「母の料理がひどい」に共感する人々 「自分で作れ」では解決しない複雑な事情 | キャリコネニュース
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「母の料理がひどい」に共感する人々 「自分で作れ」では解決しない複雑な事情

「実家の味噌汁とカレーが嫌いだった」

彩りとか盛り付けの概念がなく、味もめちゃくちゃ。

久しぶりの帰省で「母の料理が楽しみ」という人は幸せだ。しかし世の中そういう人ばかりではない。ガールズちゃんねるに5月中旬、「【味噌汁】母の料理が酷い【ことこと】」というトピックが立った。トピ主は、帰省したとき出される料理がまずいことに頭を抱えている。

「昨晩のお味噌汁をぐらぐら煮詰めてから出されたり」

「カレーは市販のルーを使わずカレー粉と調味料を独自に配合した謎味付けです」

などと苦境を報告。味噌汁は煮詰めないのがセオリーだが、母によれば「具が傷んでそうだった」とのことで、調理法以前の問題だ。「料理以外では良い母なので断れない」というトピ主が、同じ悩みを抱える人に共感を求めると、母の料理に絶望している人たちからコメントが相次いだ。(文:篠原みつき)

「実家の味噌汁とカレーが嫌いだった」という人も

トピックには、まず「自分で作れ」というツッコミが複数あがった。「子どもがもう自立した年齢までその腕前ならもうどうにもならない気がする。出前でもとるほうが早そうです」という声もあり、確かにその通り。トピ主は子どもではないのだから、寿司でも手土産にすれば良いという声にも頷ける。

一方で、「それをさせてもらえるんなら悩まないんじゃない?」とトピ主に理解を示す人も。むしろ多かったのは「うちの母も……」という共感コメントだ。「苦手なわりに家族にやらせない」という声も目立つ。子どもの頃、よそで食べた手料理が美味しくて衝撃を受けたというエピソードも、複数あがっている。

「ずっとお味噌汁とカレーが嫌いだったんだけど親戚の家でいただいたお味噌汁やカレーがめちゃくちゃ美味しくて感動したことある」

「うちの母もです。彩りとか盛り付けの概念がなく、味もめちゃくちゃ。母の作ったお弁当を持って行くのが恥ずかしくて、小学生の頃から自分で作ってました」

自己流がひどいケースも多く、「パッケージ通りに物を作れない。ホットケーキミックスですらまともに作れない。書いてある通りにすると『つまんない』らしい」と、母のチャレンジ精神を嘆く人もいた。

こうした声から「料理下手な人の特徴」をまとめると、

・とにかく自己流(レシピやセオリー通りにやらない、やれない)

・他の人にやらせない(比べられるのが嫌なのか、または謎の使命感、プライドがある)

・本人の味覚がおかしい(下手という自覚がない場合も)

といった要素が浮かび上がる。料理下手の自覚があっても、なぜか自己流のまま学ぶこともなく、家族に手出しさせず、自分の感性で”やっつける”人が多いことがうかがえた。また、「自覚あり」なら買ってきた惣菜やレトルトで済ますことも多いようだが、「自覚なし」の場合は、トピ主の母のように自己流の味付けを開発し満足してしまう人もいて、なかなかやっかいだ。

「苦手でも毎日料理を作り続ける人は偉い」とフォローしたいが

結果として、「諦める」という結論に至る人が多いのも仕方がない。中には、「単純に食べないという選択をしています(中略)料理上手な家庭で育った人からすれば冷たく思うんだろうなぁ」という声もあり、もの悲しい。

主婦歴およそ20年の筆者としては、「苦手でも、家族に不評でも、毎日料理を作り続ける人は偉い」とフォローしたいところだ。いまどき「料理は母親が作るもの」という価値観にも、異を唱えたくてしかたない。

料理研究家の土井善晴さんは、『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社/2016年)という著書で、ごはんと味噌汁というシンプルな家庭料理を提唱し、毎日の食事作りにプレッシャーを感じていた女性の間で話題になった。けれども、本人がそうした情報をシャットアウトしていたのでは、如何ともしがたい。トピ主はもう大人なので、やはり諦めるしかないだろうか。

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