なぜ人は、安い給料でも働き続けてしまうのか。以前、キャリコネニュースで「12年勤務して手取14万円『日本終わってますよね?』に共感の声」という記事を掲載した。コレについて賛否の声が寄せられている。
手取り14万円で額面17万円だとすると、ボーナスが4か月分出たとしても年収272万円。民間給与実態統計調査によると、2018年度の平均年収は441万円なので、それと比べるとかなり低い。新卒ならまだしも、なぜその給与で働き続けてしまうのだろうか。キャリコネニュース読者からは、
「子どもが小さかったり、色々な事情で転職できない人がいると思うから」(管理・事務職/30代女性)
「職種によっては転職などしても給料UPが難しいときもある」(技術職/30代男性)
といった声が寄せられている。技術職の20代女性は、「生活が苦しいであろう金額での雇用をよしとしている”政策”に問題があると思います」と国に向けている。
「両親を1人で介護しているから辞めるに辞められない」
販売・サービス職の40代女性は、10年以上勤めているが、手取りは15万円以下。賞与もなく、休みも少ない。有休も取りにくいため心身ともに「クタクタ」だと綴る。
「世間は簡単に『辞めれば!』と言うけど、両親を1人で介護しているから辞めるに辞められない。若くもないし、資格もない。次の仕事も見つからず、安月給なので貯金もない 。何が正しいのかも分からなくなり追い詰められていく」
女性は、「誰のための働き方改革なんだろう。国がブラックな会社を厳しくチェックしてほしい」と訴えかけている。
IT系技術職の20代女性は、「専門性がつかない仕事しか任せてもらえない状況」だ。実際に転職を考えて動いた時期もある。しかし、
「すべてのところで『経験が少ないから』と断られました。自分でも勉強はしてはいますが、このままだと実務経験のなさで低賃金にならざるを得ないのではと不安です」
と胸中を述べた。
「本人の努力だけでどうにかできるほど簡単な話でもない」
販売・サービス職の40代女性は、「環境や時代がモノを言う部分は少なくない」と切り出す。自身の経験を踏まえ、「かつては手取り10万円の事務職に100人近くの応募があった」という。また、
「調理師免許と栄養士の資格がある友人は、短時間の仕事を掛け持ちしてやっと生活ができているようです。一方、幼稚園教諭と保育士の資格を持っていても別の友人は、『うちでは一人暮らしで生活できるほど給料が出せない』という理由で不採用になっていました」
という現実も目の当たりにしてきた。そうしたこともあり、「結局は安い給料でも働かなければ生きていけない、資格を取ろうにもそのためのお金を捻出できない」と述べている。さらに、「仕事を辞めろと言われても、そのあとの生活を支えられる貯金もできない」という。
「給料がよく福利厚生もいい企業に入って、余裕のある生活を送るためにはどうすればよかったのか? そのためには少しでもいい大学、いい高校に入らなければならない。そうなると塾代や私立の学費など、親の経済力も必要になる」
続けて、地方であれば、そもそもそんな環境すらない場合もあり、家を出て進学することになったとしても学費の他に生活費の負担もあると綴る。女性は「奨学金を借りても結局、多額の借金をすることになる。本人の努力だけでどうにかできるほど簡単な話でもない」と結ぶ。
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