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「アジアの大渋滞」救えるか日本 貢献を「ビジネスチャンス」につなげる目論見

経済発展を続けるアジア諸国では、車が増える一方でインフラ整備が追い付かず、渋滞問題が深刻化している。インドネシアでは空港から市内までの大渋滞は、ゴールデンウィークの東名高速道路の5倍だという。

これが日常的に起きているため、経済損失は年間8700億円という試算も。2014年9月1日放送の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)は、渋滞解消に日本企業が一役買う現場を取材。大きなマーケット開拓へつなげようとする目論みも垣間見えた。

インドネシア警察が重宝する日本製スマホアプリ

0907tvインドネシアの首都ジャカルタには、勝手に交通整理してチップをもらう人や、止まっている車にモノを売る人など、渋滞を利用する商売人が大勢いる。警察は駐車違反の車をレッカー移動するのではなく、懲罰と称してタイヤをパンクさせていた。

そんな中、渋滞取り締まりに一役買っているのが、日本のホンダが開発したスマホアプリだ。白バイ警官が携帯しているだけでデータが蓄積され、取り締まるべき重点箇所が分かるというもの。

本田技術研究所の研究員、越膳孝方氏によると、これはインドネシア警察からの申し出により無料で貸し出されているそうだ。タンゲラン警察署の交通部長はこう話す。

「日本のシステムが、迅速な渋滞対策に役立っています。これまではモニターで監視していましたが、雷ですぐに壊れてしまうんです。ホンダのアプリはお金もかからず、ポケットに入れるだけ。ずいぶん助かっていますよ」

渋滞緩和のためには、電車やバスなどの公共交通機関も重要となる。数年前のインドネシアの電車は汚く混雑しており、電車の屋根に登る人の感電や転落事故が多発していた。

そのイメージを変えたのが、日本の中古電車だ。日本で20年以上走っていた電車がジャカルタに譲られ、活躍している。エアコンや女性専用車両があり大好評で、屋根に登る人ももういない。ジャカルタを走る電車の約9割が、今や日本の中古電車だという。

JR東日本がねらう「東南アジアを中心とした鉄道マーケット」

インドネシアに800両近くある日本の中古電車だが、さらに600両欲しいと鉄道関係者は語る。ジャカルタの鉄道会社の依頼を受けて、JR東日本はメンテナンス・安全管理などの技術支援をしていく方針だ。西山隆雄常務取締役は、今後の戦略をこう明かした。

「我々としては、東南アジアを中心とした鉄道マーケットに参入していきたい。世界的に見ると、フランスやドイツ、カナダなど欧米の鉄道製品の大手メーカーが席巻していた。そこに我々が穴をあけていきたい」

アジア最貧国と言われるバングラデシュでも、渋滞は深刻な問題だ。街にはクルマの他に「リキシャ」と呼ばれる三輪自転車タクシーが多いのが、渋滞の一因だ。バスのニセチケットを売る業者や無賃乗車があとを絶たず、バス会社がバスを整備する余裕すらない。

そこで去年4月に導入されたのが、日本ではスイカやパスモでおなじみのICカードだった。CMの宣伝効果も手伝い、利用者は3万人を突破している。

貢献が「信頼関係と実績作り」につながる

番組ナビゲーターの山口義行氏(立教大学・経済学部教授)によると、渋滞を「市場」としてみると、実はたくさんビジネスチャンスがあるという。

例えば、信号システムや道路、公共交通も輸出の余地があるし、日本のベンチャー企業「タラモーターズ」が電動タクシーをアジアに売り込む動きもある。ICカードは、バスから都市鉄道へ利用を拡大させる予定だ。

どこの国でも問題解決に尽力することが商売上の「ニーズをつかむ」ことにつながる。電車を譲ったりアプリを無料で貸し出したりする貢献も、信頼関係と実績作りにつながっていくことが良く分かる。アジアの発展途上国に「貢献」から入り、「進出」するという図式は今後も広がっていくのだろう。(ライター:okei)

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