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『どうする家康』で注目集めたCG表現 ネットだと否定派が多いけど……

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先日、NHK(総合)の大河ドラマ第62作目となる『どうする家康』の初回が放送された。第1話時点では、主役の家康(演:松本潤)がまだ駿河の太守・今川義元(演:野村萬斎)の庇護下にあって元康(今川義元から一文字受け継いでいる)と名乗っている段階で、瀬名(演:有村架純)という奥さんを娶って子供を授かっていたところ。

そこから初陣を飾って桶狭間の戦いを迎えるまで描いていたが、駿河の面々と併せて、三河家臣団の面々も登場。大変目まぐるしくも豪華な初回となっていた。

前作『鎌倉殿の13人』が本当に視聴者側も心を削られるような結末だったが、今回は主役が戦国時代の最終勝利者で75歳まで生きることが分かり切っているので、そういう意味では安心して応援できる。

「主役があんな悲しい最後を見せる作品はもう見たくない」という人にも、きっと多分オススメできると思う……。(文:松本ミゾレ)

キャストが豪華!さすが天下のNHK大河ドラマだ!!

大河ドラマは例年、著名な役者が多数登場することでよく知られている。今回は主役の松本潤を支える座組も素晴らしい。三河家臣団から酒井忠次役に大森南朋。のちに家康のもとから出奔することとなる石川数正役に松重豊。高齢で何を言ってるか分からないのに初回から戦場で活躍した鳥居忠吉役にイッセー尾形といった塩梅。

特にイッセー尾形は、大河ドラマでは何度も出演歴があり、史上最高視聴率を記録した1987年放送の『独眼竜政宗』では国分盛重役で話題を呼んでいた。当時尾形の十八番だった一人芝居が劇中でもかなりの長尺で披露された回もあり、大河における氏の貢献度はすさまじい。

序盤の家康を大いに苦しめる武田勢を束ねる武田信玄役は阿部寛。終盤に一瞬だけ登場する程度ではあったが、史実を見返しても家康はこの男に散々こてんぱんにされる運命にある。
甲斐の虎の迫力に、今後も期待したい。

そしてなにより尾張の織田信長役の岡田准一も鮮烈だ。桶狭間の戦いに勝利した直後、馬に乗りながら槍を掲げて三河の軍に猛追する様子は鬼気迫るものがあったし、その槍に、恐らく義元の首がぶら下がっていたのも目に毒々しい。

のちに家康はこの男の下で働くことになるが、信長もまた戦国乱世を駆け抜けたものの、本能寺の変でその出番が終わってしまう。これを討つのが酒向芳演じる明智光秀であり、その光秀を討つ羽柴秀吉は、ムロツヨシが務めることとなっている。

恐らく、この大騒動直後に堺に逗留していた家康と34人の家臣団の伊賀越えもドラマの中で描かれると思われる。伊賀越えは本当に何度映像化されてもいいものなので、『どうする家康』版の逃避行にも大いに期待したい!

CGで奥行きを感じる作りに

今作の第1話、これまでと毛色の異なるCGの使い方が目に付いたという人も多かったのではないだろうか。

特に義元が討たれたことが分かった直後に家康が逃げ出すシーンは、手前の橋にぶら下がる家康と、奥の方で雑兵が慌てて右往左往しているシーン。そして時折馬がそこを通る様子など、奥行きを感じさせる画作りになっていたと感じる。

もしかすると「時代劇にCGはちょっと」と抵抗をおぼえた方もいるかもしれない。前作でも壇ノ浦の戦いのCGに違和感をおぼえたという意見、Twitterでもチラホラ目にした。

でもCGってやっぱり必要な技術ではないだろうか。それこそ90年代前半ぐらいまでの大河を今観なおすと、やっぱりセット感がもろに出ているシーンも多い。

特に雪のシーンとなると、雪がニセモノっぽく見えてしまうし、どんなにお金をかけても実際の雪景色に似ない。さらにスタジオで窮屈な中撮影したんだなぁという、作り手の苦労がこっちにも伝わってくるのだ。それならいっそ、CGだろうと合成だろうと、使えるものはしっかり使って広い画で楽しませてくれるほうがよっぽどいい。特にコロナ禍の昨今では、これはなおのこと。

今のところ、SNSで「どうする家康 CG」で検索すると否定的な意見が多く目につく。でも、新しい技術をどんどん取り入れないと、毎年同じことを役者を変えて繰り返すだけだし、そんなことを言い出したら僕だって「家康は津川雅彦しかあり得んのだからCGで再現しろ! 声は松村邦洋で!」とか言いたくもなる。ただそれは野暮で禁句なのだ。

僕は特撮ファンなので、20年ぐらい前からセット派の古い特撮オタクがCGに難癖付けるの見てきたけど、今はもうハリウッドがCGで怪獣映画を作る時代。ゴジラだって2016年の『シン・ゴジラ』時点でフルCGになっている。

みんないずれ慣れるものなので、CGアレルギー持ちの人も、あんまり深く考えずに視聴してみてはどうだろうか。大体、CG否定派の人に限って、「実はこれもCGで再現してたんですよ」みたいなところには気付かないもんだし。

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