美術館は私語厳禁?「小声で喋ってたら注意された」で賛否 「有名なうんちくを間違い混じりで説明するのは気になる」
投稿者は、「絵に集中するためにしゃべっちゃいけない、と考える人もいるかもしれない」と女性の気持ちを想像しつつも、絵の感想を話していただけで、声量もそこまで大きくなかったと納得していない。
投稿には300件近くのコメントがついたが、
「美術館はおしゃべりを楽しむために行くところ」
「運が悪かったね、たまたまヤバイ人にあたってしまっただけかと」
など、投稿者を慰めたり同情する声が多かった。中には、他の来場者の会話に聞き耳を立てて楽しんでいると明かす人もいた。なんでも、「うんちくとか鋭い考察とか、トンデモ解釈などいろいろあって聞いててたのしい」のだとか。
一方、「有名なウンチクを間違い混じりで説明してるのは気になるのでやめて欲しい」という人もいる。話すこと自体は許容できても、喋り方や会話内容によっては不快という人のほか、「音声ガイドを貸し出してる展覧会で番号振ってあるところぐらいは、おしゃべりの音量を控えてほしい」と、展示規模が大きいと許容できないという人もいた。結局は個人の受け止め方次第のようだが、
「解説や感想じゃなく普通の世間話を延々してる人がいると『それ、今、話さなあかんか?』とは思う」
という指摘はごもっともだろう。作品の鑑賞に集中したいのに、関係ない情報が防ぎようなく入ってくるのは迷惑、ということだ。
「作品について話したいときは小さな声で」声量に注意すれば話してもOK
投稿者は私語を禁止している美術館なんて見たことがないと綴っている。美術館の学芸員を名乗る人からは、「別に話は大丈夫だと思うよ」という意見もあったが、実際のところどうなのだろうか。
神奈川県川崎市にある岡本太郎美術館の鑑賞マナーには、「必要以上に大きな声を出すと、他のお客様の迷惑になります。できるだけ静かに作品を楽しんでください」と書かれている。声量に配慮するよう注意してあるだけで、確かに私語は禁止していない。
東京都町田市の市立国際版画美術館でも、「お友だちと作品についてはなしをしたいときは、小さなこえではなしましょう」と呼びかけている。同館では、「作品をめぐる会話を楽しんでほしい」、「子連れの人でも気兼ねなく利用してほしい」と、水曜日と土曜日には「トーク・フリー・デー」を設け、作品を介したコミュニケーションを推奨している。
「私語厳禁」は厳密なルールではないようだ。投稿には、「日本の美術館と図書館の沈黙圧力は異常。なんでこんな風になってしまったんだろう」というコメントもあった。マナーに厳格な日本社会だが、もう少し寛容になっても良いのかもしれない。