「だんなデスノート」が必要な理由、勝間和代が「日本社会のゆがみ」と指摘 「離婚の自由があればこのノートは要らない」
「夫に今すぐ死んで欲しい。毎日思っている。」――など、夫への過激な悪口を吐き出すサイト「だんなデスノート」が書籍化された。11月21日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)が刊行にあたり物議を醸していると伝えたところ、経済評論家の勝間和代さんが
「この本が必要というところに、日本社会のゆがみがある」
などと指摘する場面があった。(文:okei)
「日本の女性は離婚すると3分の2が貧困になる」
番組で紹介したのは、「朝起きたら冷たくなって死んでますように」「死体で帰ってこい!赤飯炊いてやるから」など過激な書き込みの数々。
「旦那の歯ブラシで毎日トイレ掃除をしています」
「借金まみれの結婚生活、腎臓売って返済しろ」
「てめぇのことATMとしか見てねぇからな」
などを阿部哲子アナウンサーが生々しく読み上げると、坂東英二さんは「そんなんだったらもう、別れた方がいいじゃないですか」と呆れ顔に。勝間さんは「そこがポイントなんですよ」と切り込み、「何でこのデスノートを作らなきゃいけないかというと、日本社会のゆがみがありまして」と語りだした。
「いま日本の女性が、特に子持ちの女性が離婚すると、3分の2が貧困になっちゃうんですよ」
別れたいと思ったときの妻の心理を、
「”だんなの悪口を言いながら貧困にならない”か、”別れてスッキリするけれども一生懸命働いても貧困になるか”の2択しかない。『どちらのほうがましか』を皆選ばなきゃならない」
と説明した。「離婚の自由があればこのノートは要らないんですよ」とキッパリ。
確かに「女性の貧困」や「ひとり親世帯の貧困」が話題となる中、子どもを抱えておいそれとは離婚に踏み切れないだろう。
「子どもに障害があり、住宅ローンもあって別れられない」
「だんなデスノート」のサイトには、確かに勝間さんが指摘する通り、夫に恨みを持ちながらも「子どもに障害があり、住宅ローンもあって別れられない」など、経済的に離婚出来ない事情を抱え、夫の死を願う妻からの書き込みが並んでいた。
厚労省の統計によると、女性労働者の55.9%がパートや派遣などの非正規雇用(男性は77.9%)だ。
同省の「平成28年賃金構造基本統計調査」では、35~39歳の女性非正規雇用の月賃金平均は、19万7700円で、同じ年齢の男性正社員(33万1900円)と比べると、13万4200円もの大きな格差がある。
パートや時短勤務で家事や子育てとの両立を図れば、高い収入は望めない。年齢が上がるほど職業選択は限られ、行き場のないストレスはたまる一方だろう。
作家の立花胡桃さんは「読む・読ませるじゃなくて、リビングに置いておくだけで一定の効果がありそう」と話した。しかし筆者はこのサイトを覗いていてあまりの呪詛の数々に具合が悪くなりかけた。家庭内にさりげなく置いておくには毒が強過ぎるのではないか。
サイトから見える夫の姿は、浮気、借金、モラハラや産後のケアすべて無視など、恨まれるのも無理はない事案がおびただしい。匿名で悪口ぐらい吐かなきゃやっていられない閉塞感がそこにある。まさにゆがんでいる。
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