たしかに現在公開されているものを見ると、原作コミックとも旧アニメともやや異なる印象はあるが、完全一致させるには当時のスタッフの招集でもしないと難しいだろう。個人的には漫画と旧アニメでもだいぶ絵柄が違うので、あんまりそこ気にしてもしょうがないようには思うけど。

このように、かつての人気アニメが現代に復活したところで。旧来のファンが必ずしも歓迎するわけではない。昔のアニメをリメイクするってことは、昔のファンの視聴を期待するところもあるだろう。今更『うる星やつら』とか『らんま1/2』を前情報もなく観ようとする若い人なんてそういないだろうし。

それこそ数年前に『からくりサーカス』とか『ダイの大冒険』がリメイクされたが、僕みたいなアラフォーは楽しんだものの、あのリメイクアニメをきっかけにハマった若い人なんて、どれだけいたんだか。

少なくとも僕の周りでは、直撃世代だけが盛り上がっていて、それこそ30代前半ぐらいの知人たちは一切興味を持ってなかった。でも、リメイクアニメってそういうものだと思うんだよね。

だからリメイクしてヒットさせる以上は、昔のファンの反応も気にした方がいいのかもしれない。参考までに、このトピックに寄せられている、リメイクアニメに対して思うところのあるアニメファンの声を引用していきたい。

「セル画で見たいよね。忍空とかも昔のままやってくれないかなぁ」
「東京ミュウミュウは旧キャラデザが良かった。キャラデザが男オタ向け萌え系になって声優アイドルの踏み台にされてしまった」
「ダイの大冒険のリメイク。作画だけは本当に素晴らしかったが、誰とは言わんがメイン声優数名が下手だったし、音楽もOPとED含めて本当に酷かった。一生恨むし言い続けるわ」

そう言えば現在放送中の『グレンダイザーU』が旧作ファンからも賛否両論なんだよね。個人的にはキャラデザがあまりに最近のアニメっぽく見えちゃって、眼力がないからすぐに観るのをやめてしまった（あと内容も、さほど…）。

でも、不思議なものでキャラデザが変わっても『ゲゲゲの鬼太郎』とかはあんまり気にならないんだよなぁ。

知らないうちに僕の中で「鬼太郎は10年スパンで新作が出るのでキャラデザが変遷するのを気にしてもしょうがない」みたいな諦めがあるのかもしれない……猫娘がどんどん没個性美少女化してるのだけは気になるけど。

せっかくリメイクが成功しても、同時展開するコンテンツが失敗すると作品そのものにケチがつくみたいな風潮が残念！

前項では『ダイの大冒険』リメイクについて物申す声を紹介した。僕はあの新しい『ダイの大冒険』については、内容面ではとうとう旧アニメの、あの唐突過ぎる打ち切りの憂き目を見て以降の展開が映像化されたので満足だった。

一方で途中で脱落した同世代の中には「BGMがドラクエじゃない」とか「エンディング曲は昔のままでお願いしたかった」みたいな結構無理めの要求をしていた。旧アニメの流れをそのまま汲んだ展開を、それだけ期待する人が多かったってことなんだろう。

また、声優の下手さを挙げる声も何度か耳にした気がするものの、個人的には今のアニメ声優さんってどれも同じ声色に感じられる（男も女も、同じようなイケメン声、アニメ声に聞こえる病気）ので、逆に僕は気にならなかった。助かった！

ただまあ、『ダイの大冒険』は、放送中にどう考えても流行らなさそうなソシャゲを出してすぐサービス終了していたり、据え置きゲームのソフトも微妙で、メディアミックスも含めると決して成功したとは言えない結果だった。外伝の漫画は好調みたいだけど。

そしてこのゲーム部門の失敗のせいで、リメイク版の『ダイの大冒険』そのものがネット上でもちょっと正当な評価を受けていないように見受けられる。まとめ掲示板とかで「爆死！」みたいな表記されて面白おかしくネタにされちゃったりしてね。これが本当に、リメイク版の内容が良かっただけに残念だ。

原作漫画で描いた結末までちゃんと走り抜けて綺麗に完結させてるわけなので、旧アニメで突然の最終回に愕然とした子供の頃の僕の魂は救済されたようなもの。それだけに、せめて据え置き版のあのゲームだけは真面目に作って欲しかった。