同一労働での報酬に「男女差別」を感じる女性は68%、男性の2倍以上に=米調査
米ブリッジ社が米国人1000人を対象に行った意識調査によると、職場内での男女同一賃金やセクハラ、性差別などセンシティブな問題について、回答者の性別によって大きな見方の違いがあることが明らかになりました。
3月8日付のビジネス・インサイダー誌に、ジュリー・ボート氏がレポートしています。回答者は、今後5年間で職場は今よりも一般的によりよく、公平な場所になると楽観視していますが、道のりはまだ長いようです。(文:夢野響子)
昇進やセクハラに対する感覚も「男性の方が鈍い」結果に
調査によって明らかになった「男女の見方の違い」には、以下のようなものがあります。例えば、同一の仕事に対して男性の方がより多く報酬を受けていると考える人は、男性では32%だったのに対し、女性では68%と2倍以上もいたそうです。
男女が同じ額の報酬を受けていると考えている人の割合は男性58%に対し、女性42%。日本でも安倍首相が「同一労働同一賃金」の実現を目指すとしていますが、この点では米国も同じ問題を抱えているようです。
女性であるために昇進できなかったり、リーダー的な役職に就けないでいたりすると感じている女性も66%います。一方で、男尊女卑のために女性が苦労していると考える男性は34%しかいませんでした。
職場のその他の差別についても、女性の方が多くを自覚しているようです。レスビアン、ゲイなど性的マイノリティに対するセンシティビティ(感受性)の欠如が職場の大きな問題だとする女性は62%いましたが、男性では38%と半分近くに。
職場のセクハラを大きな問題だとしているのも女性では62%で、男性38%。女性の29%が職場でセクハラの被害にあったことがあると答え、男性の被害経験者は13%でした。その一方で、2020年までにセクハラ問題が改善されると見る割合は男性27%、女性25%と、ほぼ同レベルでした。
「子育て」への意識欠如に76%の女性が不満。男性の3倍超
職場での男女の見解がさらに大きく異なるのは「子育て」についてです。職場での子育てへのセンシティビティが欠けていると感じている女性は76%と高いのに対し、男性は24%にとどまっています。
この記事に対する読者のコメントには、女性だけの職場で「女性の厚顔さ」に苦労した経験をもつ人から、男性と女性の間には感じ方の大きな違いがあるものの、男女のいる職場ではお互いの不足がうまく補われている場合もあるのではないか、という感想もありました。日本で同じ調査を行ったら、どのような結果が出るのでしょうか。
(参照)9 ways that men and women see things differently at work (Business Insider)
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