ネットメディア編集者は正しい”クソリプ”を選べるのか? 「クソリプかるた」を実際にやってみた結果
広告制作会社の人間(本社:大阪府大阪市)は8月上旬、「クソリプかるた」を発売した。「クソリプ」とは、SNSで見知らぬ人から送られてくる不快であったり、的外れであったりする返信のことだ。ツイッターでよく見かける。
同商品は、実際のクソリプを元に作られたかるた形式のカードゲーム。読み手が「投稿文」を読み上げ、参加者は取り札である「クソリプ」を早いもの勝ちで取り、それが正解なら1点で、5点先取したほうが勝ちというルールだ。人気YouTuberのはじめしゃちょーや宮迫博之さんらもプレイ動画を投稿し、ネット上で話題になっている。
中々のクソリプっぷりに「正解あてるの難しい」といった声が相次いでいるが、日々SNSを細かくチェックしているネットメディア編集部員は正しいクソリプを当てられるのだろうか。キャリコネニュースもやってみた。
「なにそれ鳥のエサ?」「プッ」「黙れ」など50枚の取り札から正しいクソリプを選ぶ
クソリプの読み札・取り札は各50枚。まずは筆者が読み手、編集長(業界歴10年以上)と編集記者T(入社1年目)が取り手として行った。正式なルールだと、正しいクソリプを選ぶまで続けるのだが、今回は2回間違えたら次の問題に移ることにした。
まずは、一般人10代女性の投稿「眠たくて目がこんなにショボショボ…。(自撮り添付)」。この投稿に対するクソリプ取り札を選ぶ。取り札の枚数も多いので「どれだ……?」「もうちょっと待って」など真剣に選んでいる。
取り札は「なにそれ鳥のエサ?」というものから、「プッ」「いいね」「黙れ」などどんな投稿にも付いていそうなものまである。ちなみにクソリプは「愚痴系」「恨み節系」「誤解系」「自己中系」「上から目線系」「煽り系」「自分語り系」「難癖系」「偏見系」「暴言系」「意味不明系」の12種類に分類されている。
1回目、編集長は「うるせえブス」、編集者Tは「私と結婚したいなら連絡してください080xxxxxxxx」を選ぶが両者不正解。しかし2回目では、編集長が正解の「ナイスおっぱい!!」を選択した。
編集長「『10代女性に対するクソリプ』『自撮り写真が添付されている』という点を考えるとこれかなって思った」
入社4年目の筆者も一通りのクソリプパターンは分かるが……
残念ながら編集長の言う通り、若い女性に性的なクソリプを送る人はよく見られる。解説によるとこのクソリプは、「本題とは無関係な性的感想を送りつける『セクハラ系』」だ。以降、編集長の快進撃が続き、4連続正解となる。
「クソリプは全部ブロックしています」→「クソリプって何?」(愚問系クソリプ)
「フォートナイトは本当に面白い。絶対に今やるべきですね」→「面白くないものを推す意味がわからない」(偏見系クソリプ)
「『ジョーカー』のホアキンがすごくよかった~!やっぱりアカデミー賞受賞作なだけあって演技力がハンパない」→「なんか偉そうだな」(上から目線系クソリプ)
数多い取り札から正確なクソリプを選んでいく編集長は、一向に正解できない編集者Tに「関連性があるから大体分かるでしょ」と語る。脈絡のないクソリプが続き両者とも正解できない場面もあったが、編集長が先に5回正解して勝利した。
編集長「『昨日の動画、たくさん反応あって嬉しいな~!』に対する『辛いものを食べるとおしりから血が出ますか?』とか、『過去の恋愛について書いた記事が公開されました!』の『だまれ』とかリプに関連性がないものは難しいけど、そのほかは大体分かる」
毎日SNSを見ていると、それなりにクソリプがパターン化されて見えてくるようだ。一方、入社1年目の編集者Tはひとつも当てることはできなかった。
その後、入社4年目の筆者もチャレンジした。確かに関連性のあるクソリプや、よく芸能人の投稿にこういうクソリプついてるよな、といったあるある系は分かる。
しかし編集長は、普通の人が「なんでこの投稿にこのクソリプが来るの?」と感じるものであっても「これはあるあるじゃん」と当てていく。これがニュースメディアの編集長だ。尊敬する。すごい。でもクソリプをする人は意味がわからないと思っていたが、ここまで”分かっている”編集長も少し怖いと感じた。