それに気づいたのは、家族で参加した夏祭りだった。父親は上司に「〇〇高校生の娘だ」と紹介した。女性が通っていた高校は「県では一番偏差値の高い学校」だったというから、父親が自慢したくなる気持ちはわからないでもない。
しかし、そこで「変だ」と怪しんだ女性。すると同僚がこんな話をしてきたそうだ。
「(以前、父は)私の成績表を職場に持っていき、そこそこ成績のよい子を持つ親に見せて、いわゆる5教科がオール5だ、お前の子より賢いと同僚をバカにしていたそうです」
話をしてきた同僚は、バカにされた当事者だったのだろうか。いずれにしてもこんな話を聞かされ「愕然とした」という女性は、「この親のありようは酷くみっともないものでした」と語気を強めた。
「第一、娘の賢さでマウントをとるなんて馬鹿ですよね。反面教師とはよく言ったものです。親のようにはなりたくない、と思い、そのように今もなお心がけています。成績が全てではないのですし」
この教訓を自身の子育てに生かしているのだろうか。