子どもを諦めきれず「気が狂ったように泣いた」有働由美子 「恥ずかしいほど揺れる」気持ち語る
有働は入社以来、キャリアと出産の間でずっと揺れていたという。始めは仕事を覚えることに精一杯で「子どもなどとんでもなく」、その後も仕事の環境が変わるたびにキャリアアップに必死だった。
しかし40歳のとき、別の疾患で訪れた病院で婦人科に通され、医師から「あなた、このままのペースで働いていたら卵巣ダメになって出産できませんよ」と警告を受け、そこで初めてハッとしたのだという。
「とんでもない間違いをしたのではないか。産む可能性、機能があるのに無駄にしたんじゃないかと。気が狂ったように泣いたりして病院通いした」
あさイチを担当しながらも、病院に行っていたという有働。しかし「去年ぐらいから『年齢的にもう無理かな』とやっと気持ちがフラットに落ち着いてきた」のだという。この発言を受け「もし医師に言われてなかったら?」と尋ねたイノッチに、有働はこう返した。
「多分うっすら『でも50歳で産んでる人もいるので、なんとかなるんじゃないか』と」
可能性を信じたかった、期待を持ちたかったということだ。しかし加齢という現実に「諦め」という覚悟を突き付けられた有働。「産まなかったこと」をポジティブに捉えて生きてゆこうとするも、ふとした瞬間にこう思うのだという。
「仕事がもしなくなったら、みんなには子どもが残るけど、私には結局何もないやんって。そう思いたくないから、これで満足だって思おう思おうっていうような・・・。恥ずかしいほど揺れる」
視聴者は「『子どもがいない幸せ』にフォーカスして欲しかった」
この日のゲストは、元朝日新聞解説委員でアフロヘアーの稲垣えみ子。「有働さんとか世間から見たら、すごい羨ましいとされていると思うのに……」と絶句していた。つい最近まで出産の可能性を諦めていなかったのに、自分の想いを正直に明かす有働は強い。ただ一部視聴者からは、ネットでこんな声があがっているのも事実だ。
「せっかく山口智子さんの発言が出発点なんだから、『子どもがいない幸せ』にもっとフォーカスして欲しかった」
「『子どもを産まない選択』の話なのに、最後に不妊治療に話を持ってくのおかしくない?論点がぼやけてしまう」
やはり山口のように積極的に「子なしで生きる」というより、「欲しかったけどできなかった、作れなかった」という後悔を抱える人が多いということか。上記の意見と同じような違和感を筆者も抱いた。
特に「やっぱり子どもありきが前提なんだな」というムードは、今回のゲストの構成からしても感じるものがある。というのは、山口もえ(子どもあり)、作家の川上未映子(子どもあり)、稲垣えみ子(子なし)が今回のゲストだったからだ。
やはりまだまだ「選択子なし」は少数派のよう
稲垣と同じく子どものいない有働を含めても、「結婚していて子どもを作っていない」女性は誰も座っていない。稲垣はずっと独身だが「別に子どもを欲しいとも欲しくないとも思わない、ご縁が全て派」ということで、つまりは山口智子のように自分の意思で産まないという女性はそこにいない、ということになる。
ひょっとしたら、「自分の意志」で産まない、産んでいないという女性ゲストは見つからなかったのではないか。だとしたら、やはりまだまだ「選択子なし」は少数派。そのことを改めて実感した回であった。
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