新型コロナウイルス感染拡大の影響で、様相が大きく変わった街もある。そのひとつに「錦糸町」がある。
JR総武線と東京メトロ半蔵門線が交差する錦糸町駅。その北側は、ショッピングモールやオフィス、マンションが一体化した複合商業施設「オリナス」が2006年に開業するなど、再開発が進められてきた結果、近年ではファミリーに人気のエリアとなっている。
一方で、駅南側の繁華街は、場外馬券場店と風俗店というイメージを持つ人も多いだろう。しかし、この”錦糸町らしさ”がコロナ禍で変化してきていると、鉄道事情にも詳しい恋愛コンサルタントの鈴木リュウさんは指摘する。
錦糸町は「電車に乗らなくても必要なモノが揃う街」
現在、錦糸町は”一人暮らしの若手”に人気の街となっている。「特に職場が東京駅周辺という人に人気ですね。大手町まで10分という好アクセスなのに家賃相場は3万円ほど下がります。広めの部屋に手が届くかもしれません」。
駅周辺には丸井、パルコ、アルカキットといった百貨店やショッピングモールもあり、ヨドバシカメラやニトリなどの量販店も軒を連ねている。鈴木さんは「電車に乗らなくても必要なモノが揃う街です」と話す。
錦糸公園など、公園があるのもポイントだ。
「大横川親水公園は東京スカイツリーまで行ける散歩道となっています。テレワークのせいで運動・日光・睡眠不足になりがちですが、しっかり体を動かせる環境が近くにあるのでおすすめです」
「特に20代で同棲を考えている人にうってつけ」
鈴木さんは「通称”丸井裏”と呼ばれる南口の風俗街近辺について、コロナ禍で多くの夜の店が潰れました」と指摘。さらに、「場外馬券場のウインズは現在、ネット予約で指定席購入をした人だけが入場できます。結果的に来場者も減ていますね」という。夜の街の騒々しいイメージは、現時点では薄まっているようだ。
鈴木さんは「北口側なら女性の一人暮らしも安心してできます。若手一人暮らしにもおすすめですが、特に20代のカップルにもうってつけの場所ではないでしょうか」と語る。
若い世代向けの店が豊富なことも、その理由の一つだ。
「飲み屋やラーメン屋も多く、コメダ珈琲店、ホットヨガ、スポーツジム、ネイル・マツエク店など生活に根ざした店が多いのでストレス無く暮らせそうです。交通の便もよく、首都高料金所も近いので週末はレンタカーでドライブも出来ます」
鈴木さんは「今後、総武線沿線の小岩駅や亀戸駅でも開発が進むと、相乗効果で錦糸町に買い物にくる人も増えるでしょう。人気店も集まり、20~30代にとってさらに”暮らしやすい街”になりそうです」と見通しを語っていた。