セガサターン「負けハード」扱いに納得できない? 当時のゲームキッズはどう感じていたか
先日、5ちゃんねるに「セガサターンて負けハードじゃないよな?」というスレッドが立っていた。スレ主は、セガサターンの後続にあたるドリームキャストは負けハードだったと認める発言をしつつ、こう書き込んでいる。
「でもサターンはプレステと互角以上に戦ってたよな? ソウルハッカーズにサクラ大戦。バーチャ、kof、バンパイアハンターなんかの格ゲーも面白かったろ。今の世代に負けハード扱いされるの悔しいわ」
と、上記のようにプレステに負けたという判定を食らいがちなセガサターンを弁護する立場の意見を見せている。
プレステの往時の勢いというのは、僕もリアルタイムの勢いは知っている立場だが、たしかにサターン派よりもプレステ派の方が有力ではあった。
その上でサターンはややマニアックなソフト。よりゲームのコアファンが好むようなソフト。対してプレステは、メジャー級タイトルのソフトやライト層が楽しめるソフトがよく出るハードという印象は持っていた。要は棲み分けができていたということかもしれない。
ただ、当時子供だった世代からすると、正直サターンを買うよりかはFFが出来るプレステを買う方がいいね、という印象。セガもその点は重々意識していただろう。だからこそドリームキャストのCMで「プレステの方がいいよな」と小学生に言わせるCMを打っていたわけだし。
あれはあの時代の子供たちの素直な意見を、残酷に反映させた面白い自社ディスCMだったと思う。ただ、セガがわざわざそんなことCMで主張しなくても……と、若干不憫な思いもした。
セガサターンから出ても、そのうち移植版がプレステに…という流れもきつかった
セガサターンはセガサターンで、魅力的なソフトに色々と対応してきた。セガサターン専用ソフトの中には傑作も多く、まさに枚挙にいとまがない。
ところが残酷なことに、当時はプレステに世論がなびいていたため、セガサターン対応ソフトとしてリリースされたはずのものが、後日プレステに対応して発売されるということも多かった。この結果、「わざわざセガサターン買わなくてもいいじゃん」みたいな風潮が、残念ながら広まってしまったのは事実だろう。
もっとも、移植版はレスポンスが悪かったり、ロードが長くなっていたり、細かいUI部分が変更されて発売となるケースも結構多かった。だからソフトとしての完成度はサターン版に軍配が上がるというケースって、決して珍しくもなかった(『スパロボF』が特に顕著)。
それでも当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったSONYのプレステは、多少の欠点を抱える移植版すらも売って売って売りまくった。やっぱり「あのゲームやりたいからサターン買おうとしたけど、プレステで出るならそれに越したことはない」というファンのニーズに応えたのはデカかっただろう。
プレステなんて初期の初期は『土器王記』みたいなわけのわからないソフトばっかり出していたのに、その後の急速な勢いの付き方を思い返すと、やっぱりそれだけあの頃のソニーは強かったということか。