会社説明会の「無断キャンセル」はやめよう! 小まめな連絡の習慣は、社会人になっても役に立つ
就活ナビサイトのおかげで、会社説明会への申し込みが手軽にできるようになりました。アカウントの登録さえ済ませておけば、スマホの操作だけでOK。しかしその手軽さゆえに「無断キャンセル」の発生も増えているのです。
毎年のことなのでもう慣れていますが、やはり気にする採用担当者がいるのも事実です。「無断キャンセルをした学生は採用したくない」と憤慨する人もいます。「就活生も忙しいんだから」と思う一方、担当者の気持ちも分からないではありません。(文:河合浩司)
担当者は「またあの学生」と気づいている
企業側からすると、会社説明会を開くだけで多額の費用がかかります。会場を借りる費用や学生を集める広報にお金を支払い、説明会を運営する人件費も発生しています。就活生が座る座席ひとつにも、企業がお金を払っているのです。
ここで就活生が無断キャンセルをすると、企業がお金をかけて用意した椅子をひとつ無駄にすることになります。採用シーズンの人事は多忙なので、無断キャンセルの回数をすべて数えていませんが、学生の何人かは自然と目につくことがよくあります。
私自身、何度も経験していますが、会社説明会の前には必ず申込者名簿を確認します。どのような学生が申し込んでくれているのかを見て、会社について話す内容や、会場に連れて行く社員を変えることがあるからです。
その際、なぜか繰り返し名前を見かける学生に気づくことがあります。見覚えのある学生が、何度も申し込んでいるのです。そのときは別段意識することもないのですが、会社説明会を終えた後、回収したアンケートを読んでいて、
「あれ? そういやあの学生の名前、今回もないな」
とふと思い出すことがあるのです。これが二度、三度続くことは決して珍しいことではありません。毎年何名かはそのような学生がいるのです。度重なると「また、この学生か…」という認識になってしまっているものです。
「ドタキャン率くらい見越しておけ」というのも分かるが
無断キャンセルが目につくからといって、ただちに不採用の判断に直結することはありません。しかし、一度ネガティブなイメージを持ってしまっては、短い面接の中で挽回するのは至難の業となるでしょう。
企業は営利団体ですから、「採用する前から企業に損をさせる人を採用する理由はない」というのも、一つの意見なのかもしれません。
ときどき「就活生が書類選考で落ちるときの”損害”も考えろ!」という批判も目にしますが、選考結果と説明会ではわけが違います。説明会の申し込みは「出席します」という約束の一種だと考えるべきです。
面接などの選考でない限り、わざわざ電話連絡までは必要ありませんが、メールやナビサイトのメッセージ機能などを使って、何らかの連絡を入れておいた方がいいでしょう。
「お前の会社に魅力がないからだ。ドタキャン率くらい見越しておけ」
と悪態をつくのも結構ですが、実際に企業に入れば、このような小まめな連絡が相手の印象をよくし、ひいては大きな取引につながったりするものです。社会人になってからも必要とされる習慣として、いまから身に付けておいて損はありませんよ。
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