「あ、これすげえ良い土かも」 無人島で水路作りに挑むTOKIOがまたもや斜め上を行っている件
特に水路の整備は、作業開始から1年9か月経ち、残り270メートルの延伸で完成するまでに迫っていた。しかしここで、四方を海で囲まれたことが災いした。
「ここが一番水路の肝。風が吹いたり、潮かぶったりするから」
「木だけで作ったら倒れるね」
DASH島に上陸した城島らメンバーは、延伸予定地がこれまでと違い、潮風に直面する位置にあることで、水路が劣化しやすいことに気が付いたのだ。念のために言っておくが、彼らの本業はアイドルであって、土建業者ではない。
この手の問題って、大体一度水路を組んでから「あ、これ失敗したかも」となるものだけど、TOKIOクラスになると、そんなことになる前に当たり前のように分かってしまうのだ。
これまでは木材メインで水路を作ってきたが、ここからは、潮風に対してタフな物にする必要がある。そこで、山口達也は立ち上がった!
山口、和製コンクリートを間近に見て「水路にはもってこいだね」
まず山口は愛知県に飛ぶ。目的は、この地域に伝わる良質な土だ。この土を材料に、最高のコンクリートを作ろうという算段なのである。
「あ、これすげえ良い土かも」
現地で件の土を一瞥した瞬間、サラッと取材スタッフにこう話す山口。さすがの眼力だ。愛知県の瀬戸市で採れる木節粘土や蛙目粘土は、瀬戸焼の材料として古くから知られている。愛知には東大寺の屋根瓦の材料としても知られる三河粘土などもあり、まさに良質な土の聖地なのだ。
そんな土に精通する左官職人、纐纈さん。この道60年の大ベテランで、これまで様々な文化財の土壁の修復などを行ってきた人物だ。山口は纐纈さんに、左官の依頼をするのではなく、「和製コンクリート」のノウハウを学びに来た。
纐纈さんは山口を三重県四日市市にある潮吹防波堤に連れて行く。この岩の隙間に敷き詰められているのが、とりわけ波風に強い土である、たたき土。なんと、コンクリートではないのだ!
たたき土は、岩を組み上げて補強するために土台部分から施行された、天然の接着剤。その強度は相当なもので、いかなる塩害の影響も受けない。この潮吹防波堤は1894年に完成し、かの伊勢湾台風にも屈しなかった、素晴らしい防波堤だ。耐水性もバッチリのたたき石を見て、山口も思わず「水路にはもってこいだね」と漏らす。
そんなたたき土は、土と砂利と石灰を混合して作る。早速、調合に挑む山口だが、そのまま3つの材料を捏ねても、なかなか均等に混ざり合わない。しかしここでニガリを加えると、なんとも上手い按配に調合され、まさに和製コンクリートと呼べる素晴らしい粘度のたたき土が完成した!
石灰も自力で作るたくましさ、拾い集めた貝殻を高温で焼きまくる
そして、DASH島でもたたき土の素材を集めることとなったTOKIO。土、砂利はすぐに見つかったが、石灰はどうするのだろうか。そもそも石灰は、石灰石を高温で熱して作ったもの。しかしDASH島には石灰石がない……と思ったら、そこはさすがTOKIOである。
海岸に出向いた一同は、打ち上げられた貝殻を拾い集める。そう、貝殻は石灰で構成されている! これを熱することで、石灰を生み出すことができると考えたのだ。
しかもTOKIOは既に福島DASH村で炭作りを経験済み。素材さえあれば窯すら自作できる腕前を持っている。まず、これまで島で拾ってきた皮革や毛皮、民家跡の板を材料に、手際よくフイゴを完成させる。このフイゴと、海岸に打ち上げられていたドラム缶を連結させ、即席の窯が出来上がりというわけだ。
実際にこの窯の性能は申し分ないもので、フイゴで酸素を送り込まれた窯の中の炎は、みるみる燃えていく。ただの貝殻がじっくりと火で燻され、見事な石灰へと変貌を遂げた。
こうして、島にある材料だけを使ってたたき土の素材を完成させることに成功した。後は270メートル分の延伸に要するたたき土をひたすら練り続けるだけ。しかしここからが過酷な道のりだ。
DASH島の水路は、果たしてこのまま無事に完成するのか。ますます目が離せないのと同時に、TOKIOというグループがどこに向かっているのか、さらに分からなくなってしまったが、これだけは言える。TOKIOは今や様々な土建技術の生き字引にもなりつつある!
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