな状況なのに営業するんですか?」のクレームも

デマはLINEのメッセージで回ってきました。「感染者はこの人!これ回して!」と指名手配犯かのように感染者の個人名や勤務先がかかれています。これに感染者の写真、「感染者の濃厚接触者」という嘘の相関図も添付されていました。

相関図には感染の順番と個人名が書かれていますが、事実と異なります。さらに「この感染者は○○とデキている」などの噂や、感染者本人が公にしたくないことなどまで書かれていました。

このLINEは妻の弟にも同一内容のものがコピペで送られてきたとのこと。知り合いの中でも受け取ったという人がいて、福井の人には結構この情報が回ってきているみたいです。

感染者への誹謗中傷が書かれた貼り紙が自宅に貼られた人もいるそうです。これはあくまでも人から聞いた話しなのですが、京都でも同様の事態が起こっているので、どこで起こってもおかしくないと思われます。

お店にクレームを入れる人も増えています。知り合いの飲食店にも「こんな状況なのに営業するんですか?」というクレーム電話がきました。「営業しなければこの先お店を継続できない、行政からの支援もまだない中で細心の注意を払って仕方なく営業しているのに……」と嘆いています。

どうしてデマや理不尽なクレームが発生するのか。福井という地域性なのでしょうか。東京から移住してきたときに、家に車が2週間ないだけで「入院している」「離婚した」という噂が近所に広がりました。目立つ車に乗っていたりすると「どこどこにいたよね?」といちいち注目されたこともありました。でも今回の件はそれが可愛く思えるくらいです。

一体、なぜここまで人は他人を追い詰めたり、恐れたりするようになってしまうのでしょう。この状況をみんなで協力して乗り切ろうとする人もいれば、不安の拡散に加担してしまう人もいます。

福井県に限りませんが、1つの理由として地方特有の”協調性の罠”がある気がします。協調性といえば一見聞こえがいいですが、協調性を求める空気が強すぎると排他的になる傾向があります。変化を好まない、新しいことにはアレルギー反応を示すなどです。

「協調性を損なうものは断固として許せない」という気持ちが間違った正義感を呼び起こすのでしょう。東京から移住した僕は、そうした空気感に苦労もしました。だからと言ってこれを簡単に否定するのも違う気がします。

危機的な状況で人間の本性や本音が出るもの

今回のような危機的状況は、人の状況や本性が顕にされる瞬間でもあります。人は「個人的なアイデンティティ」と「社会的なアイデンティティ」を使い分けて生きています。つまり本来の自分から”キャラ作り”をして社会に合わせて生きているということです。

隠した本性はお酒を飲んだり、家にいたり、気の知れた仲間といる時に出現したりします。例えば政治家が支持者の集まる講演会で暴言を吐いたりするのも、本来思っている自分が出てきてしまった、ということになるでしょう。

一方、危機的な状況でも人間の本性や本音が出ます。新型コロナウイルス感染拡大下で冒頭にあげたデマなどの拡散や苦情、さらには他人への非協力や批判が出てくるのも当然です。

“本来の自分”がコロナの影響でお金がなくなってしまったとか、それ以前に元からの生活環境が悪かったとか、自分の望む状況を生きることができていないという人もいます。そうすると自尊感情や自己評価を維持・高揚させるために他人を陥れようとしてしまうことがあります。他人を陥れれば自尊感情が保てます。

一方、自尊感情が高く日々の状態が安定している人は、他人を陥れる必要がないんです。「自分の状況が悪いからって人を陥れるなよ」と言いたいところなんですが、そう簡単なことではなさそうなことも事実。

コロナ禍で人間関係のあり方を考え直すチャンスに

デマの拡散や犯人探し、誹謗中傷などは起きてしまうということは”潜在的に苦しい状況に立っている人がたくさんいる”とも考えられます。でも、僕はその情報が妻のLINEに流れてきた時、正直「こんな人とは友達になりたくないな」と思ってしまいました。

だってもし妻や僕ら家族が感染していたら、心配されるのではなく同じように情報を世間に回されるってことですから。そう思うと、この”当たり前じゃない状況”は自分や他人と向き合うよいチャンスとも言えます。

この機会に人間関係の断捨離をすることも、逆に苦しい時に誰が手を差し伸べてくれたのかを知ることもできる。人間関係を見つめ直し、「自分自身がどんな心構えでこの状況を過ごしているのか」という自分に向き合えるチャンスでもあります。

見えなかったものが見えるかもしれないし、気づけなかった優しさなどにも気付くかもしれない。望んでいない状況を生きている自分に気付くかもしれない。ひとりひとりがフラットな状況になった今、様々なことが起こる社会の中でそんなことを考えてみるのもありだと、デマや犯人探しの状況から感じました。

著者近影

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【筆者プロフィール】ちばつかさ

合同会社komichi代表。柔道整復師、こころと体のコーディネーター、元プロ野球独立リーグ選手。東京と福井で投げ銭制の接骨院を運営しのべ10万人近くの心と体に向き合ってきた。野球経験とコーチングの経験を活かし都内で”野球を教えない野球レッスン”を運営。レッスン卒業生がU12侍ジャパンの代表に選出された。現在、心理学を学ぶため、アラフォーで大学在学中。【公式サイト】

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