国税庁の民間給与実態調査によれば、25~29歳男性の平均年間給与は403万円。手取り額にすれば賞与別で19万円ほどだろう。それでも多いとは言い難いが、トピ主の夫は多くて13万円だという。いかに地方とはいえ、30代に差し掛かろうという妻帯者の手取り額としては心もとない。
トピックのコメントは「そんな人いるの?」「まじかよ」という驚きの声が挙がった。
「旦那さんは何をされてる方なの?」
「転職させなよ。そんなんで生きていけないよ」
「子なしなら大丈夫じゃない?」
まず夫の職種や雇用形態、財形の有無などに関する疑問が次々に挙がり、「なぜ結婚したのか」という問いかけまで。転職を勧める人が相次ぐ一方で「田舎で子どもなしなら生きていけるのでは」という声もあり、受け止め方はさまざまだ。しかし「既婚者にしては少ない」という点では一致していた。
中には「アラサーの既婚男が手取り12~13万って事故物件並みのヤバさ。嫁の収入に支えられないと生きていけないレベルだよ」と失礼な声も。事故物件とは言わないまでも、筆者も「夫が手取り15万円以下」という言葉自体に「うわっ」と声をあげてしまった。
実は妻が看護師、世帯年収は750万円ほど
一方、トピ主の手取りが「22万円」ということに「女性で田舎にしては稼いでいる方」という声もある。トピ主は多くのコメントを受けて「私が大卒で看護師、夫は高卒で製造業」であることを明かした。「住んでいる場所はド田舎山陰のさらに田舎」で、年収は妻が500万前後、夫が250万前後とのこと。つまり「世帯年収750万円の選択的子なし夫婦」ということだ。現在賃貸アパートに暮らしているが、毎月12万円は貯金できているという。
さらに、低収入でも結婚した理由を次のように明かしていた。
「彼とは性格も趣味もなにもかも相性がよく、お互い子どもを欲しくないという意見も一致し結婚しました」
「家事は私が忙しいことが多いので旦那がかなり負担してくれてます」
自身は収入アップの転職を目指してスキルアップ中で、夫は「今の職場が楽しい」と言うので、昇給も期待せず転職を強いる気もないそうだ。収入よりも一緒にいたい気持ちでパートナーを選んだということだが、それでも老後の不安は尽きずトピックを立てたという。
トピ主の実情を受けて、トピックのコメントは「田舎なら男女逆なくらいで普通の世帯年収だと思います。相性の良いパートナーと巡り会えて羨ましいです」といった感想が複数寄せられている。最初にマウンティング的なコメントをしていた人たちは、スッと鳴りを潜めた。
これは筆者も含め多くの人に「既婚28歳男性の収入は、妻子を養える額でないと」という偏見・固定概念があったと言わざるを得ない。ただ、正社員が一か月働いて手取り13万円というのは、学歴や男女関係なく低いことは確かだ。このケースは「トータルでは足りているし本人が良ければそれでいい」という話にされそうだが、「地方で子どもいないなら大丈夫」などと言わせる日本の賃金体制がおかしい、ということは個人的に申し添えたい。