地方自治体がしのぎを削る「人口争奪戦」 子育て世代の「住みやすさ」の競争になるか | キャリコネニュース
おかげさまで11周年 メルマガ読者数
65万人以上!

地方自治体がしのぎを削る「人口争奪戦」 子育て世代の「住みやすさ」の競争になるか

人口減少に悩む地方自治体。移住政策を行う自治体はこの3年で5倍ほどに増え、全国各地で「人口の争奪戦」が始まっている。10月13日の「ワールドビジネスサテライト」では、ターゲットを絞ったユニークな政策を紹介した。

人口2200人ほどの長野県長野市信更町(しんこうまち)では「田舎暮らし体験会」が開かれ、移住を考える7世帯が参加した。すぐにでも農家で生計を立てられるよう、リンゴ園や水田などを用意して移住を促している。

流山市は駅前ビルに「送迎保育ステーション」を設置

流山市ホームページより

流山市ホームページより

同町は長野市内にあるが、地区住民の自治協議会に「田舎暮らしを支援する委員会」を設置している。委員長の中島さんは「何百という市町村による人口の奪い合い。切磋琢磨し競争して、自分の地域を売り込んで移住者の心をつかむしかない」と現状を語る。

千葉県流山市は去年、転出より転入が2387人上回り、全国10位の転入超過数となった。人口は10年前より2万2000人ほど増加。特に子育て世代と子どもの割合が増えたのが特徴だ。

理由は「共働きで子どものいる世帯」をターゲットにした子育て支援策にある。たとえば駅前ビルに「送迎保育ステーション」を設け、保育園児を1か所に集めて市内の各保育園にバスで送迎するサービスを実施している。

利用料金は月2000円。1回100円で、毎月100人ほどが利用している。利用者からも「兄弟で違う保育園に預けているので、スムーズに送迎できる」「駅のすぐ近くにあって、そのまま電車に乗れるので助かる」と利便性が好評だ。

共働きは「収入が多く、税金の額も高い」

流山市マーケティング課の阿曽課長は、子ども世代にも住み続けてもらうことで世代循環ができるため、対象を「DEWKs(デュークス)」に絞っていると明かす。「Double Employed With Kids」の略で、子持ちの共働きという意味だ。

「共働きで財布が2つあると収入が多く、税金を納めていただく金額も高い」

という自治体にとってのメリットもある。東京都内の主要駅にポスターでPRするなど、積極的に「子育てしやすい流山」というイメージづくりも行っている。この取り組みには各地の自治体が注目し、視察が後を絶たない。

就職したての若い世代に通勤費用を補助して、大都市への移住を防ごうとする自治体もある。21歳の会社員Mさんは、実家のある佐賀県佐賀市から福岡県の博多まで、新幹線で40分かけて通勤している。

佐賀市は会社が負担しない「特急券代」を補助

Mさんは就職にあたり1人暮らしも考えたが、補助を理由に実家からの通勤を選択した。佐賀市が今年度から、会社が負担しない特急券代を補助する事業を始めたためだ。新規就労者・転入者で40歳未満が対象。月1万5000円を上限に3年間支給する。

佐賀市企画政策課の大城課長は、今住んでいる人が住み続けられる環境づくりが大切としたうえで、「どこの市町村も人口減少になっているので、人口の奪い合いになっても意味がない」と客観的に語った。

確かに日本全体の人口が増えなければ意味はないが、こうした工夫をするだけで人が動き、家庭を持ちやすくなる可能性は高まる。争奪戦が「住みやすさ」「子育てのしやすさ」の競争になればいいことだ。少子化対策もこうした具体的な利便性を求める声に応えるよう、思い切って舵を切れるかどうかが大事な気がした。(ライター:okei)

あわせてよみたい:福井県鯖江市が「ゆるい移住」プロジェクト開始

 

【PR】注目情報

関連記事

次世代バナー
次世代バナー

人気記事ランキング

  1. 「今、ホテルにいるの。あなたの旦那さんと」夫の不倫相手から電話、妻が返した言葉は…
  2. ダルビッシュ有、和牛券配布に「検討されているだけで十分やばい」 ひろゆき「政治家は家賃も払えない人より和牛券のが大事」
  3. YouTuberラファエル、アカウント停止で「5000万円以上の損失」 広告収入は「月1000万~2000万円」だったと明かす
  4. 人気YouTuber、松本人志の疑問に答える「この時期にパチンコに行く人は"死ぬまでの時間つぶし"のおじいちゃん」
  5. 有吉弘行「クソリプばかり送るやつは懸賞キャンペーンのリツイートばかり」とツイッター上のアンチの傾向語る
  6. オカルトじゃないリアルの怖い話「不審者に車のドアを開けられそうに」「旦那に着替えを盗撮されネットにアップされた」
  7. 秋葉原のパチンコ店が「リセ狩り」常習犯を出禁措置に! 「リセ狩り」とは何かを改めて解説
  8. 「依存症対策」は建前? 衰退止まらぬパチンコ業界、2027年キャッシュレス化へ 「上限きたら現金で打つだけでは」と冷ややかな声
  9. 人間関係をすぐ切ってしまう人の特徴 「一気に深く仲良くなり過ぎる」「距離感が近過ぎる」「グレーの関係でいられない」
  10. 「元SMAPの3人は良いタイミングでTVから脱却した」幻冬舎・箕輪厚介が指摘 TV局がタレント干すのは「若い世代から見てダサ過ぎ」

アーカイブ