ウルトラセブン第42話「ノンマルトの使者」の永遠の謎とは? | キャリコネニュース
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ウルトラセブン第42話「ノンマルトの使者」の永遠の謎とは?

古いテレビのイメージ画像

結局どういうことだった?

もし、自宅に突然見知らぬ誰かが入って来て「俺の家で何してんだ、警察呼ぶぞ!」と言われたら。そのときあなたはどう対応するだろうか。恐らくパニックを起こす人、逆にこちらから警察を呼ぶ人、あるいは自分で追い払おうとする人もいるかもしれない。

1967年、円谷プロダクションは不朽の特撮番組『ウルトラセブン』の放映をスタートした。「地球は狙われている」のナレーションから幕を開ける本作。全49話のストーリーでは、さまざまな侵略宇宙人たちの魔手から地球を守る、ウルトラ警備隊とウルトラセブンの活躍が描かれた。

そこに残された「謎」について話す前に、まずは名作『ウルトラセブン』の魅力を語っておきたい。(文:松本ミゾレ)

作品の「見どころ」は

本作の見どころの一つは、ユニークな「侵略者」たちだ。

たとえば、「クール星人」は、見えない円盤で大規模な制圧戦に打って出てきた。

「メトロン星人」は、人類が互いに協力し合って生きていることに目を付け、タバコに赤い結晶体を仕込み、吸った人間を狂乱させて人類の同士討ちを、ただただ潜伏先のアパートから観察していた。

「イカルス星人」は、異次元から地球に対して武力行使を実施し、損害を最小限に抑えつつ地球を侵略しようとした。

「チブル星人」は、人間の子どもたちにオモチャに見える本物の武器を配り歩き、ある日一斉に蜂起させて、地球を制圧しようと目論んだ。

「ガッツ星人」は、ウルトラセブンの戦力を徹底的に解析し、絶対の自信を持って挑み、一度はこれに圧勝した。こんな風に、一筋縄では行かない侵略者が、毎週のように地球を狙っていたのだ。

セブンの「苦悩」とは

『ウルトラセブン』全49話の中には、人間の行動がきっかけとなって、地球にやってきた異星人も描かれている。

たとえば、「ペダン星人」は、人間が打ち上げた観測ロケットを「侵略のための調査だ」と誤解し、反撃のためにやってきた。

ペダン星人は「人類には侵略の意図がない」というセブンの説得でいったんは引き下がるが、地球を見て心変わり。結局、最強の宇宙ロボット・キングジョーを駆使して侵略に転ずるという、とんでもないやつだった。

しかし、同じ理由でやってきた岩石宇宙人「アンノン」は、セブンの説得に応じ、最終的には「アンノン星はいかなる侵略目標にもさせない」と釘を刺して地球を去っていった。

「おいおい、人類」と言いたくなるのは、地球防衛軍が超兵器で「ギエロン星」と呼ばれる惑星を木っ端みじんにする場面だ。この惑星には生物がいないと目されていたが、実際には生き物がいた。その生き残りとして、単身復讐のために乗り込んで来たのが「怪獣・ギエロン星獣」だ。

この場合、完全に人類のやっていたことは侵略宇宙人のそれと変わりがないもので、母星を失ったギエロン星獣は、放射能の息を吐き東京に迫った。

ギエロン星獣の鳴き声が「助けて!」と聞こえることは、マニアには有名だ。故郷を爆破され、自分は放射能まみれになって変異してしまい、口からは毒の息を吐き散らす。「助けて!」と叫びながら東京に向かおうとする姿には、悲壮感を覚えずにはいられない。

最終的にギエロン星獣はセブンによって倒されることになるが、セブン本人の心中は複雑だっただろう。

第42話に残された謎

『ウルトラセブン』という作品は、このように勧善懲悪一辺倒の特撮番組ではない。

そのテイストを、恐らく一番よく理解できるのが第42話「ノンマルトの使者」だろう。このエピソードでは「ノンマルト」と呼ばれる正体不明のヒューマノイドが、イギリスから奪い取った原子力潜水艦や、タコのような怪獣ガイロスを使って、船舶や海底施設を襲撃する話が展開する。

一見すると、またもや地球に目を付けた侵略者に思えるが、このノンマルトの別名は「地球原人」。ノンマルトは故郷M78星雲の言葉で「地球人」の意味だと、セブンの独白によって明かされる。

また、ウルトラ警備隊のアンヌ隊員や、モロボシ・ダン(セブンの仮の姿)の前に現れる謎の少年、真市は「ノンマルトこそがもともといた元祖・地球人で、人類は後からきた侵略者」だという話を展開する。

これがノンマルト側のブラフなのか、真実なのかは劇中では明言されない。結局、ガイロスはセブンに倒され、原潜もノンマルトを乗せたまま撃沈された。そして、後に発見された「ノンマルト」の海底都市も、ウルトラ警備隊キリヤマ隊長の決断で攻撃され、海の藻屑と消えてしまう。

このエピソードの最後では、息子の命日に花を供えにきたという女性と、モロボシ・ダンが言葉を交わすシーンが描かれる。墓標には「真市、安らかに」の文字が刻まれていた。

そして、「2年前。この海で死んだ少年の魂が、ノンマルトの使いになってやって来たのでしょうか? それにしても、ノンマルトが本当に地球の先住民だったかはどうか、それは、全てが消滅してしまった今、永遠の謎となってしまったのです」のナレーションと共に、本話は終了する。

結局どっちかはわからないけど。

この「ノンマルトの使者」は有名な話で、たびたび特撮ファン以外のサブカル好きな人たちからも話題に出される。色んな考察はあるが、結局確実に人類が実は侵略者側だったと確定しているわけでもない。

だけど、ウルトラシリーズの怪獣って、みんな肩書きを持っていて、たとえばバルタン星人は宇宙忍者と呼ばれるし、レッドキングは顔が頭蓋骨みたいなのでどくろ怪獣という肩書きを持つ。

基本的にこの肩書きが、その怪獣の本質を表していると考えて間違いはない。たとえば人類をだまくらかして偽物のウルトラマンに化けたザラブ星人は、その肩書きも凶悪宇宙人。

自らは宇宙のどこかに潜伏し続け、拉致した人間を怪獣に改造して侵略に用いたドルズ星人もまた、凶悪宇宙人。公式が設定しているこの肩書きが、ある意味でネタバレというか、種明かしの構造を担っている。

とすると、地球原人ノンマルトの場合はやっぱり……ってことなんじゃないかと、いちオタクとしては思ってしまうところ。もしも実際に彼らが侵略者だったら、もうちょっと違う肩書きだっただろうし。たとえば「海底怪人ノンマルト」とかね。

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