店内徘徊は1時間200歩まで!パチスロのハイエナを規制するホール看板に思うこと
ハイエナ。本来はサバンナに生息する動物が有名なんだけど、ギャンブルの世界でハイエナといえば、主にパチスロを打つ人たちが忌み嫌う存在だ。ホールにおいてのハイエナは、一般客がある程度打ち込んだ天井が近い台などを重点的に狙い、普通に打つよりも低投資で当たりをむさぼる人たちの総称で、一般客やホールからも疎まれている。
ハイエナが多い店では彼らの徘徊がとにかく目立ち、一般客も気が散りがち。果てはそのせいで客足にも影響することも考えられるわけで、お客に気分よく負けてもらって運営するのが是となるホールからすれば、その存在は由々しきものだ。
だからホールによっては、徘徊してばかりでほとんど打たないハイエナに個別に注意をしたり、場合によっては出禁措置にすることもある。(文:松本ミゾレ)
「過度な徘徊は禁止」基準は……
パチンコホールってのは基本的に、打ち手のほとんど9割以上が負ける仕組みになっている。勝っているのはごく一部。とにかく負けないとホールが運営できない。これはしょうがないこと。だから僕らパチスロ・パチンコを嗜むしょうもない大人は、負けてもいい金額を背負って、ノコノコホールに参上するわけだ。
一方でハイエナは、そういう討ち死にする一般客の後釜を狙って期待値を啜るヒルと呼んでもいいかもしれない。しかし出禁にするにせよ注意喚起するにせよ、伝え方ってものはある。
具体的には、ハイエナ憎しで一般客まで委縮させては失敗といえるわけで。先日、X(旧Twitter。いつまでこの表記使わないとダメなんだろ)上で、とあるホールが店頭に設置した看板が話題になっていた。
「過度な徘徊(ハイエナ、とルビあり)は禁止 基準として店内の徘徊は1時間につき200歩まで」と大きく表示された、目につきやすい看板だ。他のお客に不快感を与える徘徊を防止するために、こういう策に打って出たということだけど、1時間に200歩って(笑)。ちょっと極端すぎる。
僕はハイエナはしないが、トイレも近く、しかもコーヒーを飲むのでしょっちゅう自販機にも行くしトイレにも立つ。なので1時間に200歩なんてすぐに達成してしまう。大体200歩って、広いホールならトイレに行くだけで達成してしまう歩数だし、重点的に1つの台にお金を入れてる人であっても、たまには席を立って歩かないと具合が悪くなっちゃうというものだ。
このホールがなぜこの看板を設置したかは知らんけど、一般客の立場からすると、こういう立て看板の置いてあるホールには、僕は行きたくないかなぁ。どうせどこ行っても基本負けるのだから、ここまで圧の強くない店に行きたいものだ。気持ちよく負けるためにも。
ハイエナには直接注意してほしい
そもそも「当店がプロと認定した方は出禁」みたいな文言は、全国的に見られるものだ。そういった内容であれば、一般客は別に委縮しなくても済む。だってプロじゃないのは打ってる様子、負けてる様を見れば分かるわけだし。
だけどその判別方法を、歩数に委ねるのは極端だ。「1時間200歩以上の徘徊は~」みたいなことが書かれてると、徘徊していない人であっても「こっちは金出して遊技してる立場なのに、なんか窮屈だな」と思ってしまうのだ。
もちろんホールからすれば、これはあくまでハイエナ向けの看板ということで設置してるんだろうけど、一般客が見てどうなんだということを、あんまり意識してないよね。
なんか「自由に金使わせてくれよ、何打ってもいいじゃん。歩くのまで制限されるとたまらん」と思うし、もっといえばハイエナを排除したいなら徘徊中のハイエナに直接指摘し、改善も見られないならどんどん出禁にしてほしい。そうすればこうした看板いらんわけだし。どのみち1時間に200歩以上歩いている客を識別するなんてバイトさんにも無理な話だ。
このホールでも実際は、一般客が好きなタイミングに歩く自由がないわけでは決してないんだろうけど、それでもやっぱりいい気分はしないよね。ハイエナか一般客かなんて、打ち手当事者には証明のしようがない。店が黒といえば黒。究極的にはホール判断なのだから。