悪夢ばかり見る社畜がオーダーまくらを作ったら、身体の辛さが軽減されてちょっと前向きになった話
筆者(編集部T)は今、眠りに悩んでいます。上司に怒られながら仕事するとか、何かを探して街をひたすら走り回るなどの悪夢ばかり見る上、寝付きも良くありません。起きた時、首から肩にかけて痛みを感じることもあり、身体も心も辛い状態です。
悪夢も身体の痛みも、全ては煎餅布団のせいではないかと思いベッドを買ってみましたが、変化はありません。睡眠中は相変わらず、職場で喧嘩をしたり、知らない人が家に入ってきたりする夢を見る日々です。
そんな時、「オーダーメイドの枕だとよく眠れる」という噂を聞きました。トラブル解消のためできることは試してみたい。早速、悩みを解決すべくオーダーメイド枕専門店を訪ねました。
店員が1対1でカウンセリング 専用の機器で首の角度を測定
お邪魔したのは「ロフテー枕工房」。同社は、日本で初めて枕のコンサルティングショップをオープンした企業で、フィギュアスケートの元選手・浅田真央さんが使っていることでも知られるマットレス「エアウィーヴ」のグループ会社でもあります。
今回は日本橋にある本店に行きました。百貨店などに入っている店舗と異なり完全予約制で、ピローフィッターという同社認定資格を持った店員の方が、マンツーマンで枕選びのアドバイスをしてくれます。
始めに15分程度のカウンセリングを行いました。今使っている枕の素材や、寝付く時の姿勢、睡眠時の体の悩みや自覚症状の有無などをシートに書き込み、ピローフィッターの方と、素材の好みや今の悩みを共有します。
共有した後は、専用の機器で首の角度を測定します。立った姿勢のところに、店員の方が後ろから計測機械を当て、一瞬で終わりました。
身体に負担の少ない姿勢はリラックスして立っている姿勢と同じで、この時、顔の角度は約5度だそうです。自分に合った枕とは、この角度を保てている枕ということになります。
手で触れて「これ!」と思った素材でも、横たわってみると「なんか違う」
計測後、実際に横になりながらぴったりの枕を探していきます。筆者は、「スタンダード」、「ソフィットピロー」、「エアウィーヴ」の3種を試しました。
「スタンダード」は名前の通り、同社製品の中で最もスタンダードなものです。素材は、パイプ特有のしゃりしゃりした音が出ない「エラスティックパイプ」や、ふかふかの「羽毛」など8種あり、高さは4つから選ぶことができます。「スタンダード」は、枕内部が5つのパーツに分かれていていることが大きな特徴ですが、「ウレタン」素材のスタンダードに限り、素材の特徴上、1つの塊から出来ています。
試したところ、ウレタン素材のこの枕は、頭がゆっくり沈み込む感じが好みでした。羽毛は手で触った時のふかふかした感触が心地よく、「これがいい!」と思いましたが、いざ寝てみると落ち着かず却下に。枕は実際に横たわってみないと分からない、という店員の方の言葉に納得できた瞬間です。
「ソフィットピロー」は、長方形が多い通常の枕と異なり、長辺にカーブが付いた枕です。首の角度が浅めの人向けに作られていて、高さはSSとSの2つ。女性に人気で、浅田真央さんもこちらを使用しているのだとか。
素材は「エラスティックパイプ」と「羽毛」の2種類から選べます。どちらの素材でも、先程の「スタンダード」と比べ、寝返りの打ちやすさは抜群でした。エラスティックパイプは音のしないパイプ素材と言うだけあって、頭を置いた時も寝返りしたときも、耳元で「しゃりっ」という音がまったくしません。言われなければパイプだと気づかないかもしれません。
「エアウィーヴ」は、同名マットレスと同じ素材で出来た枕です。やや固い感触でした。
最終的に、エラスティックパイプで出来た「ソフィットピロー」とウレタンで出来た「スタンダード」の2択で迷いました。仰向け、横向きなど姿勢を変えて試し、悩みに悩んだ末、「エラスティックパイプは洗濯可能」という点と、寝返りのしやすさからソフィットピローに決めました。カウンセリングと合わせ1時間弱で枕を選ぶことができました。
肩こりと腰痛は軽減 眠りに対する意識にも変化が
購入後2週間、自宅では枕だけを変えて、寝心地がどう変わるか試してみました。
残念ながら、1番の悩みの種だった夢見の悪さはあまり変わっていません。ただ、美味しいカップケーキを美容院のスタッフと分け合って食べるという、平和な夢を見ることが出来たのは、枕のおかげかもしれません。起きた時に疲れていない睡眠というのは最高です。気持ちよく一日を始められ、家事もはかどりました。
一方、体のしんどさは大きく改善されています。前の枕で寝ていたときから続いていた腰痛が軽くなり、肩の重たい感じもなくなりつつあります。仕事中、「今週末は整体に行こうかなあ」と思うことも減ったので、仕事の能率も上がったのではないかと思います。
また、枕を変えたことで睡眠に対する意識も変わりました。これまでは寝る直前まで、煌々とした明かりの中で過ごしていましたが、間接照明を導入しぼんやりする時間を作るなど、工夫するようになりました。
人間は、人生の3分の1を睡眠に費やすとも言われます。眠りにまつわる悩みがある人は、枕から変えてみるのも1つの手かもしれません。