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「あなたを採用したら当社にどんなメリットがありますか?」 配属先も未定なのに何を答えろというのか

新卒採用で面接担当者が発する質問は、何かと就活生を困らせます。たとえば定番とされている、

「あなたを採用したら、当社にどんなメリットがありますか?」

という質問もその一つ。どう答えるべきなのか分からなかった就活生が、質問サイトなどで質問していた記録も残っています。

実際、答える方は本当に困るでしょう。なぜなら、質問をしている採用担当者が返答に大きな期待をしているとは思えないからです。とはいえ、その分ハードルは低いので、自分らしさに関連した内容を考えておけば大丈夫です。(文:河合浩司)

「お前を取ってやる」との思い違いを露見しているだけ

どこの部署に配属されるかも分からないのに

どこの部署に配属されるかも分からないのに

正直なところ、彼らに明確な意図があって「採用するメリット」を就活生に聞いているのかどうかは甚だ疑問です。そもそも即戦力にならないことが前提の新卒採用をしているのに、採用するメリットを聞くこと自体おかしな話ではないでしょうか。

気が短い学生なら「だったらあなたは人事を希望して入社したのですか?」「入社前から人事として会社に貢献するつもりだったのですか?」と面接担当者に問いただしたくなってしまうことでしょう。しかし彼らも、そういうつもりで入社した人は稀です。

目の前に座る就活生を自社が採用するメリットを考えるのが、人事担当者の仕事であり、経営陣の役目です。それを放棄して学生に聞くのは単なる思考停止か、「お前を取ってやる」との思い違いを露見しているだけです。

下調べもしないインタビュアーが「今の心境は?」と聞くようなものなのかもしれません。「こんな会社には入りたくないな」と思うかもしれませんが、短気を起こしては相手の思う壺。ある種の学生らしさと、貢献意欲を示しておけば十分だと思います。

「この会社の○○な部分に貢献していけるよう、自分なりに頑張っていきます」

無理な答えをすれば「具体的には?」と問われる

学生時代の研究テーマに合わせ「今まで研究をコツコツやってきたので、入社後も積み重ねて結果を出します!」でもいいですし、自己PRにそろえて、

「持ち前の元気と明るさで、事務所内に笑顔を増やします」
「きれいな字には自信があるので、まずは宛名書きから任せてください」

などといっても悪印象にはなりません。なぜなら、この程度の意欲も示すことができずに、見るからにイヤイヤ面接に望む学生がいるからです。

逆に「売上〇〇%UP」「新商品をヒットさせる」などと、大それたことを言う必要もありません。無理をして大きなことを言っても、その次に「具体的には?」と問われてしまえば、答えに詰ってしまうことでしょう。

この質問は、普通に答えている就活生にも投げかけられることがあります。

「え、笑顔を増やすだけなんですか?」
「うちの仕事は、宛名書きだけではないんだけどね?」

「今はそれくらいしか思いつかなくて」で素直にやり過ごす

私がしたわけではありませんが、このような意地悪な面接を何度か目にしたことがあります。しかしこのような展開にもかかわらず、選考に通過している学生たちは、だいたい次のような対応をしていました。

「すみません、今はそれくらいしか思いつかなくて……。でも、入社後に任されたことはがんばります!」

どこの部署に配属されるかも教えずに、何を答えろというのでしょうか。どうしても分からなければ、そう素直にやり過ごすしかありません。私には、就活生の方が大人な対応をしているように見えました。

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