衣食住のなかで「住居」といえば、出費に占める割合が最も高い。特に持ち家ともなれば、人生で大きな買い物と呼ばれるだけに、購入前は慎重になりやすいものだ。また近年に見られる「マンションの老朽化問題」から、持ち家ではなく賃貸住宅を推す人も少なくない。キャリコネニュース読者からは、
「特にマンションの最後は、ババ抜きになるらしいから恐ろしくて買う気がしない。最後の最後に解体費用がかかる現実にも驚きです」(60代男性/神奈川県)
といった声が寄せられている。そうすると実際にマンションを持ち家とする人の声も気になるところだ。愛知県の40代女性は「約4000万円のマンションを購入しました」という。(文:鹿賀大資)
「マンション売却し、市営住宅で慎ましく暮らしたい」
ローンは既に完済している女性だが、月々の管理費や積立金、駐車場代のこともあり、大規模修繕前には売却を検討している。また2人の子どもが成人を迎える少し前に大規模修繕に入るため「ちょうどタイミング的に良いかと思っています」と続ける。
「マンションの規模が大きいので、理事会がとても面倒です。さまざまな意見が出て纏まらず、苦痛に感じています。まだ高値で売れるうちに売却して、余裕のある老後資金としたいです」
女性は「市営住宅に引っ越して、慎ましく暮らすのが良いと思います」と打ち明けている。
東京都の60代男性は、35歳の時に5800万円のマンションを購入した。そのうち、3700万円を35年ローンとして組んだ。借金返済のために働き続け、生活も切り詰めた。そして繰り上げ返済を重ねた結果、59歳で完済。当初の完済ペースより約10年も早かった。
男性は60歳でマンションを手放しているが、売却価格は当初の半値近くまで下がり「2800万円にしかならかった」という。また「ライフスタイルに合わせて自由に移転できる賃貸が良い」と述べている。
福島県の60代女性は、4年前に借りていた自宅が火災に遭ってしまう。全焼したことで住み続けることができず、新しい賃貸に引っ越したという。
「持ち家だったら、その土地を離れることが難しかったかもしれません。ちなみに今までの家賃を合計しても、自宅を所有した場合の4分の1です。その分は年を取ってから希望している、老人施設の入居資金にします」
「自然災害が起きると持ち家は怖い」
大阪府の50代男性は現在、相続した実家で母と複数の猫と暮らしている。しかしその土地には縁がなく、知人もいない。男性は「猫と母がいなければ、この地域に住まなくてよかったのに……」とこぼしている。
ほかには、
「いつどこで自然災害が発生するか分からない。地震や洪水で滅茶苦茶になった映像を見るたび、持ち家の必要性を感じなくなった」(徳島県/40代男性)
「災害などがあって家が壊れた時に、修繕などをすべて自分の責任でしなければならない。仕事だけでなく、住むことにも気を遣わなくてはならないのが面倒」(広島県/20代男性)
など、自然災害のリスクを不安視する声も寄せられた。
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