「誰もわかってくれない」と悩む若手社員 管理職はどう向き合えばいいのか | キャリコネニュース - Page 2
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「誰もわかってくれない」と悩む若手社員 管理職はどう向き合えばいいのか

突然ですが、次のようなケースに対して、皆さんならどのようなコミュニケーションを取るか、考えてみてください。

あなたは営業課をまとめる管理職です。入社2年目のA君に対し、そろそろ営業アシスタント的な仕事から、自身としての担当を持たせていきたいと考えています。

A君はこの1年、先輩社員のアシスタント的な立場で営業経験を積んできました。指示された業務については、丁寧にきちんとやり遂げるし、納期が遅れることもありません。言われたことの飲み込みの早い、まじめな若者です。

そこで、優良顧客の一つを彼に担当してもらうことにしました。丁寧な引継ぎの後、週1回の報告を受けることにしました。それから4か月、いろいろとアドバイスをするものの、結果が思わしくありません。担当顧客の様子を聞いても、的を射ない返答が目立ちます。

そして、ある時次のような愚痴を同期にこぼしていることを耳にしてしまったのです。

「自分なりに一生懸命考えているけど、何がいけないのかわからない。上司も先輩も、どうすればいいか教えてくれず、これ以上どうしたらいいかわからない。自分は真剣に悩んでいるのに、誰もわかってくれない」

がっかりしながらも、若手を育てていかなければならない。どのような関わり方を皆さんならするでしょうか。少し考えてみてください。

やりがちなNG例「とにかく成果を上げるために、厳しく指導せねば」

このような若手に対しては、つい以下に記すような関わり方をしてしまいがちです。

「やはりA君も最近の若者と同じで、受け身の姿勢で言われたことしかできないな。しかも、私のアドバイスをきちんと理解しようとしていない」
「ゆとり世代で、甘やかされて育ってきたからかな?『教えてくれない』『わかってくれない』といった不平不満で、結局、自分本位な人間だ」
「本人の言動や気持ちを気にしても仕方ない。とにかく、成果を上げさせるために、厳しく指導していかねば。シビアに仕事の目標を示し、厳しく叱咤する。心を入れ替えさせるように、行動を徹底して管理していくぞ」

こんなパターンに陥りがちなのではないでしょうか。思わずドキッとした方も多いでしょう。

右肩上がりの経済の余韻が残っていた平成初期くらいまでなら、このパターンでも通用していました。しかし、右肩下がりの現代においては、通用しないことが多いです。

ポイントは4つのステップ

今どきの若手に対しては、以下のようなスタンスと関わり方が求められます。A君のケースを例にとると、

「指示された業務については、丁寧にきちんとやり遂げるし、納期が遅れることもない。そして、真面目で慎重な性格を持っている。それゆえ、まだ自分で考えて動くことに対し、自信が持てず、失敗を怖がっているのかもしれない」
「仕事の目的と方法をしっかり伝え、挑戦できる環境を作っていこう。成功体験を積ませて、まずは自信を持たせていこう」
「定期的な面談の場を用意し、役割の意義と目標を把握させる。毎週のミーティングで挑戦課題の取り組みを報告してもらい、小さな階段を上らせていこう」

このような流れです。これは甘やかしではなく、組織成果を上げるためにやっていく必要があるのだと捉えましょう。あくまでも、管理職に一番求められることは組織成果の最大化なのですから。

現代は、多様性の時代とも言われます。多様な思いを持ったメンバーが働き、多様な働き方を持ったメンバーが働いている。ですから、コミュニケーションが難しいのです。そして、そのコミュニケーションの優先順位が上がっているのです。

多様性の時代において、管理職に求められるコミュニケーションの流れは以下の4つのステップです。

ステップ1:違いを認める。自分との違いを受けとめる
ステップ2:価値観を知る。相手の真の思いを掴む
ステップ3:あり方を定める。上司としてのスタンスを決める
ステップ4:やり方を変える。コミュニケーションのとり方を変える

以上の4ステップをまわし続けるのです。これがダイバーシティコミュニケーション力を高めることにつながり、結果として組織成果を上げていきます。

今回は、若者とのコミュニケーションを題材に、今求められているダイバーシティコミュニケーションについて話を進めてきました。これまで以上に、メンバーとの細やかなコミュニケーションが求められています。トライ&エラーをしながらも、その能力を高めていきましょう。

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