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NHKが「ひとり親家庭の貧困」放送 養育費・実家・保育所・非正規など課題山積

シングルマザー、2人に1人が貧困状態

NHK「週刊ニュース深読み」は、2015年5月16日の放送で「ひとり親家庭の貧困」を取り上げていた。全国に父子家庭は22万3000世帯、母子親家庭は123万8000世帯で、なかでもシングルマザーの場合、2人に1人が貧困状態にあるという。

なぜこのような状況に陥ってしまうのか。離婚の場合、元夫からの養育費を受け取っていない人は意外に多く、76.5%もいるという。夫の経済状況もよくないのだろうか。そもそも夫からのDVで離婚する場合は、関係を断ち切るために養育費を貰うことができない。

実家の父母とも61.2%が同居しておらず、「世間体が悪いから戻るな」と言われた人もいる。自分で働くために就職活動するにも、保育所が足りず入りにくい状況だ。

やっと保育所に子どもを預けて働いても、パート・派遣社員などの非正規雇用が52.1%と半数以上で、平均就労年収は181万円と極端に低い。深夜早朝など2つ3つ掛け持ちで働いている人が多いのが現状なのだ。

「ママ友」とも疎遠になりがち。孤立が子どもにも悪影響

解説した徳永圭一アナウンサーは、「先進国の中でもこんなにシングルマザーが働いて、こんなに賃金が低い国はなかなかないそうです」と力を込めて話した。

ママ友とも心理的に溝が広がり、疎遠になりがちで孤立する場合が多く、それが子どもにも悪影響を及ぼすという話もあった。

政府も「経済支援」と「就労支援」の両面で対策を打ち出してはいるが、現実的にはうまく使えることは少ないという。金額が少なかったり、子どもを抱えたひとり親が職業訓練に通いきれず、結局就職までたどりつかなかったりすることも多い。

各種手続きも膨大で会社を休めず、細かい要件や制限を聞いて諦める人もいる。生活保護は周囲からの批判が怖いなどの理由で受給率は14.4%にとどまる。徳永圭一アナウンサーが、

「これが、女性が働き輝く社会と謳った日本のいまなんです」

と重い口調で解説を終えると、次々と繰り出される問題点に、スタジオの空気にも暗い雰囲気が漂っていた。

視聴者「離婚したい人も不安になって追い詰められそう」

番組には視聴者から「こういう情報をよく聞くから、結婚や出産が怖い」「少子化でただでさえ少ない子供たちが貧困だなんて、日本の未来は暗雲が立ち込めてきた」という意見が寄せられ、ネットでも将来を不安視する声が聞かれた。

「もし今後離婚したら、もしくは夫がリストラしたら、って考えると早く働かなきゃって思う。人生詰むもんね」
「こんな社会じゃあ、今すぐ離婚したい人も生きていけるか不安になって離婚することもできなくなって追い詰められそう」

番組では「生活困窮者自立支援法」をはじめ、今年4月から子育てや子どもの貧困対策を打ち出していることを伝えたが、相変わらず制度や手続きが複雑なうえ、支援が必要な人たちに十分理解されているとはいえないようだ。

番組ウェブサイトにはシングルマザーから厳しい現実を憂う声が寄せられているが、「ギリギリの生活ですが、3人の子どもたちと楽しく暮らしています」という救われる内容もあった。

子どもが健やかに育てば、いつかは労働力や納税者になる。シングルマザーだから子どもが不幸だと決めつけず、どんな家庭の子どもでも等しく社会が育てるという認識が大切で、それが弱者支援にも自分たちの将来にもつながってくると感じた。(ライター:okei)

あわせてよみたい:高所得者の「年金減額」検討に賛否

 

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