年収と幸福度はイコールではないが、人は限られた収入の中で生計を立てていくものだ。つまり、その現実をどう受け入れられるかによって、人の幸福度は変わってくる。
仮に「年収=幸福度」なら、1990年代後半から現在まで下がり続けている平均年収を踏まえると、生活に不満足な人たちばかりになる。決してそんなことはあり得ないことだ。
また平均年収が低下する経済情勢に、年収300万円時代という風潮もある。そうすると同年収帯の幸福度も気になるところだ。今回は世帯年収300万円台の声を紹介する。(文:鹿賀大資)
「もう少し年収が増えたら貯蓄額も増えるのに…」
まずは20代の単身世帯から見ていこう。メーカー系企業で働く大阪府の女性は、「SNSで同年代の年収と比べると虚しくなります」と述べている。そうしたことから先取り貯金をはじめ、NISAでの積み立てやiDeCoなどで将来に備えているそうだ。だが本音は、
「もう少し年収が増えたら貯蓄額も増えるのに、と思います。貯蓄ペースが緩やかなので、結婚や引越しなどに向けてのお金が早く貯められず、先延ばし状態です。ただ、もともと物欲がない方だから何とか生活は出来ています」
とのことだ。
メーカー系勤務の東京都の20代男性は、「額だけで見ると平均より少ないが、独身なので充分に満足している」という。
「年間100万ほどの家賃補助が生計を助けているため、かなり貯金もできているし、特に何かを我慢して生活しているわけでもない」
男性の満足度が高いのは、給与だけでなく、会社からの補助も関係しているようだ。
「我慢をしなくなったら健康を損なう恐れがあるので丁度よい」
夫婦で暮らす愛知県の30代女性(流通・小売系)は、「比較的に余裕があり満足している」と綴る。女性は前職(個人事業主)についても振り返り、「以前のほうが収入は高かったが、保険料や税金も高額で不満だった」とコメントしている。
「今は社保に変わり、とても楽になった。家賃は、県営のため駐車場2台込みで4万円くらい。車を現金で買っていて、ローンがまったくないのも余裕に感じられる1つだと思う。食費は外食費込みで3万円。今はコロナで外食をすることもなく、月に2回だけピザなどのデリバリーか寿司を持ち帰りしている」
外食の機会が減ったことに不満はない。また食費についても「少ない方かもしれないが、栄養素を計算しながら作っているので、ちゃんと栄養は取れている」という。そのほか、
「衣類代、旅費、医療費、車代など、毎月それぞれ積み立てている。そのため特別出費で赤字になることはない。旅行は遠方の帰省を含めて年に3回ほど。今はコロナで旅費なども貯まっていっているので、落ち着いたら海外旅行にいきたい」
と書いている。
年収300万円台の40代からは、
「家族3人暮らし。身の丈にあったところで、我慢をしながら生活をしている。我慢をしなくなったら健康を損なう恐れがあるので丁度よい。ただ家族揃って誘惑に弱いのが玉に瑕」(女性/神奈川県/サービス系)
「1人で暮らす分には可能だが、老後の蓄えは難しい」(女性/京都府/メーカー系)
といった声が寄せられた。
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