「服装自由」の断り書き、実はひっかけ? その就活都市伝説はウソですから!
7月も終わりに近づき、暑い日々が続きます。この時期、社会人は「クールビズ」が当たり前。採用担当者の私も上着を脱いで、ネクタイも外しています。
しかし就活生は、ほとんどの人が上着まで着ています。猛暑の中、あの格好であちこちを移動せざるをえないのは、難儀していることでしょう。そこで私たちの会社では「服装:自由 私たちも私服で参ります」と案内文に記載するようにしていました。(文:河合浩司)
そんな姑息な会社には落としてもらった方がいい
ところが、それでもあまり状況は変わりませんでした。先日、わざわざスーツで、上着まで着てきてくれた学生に、雑談の中で聞いてみました。
「今日は来てくれて、ありがとうございます。これだけ暑いですから、上着来てこなくてよかったのに。この後、他社の説明会や選考でもあるんですか?」
すると、この学生は「あ、いえ、今日は御社だけです。ただ、先輩から『私服でお越しください』と明記してある時は、ひっかけだから、スーツでいかないと落ちると聞いていたので…」と答えました。私ははっきり、こう助言しました。
「その就活都市伝説、いまだに生きていたのですね。あれ、ウソだから心配しないでね。暑いでしょうから、よかったら脱いでてください」
すると学生は、「ありがとうございます!」とホッとした様子。就活都市伝説は、なかなかにしぶといものですね。不安をあおるのが仕事の就活ビジネスの食い物にされないようにしましょう。
そもそも、そんなひっかけで学生を騙すような会社には入社しない方がいいので、落としてもらいましょう。人を騙す仕事がしたければ、裏をかけばいいのでしょうが、まともな仕事をしたい人は落としてもらった方がよいというものです。
「上着着用不要」と記載してあげてはどうか
採用側はクールビズで、就活生だけが上着・ネクタイを着用しているのは、どうにも気を遣います。また、こう暑いと、熱中症などの体調不良にもつながりかねません。
ただ、服装の指定で「自由」や「クールビズ」と書くと、これはこれで就活生も困るようです。大学の就職課職員から聞いた話では、「クールビズと指定があるが、どんな格好をすればいいのか?」という相談が今年は特に増えているようです。
「それくらい検索して、自力で調べなさいよ」と思わなくもないですが、相談が増えているのは事実です。たかだか服装のことくらいで騒ぎ続けるのもあまり生産的ではありませんので、採用担当者のみなさんに提案です。暑くなってきたら説明会や案内文に、こう記載することにしませんか?
「服装:暑いのでスーツの上着を着る必要はありません。私たちも上着を着ずに、ネクタイも外しています」
せめて、上着を着ないだけでも、だいぶ楽になるはずです。ビジネスカジュアルのように新たに買い足す必要もありません。
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