『ガンダムW』は子どもにはストーリーが難しかった? 美少年たちの群像劇を改めて振り返る
ガンダムというのは僕ら世代にとっても、その上の世代にとっても人気のコンテンツだった。初代『機動戦士ガンダム』以降、シリーズ作品はOVA含めて定期的に作られていたし、何よりガンプラがガンダム熱をなかなか冷まさない効果を発揮してたのである。
僕も当時500円玉を握りしめて、「しまだや」という近所の駄菓子屋に行き、入荷されているガンプラの中から何を買おうか真剣に思案したっけ。500円だと1/100は買えないけど、BB戦士か1/144は買えたんだよね。
ただ、いかんせん宮崎の民放でやってないということもあり、僕も同級生もVHSで視聴するのが基本だったから、ガンダムWについてもそこまで盛り上がった記憶はない。放送されてない番組で盛り上がれるほど、当時は情報もさかんに流れることはなかったし、仕方がないのかな。
しかし前年放送のGガンはそうではなかった。分かりやすいガンダムファイトのルールはごっこ遊びに最適だったし、ガンプラのマスターガンダムは冗談抜きで争奪戦。田舎のガキにとっても、かなりキャッチーな作品だったのである。
一方でガンダムWでは美少年ガンダムパイロットたちが、美形のマスクパイロットとの戦いをどうこうする話が延々続くので、なんというか『ベルサイユのばら』を観ているような感覚に陥ってしまったんだよね。ちょうどトレーズみたく、ベルばら感の強い登場人物も出てくるし、余計に。話の内容も、ちょっと子どもには難しかったかなぁ。僕も後年DVDで観返して、やっと詳細な部分を把握したぐらいだったし。
作品内容もさることながら、外伝の展開やMSのバリエーションも豊富だった
と、前項ではあんまり好意的な話はしていなかったが、これはあくまでも僕が子どもの頃のガンダムW像をそのまま書いただけであり、さすがにこういう話をする以上当たり前だが、今ではちゃんと内容を理解しているつもりだ。
特に終盤、ホワイトファング台頭後は、僕が同組織の幹部カーンズがお気に入りというのもあって楽しめた。それと、本編終了後もOVAが発売されたり劇場版が出たりと、しっかり成功している。これはGガンでは見られなかった展開でもある。
個人的にはOVAで登場したゼロカスタムはもうやり過ぎなデザインに感じて、今もちょっとだけ苦手だけど。素のウイングが一番カッコいい気がするんだよなぁ……。
ガンプラの話をすると、本作の主要機体は概ね立体化されているし、折に触れてリメイクされた機体も多い。今ではマグアナックとかもガンプラになってるのは驚きだが、放映期間中は主要MSのリリースで忙しかったのか、OZの量産機などはほとんど無視されていた。
通常ラインナップもSDも、基本的には主役機ばっかりのラインナップで、ちょっと子ども心には「つまらねえなぁ」と思ってたっけ。キャンサーのデザインが好きだったんだけど、出なかったなぁ。出なかったって言うか、未だに出てないけど。
とかく、2025年はガンダムW30周年。これを記念して、なんか関連商品も出るだろうから、長年応援してるファンは楽しみにしているといいかもしれない。キャンサーのガンプラが出る、最後の機会かもしれないし……。
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