夏でもスーツ着る「就活ホットビズ」 ネタ記事が拡散するも「本当にあり得る」の声
今年の就活は選考の解禁が8月に後ろ倒しされ、学生が夏場に会社訪問をすることになる。そんな中、夏でもリクルートスーツを着る「就活ホットビズ」なるネタがネット上で拡散し、話題を呼んでいる。
6月2日、「就活ホットビズ推奨へ 商経協 夏でもスーツを」という見出しが書かれた新聞紙風の画像がツイッターに投稿された。記事は「全国商工経済協議会(商経協)」という団体が、全国の大学生にスーツとネクタイを着用して就職活動するよう推奨する声明を発表したという内容で、クールビズならぬ「ホットビズ」だとしている。
「スーツ・ネクタイ就活で癌が治る!」という広告も掲載
記事では、商経協の加盟企業から「形式も守れない人間は斬新な仕事などできない」という意見もあったと紹介。ホットビズのねらいは「昔ながらの型にはまった就職活動を広めること」だとする。さらに商経協の担当者が、こうコメントしている。
「企業は大学生に下手な個性を求めていない。おしなべて同じ服装、動作をする気持ちのよい若者を求めている」
紙面のレイアウトやフォントなど、まるで本物の新聞紙面のようだが、これは完全なるニセ記事。全国商工経済協議会という団体は存在しない。
隣の記事には「議会のヤジ 保護へ」というネタ見出しが、下部には「スーツ・ネクタイ就活で癌が治る!」という広告があるので、よく見るとフェイクであることは分かるが、クオリティの高さに真に受けてしまう人もいるようだ。
ツイッターでは2200回以上リツイートされ、本物の新聞記事だと勘違いしたユーザーからマジレスが殺到する事態になった。
「ホットビズってなんだよ、こんな馬鹿みたいな発想する会社と仕事したくねえ」
「『夏でもスーツを』って熱中症増やすだけじゃないかな」
「ホットビズとか就活生殺したいんですかねぇ…」
過去には「『バルス』投稿禁止」のニセ記事でも話題に
この記事はネタとして作られたものではあるものの、保守的な企業が学生に夏場もリクルートスーツ着用を求めるというのはありそうな話ではある。そのため「ホットビズ、ネタ紙面なのか 今の日本ならあり得るからうっかり信じたぜ」という声も出ていた。
また、ホットビズはともかく、企業が「おしなべて同じ動作、服装をする気持ちのよい若者を求めている」という部分についても、このように考える「頭のかたーい人たち」は実際に「一定数いると思う」と感心する人も。ジョークとしてかなり際どいラインをうまく突いてきた、ということなのだろう。
ちなみに、ニセ新聞記事の画像を投稿したoloさんは、架空の紙幣やニセのニュース動画などで知られるクリエーター。一部ネットでは有名人だ。過去には、アニメ『天空の城ラピュタ」がテレビで放送されるのを受けて「『バルス』投稿禁止 ツイッター罰則規定を追加」という記事を作成してバズらせた。
またバレンタインデーに合わせて「特定菓子贈与禁止法案可決 衆参両院全会一致バレンタインデー禁止に」をいう記事を作り、話題になったことも。そのため、今回もツイッターでは「架空貨幣の人か。相変わらずよくできてるな」という声が出ていた。