その落語、父親を上回るケチな三男は「昼から出棺と嘘をついて朝出してしまえば、弔問客に菓子を出さなくていいが、香典は回収できる」というとんでもない案を出したという。つまり弔問客をだましておもてなしをせず、お金だけもらうという計略だ。
親類縁者にこんな失礼なことをする人など現実にはいるわけがない。と思いきや、女性は「しかし事実は小説よりも奇なり」と続ける。
「私のドケチな友人Aは、『親族のみ会食ウエディングといってご祝儀を持った親戚を集め、有休取らせて礼服予約させた土壇場で、予算オーバーだからと会食はなしのフォトウエディングにプラン変更』というまさに『ご祝儀のみ回収結婚式』を行ったのです」
新郎新婦のまさかの行動に、招待客たちも絶句したことだろう。挙げ句の果てに友人たちに対しては
「ウエディングドレス高いんだから友達は祝儀は5万ちょうだいね!」
と要求してきたそう。これには女性も「ドレスは高いもの着るんかい!」とツッコミが止まらない。結婚式は「親族のみ」だったため、友人たちは招かれてもいないはずだ。
「結局1万円のご祝儀を郵送したところ内祝いはなし。なんとほとんどの人には内祝いを出さず、付き合うと利益になるような人(仕事でお世話になっている人とかかりつけ医を紹介してくれた人)には丁寧に内祝いをしたとのこと」
お礼する相手を選ぶとはどこまでケチなのだろうか。「あまりにも人を馬鹿にした話に即刻縁を切りました」と話す女性。最後に
「どなたか噺家さん、彼女をモデルにした噺『片棒 結婚式編』を作って未来永劫残る笑い話にしてくれませんかね」
と冗談めかして綴っていた。