「好きなタレントの番組録画」を頼んでくる友人 親が危篤でも「テレビどうすんの?」
友人とはお互い19歳の時にアルバイトで知り合い、長年の付き合いだった。
「彼女はあるタレントのファンで、普段から地元で放映されない番組の録画やTVガイドなどの購入をよく頼まれ、苦笑しながらも応じていました。関西から北海道へ弾丸ツアーするなど、当時は羨ましい行動力と経済力を持ってました」
“推し活”に加え、大のディズニーランド好きだという友人。女性もディズニーランド旅行に毎年誘われた。その友人の熱量は異常なほどだった。
「独身の時は気軽に応じてましたが、結婚して子どもができると経済的にも難しく断ると、『私が(旅費を)出す』というので、それも固辞すると旦那に直接文句を言って私を連れ出したり……」
また、テレビ番組の録画依頼も女性の負担になっていた。
「断ると『あなたの知り合いに頼め』とか言い出すので、私的には彼女に対して徐々に距離を置きたくなっていきました」
そして4年前、絶縁のきっかけとなる出来事が起こった。
「父が危篤だと言ってるのに、お悔やみ述べるのでもなく」
当時、女性の父親が危篤状態になり、実家へ帰る旨を友人にも連絡したという。
「LINEで『父が危篤らしいので帰る』と送ったら、返信が『TVどうすんの?』でした。私には意味不明で『何の事?』と返事したら、『TVとBlu-rayデッキ送ったのに!』。『え?何も聞いてないし』と返したら、彼女はサプライズでテレビを送ったという。『大きいのがいいだろうって50インチだから』って自慢げに」
離婚した女性は、当時ワンルームに住んでいた。もともとテレビも見ないため「テレビがなくても問題ない」というほど、必要なものではなかったという。そこに、横幅120センチもあろうかというテレビが送られてくると言われたのだ。
「彼女から録画のお願いが来ても、その旨を話して断りもしたり(その都度『友人に頼め』と言われ渋々頼んだ事もあります)、その最初のLINEの返信に私はキレたのです。父が危篤だと言ってるのに、お悔やみ述べるのでもなく、『TVどうするの?』って返信は、自分本位過ぎますよね」
普段ほとんど怒ったことない女性の様子に、友人は驚いていたという。しかし、最後までお悔やみの言葉なかった。
「それより、『今まで旅行の費用も出してやったのに!』とまで言われ、私の怒りの火に油を注ぎました」
女性は過去に旅費を出してもらったことに感謝はしているというが、その分、録画などの無茶な頼み事にも応えてきた。しかしこうした労力は友人に「全く通じていなかった」と落胆する。
「社会人になってから知り合い、30年以上の付き合いだったのに、何を見てたんでしょうかね……。『仲直りすれば?』と言う人もいますが、私にその気持ちはありません」