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アスクルが挑む「DXによるサービス変革」。高度なEC物流をさらに進化させる「バリューチェーンのDX」でロングテール商品も「明日来る」を実現する

アスクル株式会社 執行役員CDXO 宮澤 典友さん

オフィスや製造業、医療機関などに向け900万アイテム超を販売・配送するBtoB向け ECサービスで市場をリードするアスクル株式会社は、「デジタルトランスフォーメーション(DX)によるサービス変革」に向けた推進体制などを評価され、2021年6月に経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を取得した。

アスクルが掲げるパーパス(存在意義)は「仕事場とくらしと地球の明日に「うれしい」を届け続ける。」。人々の生活様式や働き方に大きな転換期を迎えている昨今、パーパスドリブン経営の実現に向けアスクルが取り組む「DXによるサービス変革」とは。CDXOの宮澤 典友さんに話を聞いた。(文:千葉郁美)

DXミッションステートメントを掲げて推進力を強化

創業当時からWeb上でサービスを展開し、データを事業の中心において進化を続けてきたアスクル。中小企業に大企業と同等のサービスを提供したいという思いを持ってサービスを開始し、社名が示す通りの「明日届く」物流プラットフォームであることをコアコンピタンスに掲げていたが、多様なニーズに応えるべくセルフディスラプションを続け、より「お客様のために進化する」というDNAを体現しながら成長してきた。

今では400万社以上にもなるユーザー企業のお客様基盤や最先端の物流プラットフォームをさらに進化させるべく、データやテクノロジーを活用したビジネストランスフォーメーションを目指し、DXミッションステートメントを掲げて取り組みを強化する。

「DXのミッションステートメントは6つです。パーパスを動力に、デジタルでサービスを変革する。これまでの個別最適からデジタルでオープンな共創プラットフォームを実現する。データ起点のプロセス自動化で、権限を現場化していく。お客様や社会のライフラインとして、デジタルで強靭なプラットフォームに変革する。Trial & Learnのサイクルを高速化し、イノベーションを起こし続ける。そして、DX経営の実現基盤となるDX人材の育成をし、経営・オペレーション・エンジニアが三位一体となることです」(宮澤さん)

商品開発から配送まで。バリューチェーンのDXを推進

DXによるサービス変革という重要な戦略への取り組みの中でも特徴的なのは物流のバリューチェーンにおけるDXだ。

アスクルは、商品計画から倉庫保管、販売そして配送までのバリューチェーンを一気通貫に担っている、国内でもめずらしい規模を持つ企業だ。そのため、バリューチェーンのひとつひとつに対してDXのアプローチを仕掛け、それぞれの部門が抱える課題解決と顧客満足の向上を狙う。

「これまで手作業だった部分を自動化していくことに加えて、人間ではできないようなことを、テクノロジーを活用してやっていこうと考えています」(宮澤さん)

例えば商品発注の部門では、従来の「定量発注方式」を見直し、データとAIで最適化したことで発注量の可変化を実現。納品量を安定化させたことにより、在庫切れを削減するというお客様の価値向上にもつながっている。

「我々のような業界において一般的な「定量発注方式」は、発注を自動化できるというメリットがある反面、同一のサプライヤーであっても納品量が毎日変動するためにトラックの積載量に偏りが出るなど、効率の面では課題がありました。
そうした課題に対して、需要の予測と発注の組み合わせをAIによって分析することで発注量が可変化され、効率のいい発注を実現しました。これは、サプライヤーにとっても非常にポジティブな成果です」(宮澤さん)

AIロボットが自動化、省人化を実現

また、物流センターにおいては実行型AIロボットの導入拡大が様々な課題解決の糸口となる。

「現場は人手不足な上に、重いものを運ぶ重労働やピッキング(倉庫内から商品を収集する作業)など、人への負担が大きい部分があります。それを解消するのに一役買っているのが、AGV(Automated Guided Vehicle)をはじめとしたAIロボットです」(宮澤さん)

物流センター内では実際にAGVが稼働している。荷物を積んだパレットを載せて倉庫内を縦横無尽に進み、収まるべき場所まで搬送するパレット搬送用ロボットや、作業ステーションに商品棚を自動搬送する棚移動ロボットが導入されている。

「最大1トンまで載せることができるAGVを倉庫内に設置して、人にとって重労働な作業や効率の悪い作業を削減しています。また、ロボットは人に比べれば長時間稼働できるわけですので、休みなく作業をしてくれることもメリットです」(宮澤さん)

さらに、デパレタイズロボット(荷下ろし工程自動化ロボット)は、重量があり労働負荷が高いケース出荷作業におけるコンベア付近への搬送作業を代替する。

「AIロボットの導入によって工数削減や省人化、労働環境の改善など、様々な課題解決を実現しています。これからは、ロボットも同僚と言う時代が来ると思っています。こうしたテクノロジーの活用は業界内でも画期的な取り組みであり、今後も強化させていきたいところです」(宮澤さん)

バリューチェーン上でそれぞれに進化する技術を横串に「全体最適」を目指す

バリューチェーンを一気通貫に担うアスクルは、その一つ一つを見直しながらそれぞれ最適化を進めてきたことで、「部門ごとに」画期的な取り組みを進めてきた。しかしそれは「バリューチェーンを横串にしたときに最適化されているのか」というと、必ずしもそうとは言い切れない部分があるという。

「全体最適化を進めようとしたときに、ある機能ではこれまでやってきたことよりもグレードダウンの必要性が生まれるといった懸念があり、そういった意味でも難易度が高い課題と言えます。しかし、DXのミッションステートメントにも掲げているように、個別最適からの変革を進める必要があります。全体最適をトッププライオリティに掲げ、進めていきたいと考えています」(宮澤さん)

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