「海外ホラーとJホラー、どっちが怖い?」を考えるのは損! どっちも怖がるのが一番充実する! | キャリコネニュース - Page 2
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「海外ホラーとJホラー、どっちが怖い?」を考えるのは損! どっちも怖がるのが一番充実する!

先日、ガールズちゃんねるで「海外ホラーと日本のホラーどっちが怖いと思いますか?」というトピックが立っていた。やだなぁ~怖いなぁ~と思いながらおそるおそる覗いてみると、こういうことが書いてある。

「海外のホラーは、観てるときは怖いけど後を引く怖さではない。だから1人でも観れる。日本のホラーは地味に怖くて後から怖さが増す気がする。だから観終わったあとにはトイレに行けなくなる」

その上で、「私は日本のホラーはじっくり観れない。皆さんはどちらの方が怖いですか?」と質問をしている。ちょっとその皆さん方の声を紹介していきたい。

「ゾクっとするのは日本。海外のは怖いというよりグロい、気持ち悪いのが多い」
「絶対日本。海外のは、ちょっと間違えるとコメディに思える」
「日本かなぁ?『呪怨』みたいにメイクが雑な白塗りじゃなければ」
「悪魔やゾンビやゴーストてネタにはなっても恐怖はあまり感じないからな。宗教感もあるし」
「日本の呪う、祟る、ていう方が怖く感じる。御霊信仰とか日本独特だよね」

と、もうことごとく”日本のホラー映画の方が怖い”が圧倒的だった。海外ホラーは土台がキリスト教に根差しているものが多く、実生活との関連性がなかなか見い出せないまま進むというのも一つの要因かもしれない。

たとえば日本人は火葬が普通だけど、キリスト圏では灰になると天国に行けない。そのため灰化がキーワードになってるホラーは昔からいくつもある。1998年公開の『ブレイド』も印象的な灰化が描かれていたっけ。

灰になるのは恐ろしいという前提が刷り込まれていないと、抱く感覚は当然変わってくる。灰化とか、悪魔とか、ゴーストとか言われてもやっぱり日本人にはピンと来ないんだよね(笑)。それよりも人間の情や怨念がキーになっているほうが、やっぱり日本人の琴線には触れやすいというか。

近年は日本的な怖さはJホラーの専売特許ではない!逆に海外的なホラーが日本から登場するようにも…

日本のホラー映画は、独特の”じめ怖さ”がある陰鬱な作品が昔から多い。Jホラーブームの火付け役になった1998年公開の『リング』はその具体的一例だろう。同じようなテイストで怖さの本領発揮できる作品は、海外にはそう多くなかった。湿度を感じないというか。ただ、今はもうその限りでもなくなっている。

Jホラーってたしかに一時期は日本固有のもので、特有の怖さをおぼえてしまうのはよく分かる。それこそ韓国が2016年に『新感染 ファイナル・エクスプレス』でいわゆるアメリカナイズされたホラーの傑作を送り出している。この映画自体にじめ怖さはない。

一方、同じ韓国から、Jホラーイムズ満載の怪作『哭声』(2016年)も発信されている。Jホラーの制作手法や流儀めいたものは、既に海外のクリエイターにもそれなりに影響をあたえている。安直な「海外=スプラッター」という図式はちょっと古いのかもしれない。

逆のパターンもある。アメリカナイズされたテイストの目立つゾンビ映画となると、日本では人気漫画原作の『アイアムアヒーロー』(2015年)がヒットしている。Jホラーっぽさがなく、良い意味で日本のホラーらしくない。『リング』や『らせん』のじめっとした怖さが苦手な人にもだいぶウケていた様子だった。

このように、今はお国柄を意識してしまうと、逆に名作を見逃してしまう可能性が出てくる。海外ホラーも、Jホラーも、その垣根は昔に比べるとだいぶ低くなっているということだろう。どちらも観て、良い部分、優れたシーンを探して、怖がる。これがホラー映画を観て、怖さと別のものも楽しめるユーザーになれる、最良の方法ではないだろうか。

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