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漫画家の島本和彦さん 2年ぶりのコミケは「ヒントをもらえる非常に大切な場所」

島本さん

2年ぶりのコミケに参加した漫画家の島本和彦さん(撮影:徳重龍徳)

世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット99」が12月30、31日に開催され、2日間合計で11万人が来場した。新型コロナウイルスの影響で、コミケ開催は2019年12月の「コミックマーケット97」以来2年ぶりだ。久々のコミケ開催について、長年コミケに参加し、今回の冬コミにもサークル「ウラシマモト」として参加した『炎の転校生』『アオイホノオ』などで知られる漫画家の島本和彦さんにお話を聞いた。(取材・文:徳重龍徳)

「コミケのスタッフの方は、世界一優秀な人材」

ーー久々のコミケとなりますが、まず率直な感想を教えてください。

やはりコミケがあった方が年末年始、あるいは夏に一つの区切りができる。2年ぶりにここに来て、やっぱりこうじゃなきゃなと思いました。いろんな形の表現の仕方があると思うんだけれども、そういうのがごっちゃごっちゃになっているところに来ると、表現したい人とそれを求めてる人たちにより、カオスな空間が出来上がる。そういった場所はほかではなかなか見かけられない。

SNSの上でも、何か変なことをすると炎上しちゃうような世の中で、この場所ではいろんなことがある。そういうところから新しいもの、次の新しいアイディアが出てくるんじゃないかなと思うし、そういったヒントをもらえる非常に大切な場所だと思います。

ーー今回の冬コミは感染症対策として、1日当たりの来場者数は約5万5千人と入場者を制限されました。

コミケのスタッフの方というのは、世界一優秀な人材だと思います。世界一優秀な人材がどのようにすればこの大人数をコロナの感染から守りつつ、こういった大規模イベントを開けるのかという、全力の実験がされていると思っています。そういう形として興味深いなと感じています。

ーーコロナの影響のあった2年間でさまざまな物が変わりました。島本さんご自身の生活での変化などはありましたか。

すごく変わっていますよ、それは。ただ2年と長く続いたので、困ったことなどもう忘れちゃいましたね(笑)。だから以前に戻るのではなく、こういう世の中になっていくのだと思います。

もちろん戻ってくれないと困るものもあります。映画館にも行きたいし、映画館にもお客さんが戻ってきてほしい。たくさんの人が動くものはコロナで全部チャラになってしまったけれど、今も困ってる人もたくさんいる。そういったところは元に戻ってほしいなと思います。

一方で、お客さんが入るところはすごく盛り上がってくれて、『鬼滅の刃』が売れてくれたので、書店(の経営者)としてはすごく助かりました。もしかしたらコロナがプラスに働いたところもあるのかなと思います。両極端になっているのかもしれませんね。

ーー今回のコミケの新刊はなぜ『ウマ娘』だったのでしょうか。

いやあ、Twitter上で「島本和彦先生の熱いウマ娘本が読みたい」(※編注 ツイートは記事下の関連記事からも見られます)という人がいたので、そうなんですね、じゃあ描いてあげましょうということで描いてしまいました。

アニメは見ていたんですが、リクエストの話がアニメの方ではないんじゃないかとゲームをやったりとコンテンツを勉強したんですが、ただ深掘りができていない感じもします。

ーー今後のコミケについて期待するところはありますか。

なんとか今後も定期的に開催できるようになってほしいですし、たくさんの方が参加できるようになってほしいですね。ウイルスのことなのでどうなるかはわかりませんが、コミケが大成功してほしいなと思っています。

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