31歳男性「育休なんて取らなければよかった」 慣れない家事に苦戦、妻になじられストレス溜まる
共働き家庭が増え、男性も育児休暇を取得するケースが少しずつ出てきているが、実際に取るとなると、それはそれで結構大変なようだ。
6月10日、はてな匿名ダイアリーに「男性の育休なんて取らなければよかった」というエントリーがあがった。投稿したのは31歳の男性。第1子が生まれたのを機会に、育休を取得。生後6週間まで週2日勤務にして、育児や家事をしているという。
仕事も不完全燃焼で「今は全然楽しくない」
家族思いのいいお父さんという感じだが、「いざ産まれて育休に突入したけど楽しくない」と嘆く。子どもは可愛くて「控えめに表現しても天使」というほどの溺愛ぶりだが、育児以外の家事がうまくできないのだという。
さらに妻も厳しい。慣れない家事を自分なりに頑張っているが「妻からは感謝の言葉よりも細かい指摘の数々」で、これがかなり大変なようだ。
「洗濯はまだか、早くしてくれ。この子を風呂に入れる時間だ。料理をするのはいいけれど、この子は音に敏感だから極力音はたててくれるな、眩しいのはこの子の寝付きを阻害するから明かりは最低限にしてくれ。慣れない料理を、無音の暗闇でこなすのは至難の業ですよ」
しかも、仕事が週2日になったことで「不完全燃焼」になっており、フラストレーションが増える日々だという。
「産まれる前は、毎日夫婦で『楽しみだねーうふふ』って言って仕事にも燃えていたのになー。今は全然楽しくない。こんなことなら育休なんて取らなければ良かった」
日本男性の家事時間は「世界ワースト2位」
こうした投稿者の書き込みに対して、ネットでは厳しい声が相次いだ。「普段から家事を共有してないのに、いきなりやるから揉める」というのだ。
「普段から家事やってないのによーしパパ頑張っちゃうぞーと突然やっても上手くいかないんじゃない?」
たしかに、日本の男性はあまり家事をしない。経済協力開発機構(OECD)が2014年に発表した調査によると、日本の男性の1日の家事時間は62分で、韓国の45分に次いで世界で2番目に少ない。ちなみに欧米諸国は米国が161分、ドイツ164分、デンマーク186分といった感じだ。
さらに男女差で見ると、日本の男性の1日の家事時間は女性よりも237分、約4時間も少ない。これはメキシコの261分やトルコの260分に次いで世界で3番目に悪い数字。普段女性に任せっきりなのにいきなりやろうと思っても難しい、ということだろうか。
その一方でネットでは、いくら家事に不慣れとはいえ「性差関係なく、褒められもせず指摘ばかりされたらやる気もなくなるのは当たり前の話」と同情する声も出ていた。
そもそも投稿主が育休を取らなければ、産後の難しい局面を妻一人で乗り越えなければならなかったはずだ。協力しようとする姿勢は評価されてしかるべきだろう。
ネットの反応見てスッキリ「父ちゃんがんばるぞー!」
こうしたネットの反応を受けて、投稿者は同日に新たな文章を書き込んだ。実は近所に子育てを手伝ってくれる親がいるが、夫婦としては「自立したい」という思いがあり極力頼らないようにしている。「育休なんて取らなければよかった」というのは、本当は「親に甘えちゃえば良かった」という意味なのだという。
また、家事は結婚前の同棲期から率先して担当していた。一人暮らしの経験もあるので家事スキル自体はあるが、育児と並行しながらの家事には慣れないのだそうだ。
その後、夫婦で話し合い、妻も「夫はただサンドバックになればいいと思ってたけれど、それだけじゃダメだってことがわかった」と理解してくれたという。厳しい声も含め、ネットの反応を見て元気をもらったといい、「自分も鬱憤が溜まりかけたけど、昨日今日でスッキリした」「父ちゃんがんばるぞー!」と気持ちを新たにしている。
あわせてよみたい:「育児休業と正しく呼んで」…「育児休暇」の呼称に子育て世代が反発