IT業界なのに採用基準が「スキル」よりも「コミュ力」ってどうなの? 「挨拶しかできない人間よりスキル持ってるやつがいい」という声も
採用面接では応募者のスキルだけでなく、コミュニケーション能力や人柄といった人間性も選考ポイントになるが、あまり偏り過ぎるのも問題だ。12月2日、とあるツイッターユーザーが投稿した内容がネットで話題となっている。
「IT業界は求人倍率6倍で人手不足→ でもスキルが高くても面接で落とされるひとがたくさんいます→理由は『元気がない』『面接官より先に挨拶しない』などです」
投稿者は「アホちゃうか」と突っ込んでいる。
コミュ力といってもせいぜい「仲間と仲良くする」というレベル
経産省が今年6月に発表した資料では、国内のIT不足人材は約17万人。解消の見込みは薄く、2020年には不足人材が約37万人に及ぶ見通しだ。
またdodaが発表した今年10月現在の転職求人倍率では、「技術系(IT・通信)」は7.64倍と、人手不足の現状を裏付けている。
今すぐ必要としている職種なのに、技術が高くてもコミュニケーション力がないから落とすという会社の方針に投稿者はばからしさを感じているようだ。
会社が求める「コミュ力」は相手とコミュニケーションをとりながら理解を深める、といったたぐいのものではなく、「仲間と仲良くする」程度だとツイート。「だって『挨拶』と『元気』だよ?」とあきれている。
「コミュニケーションスキルは技術力よりはるかに短期間で身につく」という意見も
この投稿は7000件以上リツイートされ、トゥギャッターでもまとめられ話題に。ネットでは、
「どう考えても挨拶しかできない人間よりスキル持ってて会社に貢献できる人間のほうが良いのにな」
「正直依頼した仕事ちゃんとこなして、期限守って、かつ後工程にきちんと引き継ぎできる程度のコミュ力で十分」
といった声が相次いだ。やはり、スキルがあればコミュ力はそこまで重視しなくていい、という人が多いようだ。ほかにも、「相手にコミュ力を求めるやつは大体コミュ障 本当のコミュ充はどんなやつ相手でもコミュニケーション取れる」と批判的な意見が散見される。
しかし、IT技術者というと、パソコンの前で黙々と作業するイメージが強いが、現実はそうではない。ツイッターでは現役IT技術者という人物は
「ITなんて喋らなくてもやっていけるだろなんて思ってるコミュ障はいらねーよ!使えねーもん」
とキッパリ。実際にコミュニケーション能力がない人と仕事をした人の話もあった。コミュ力がない人は人に聞けば10分でできることに半日費やしたり、進捗状況の確認にも必要以上に時間がかかったりして、苦労したという。
「自分ひとりで設計からテストまで完璧に完結するすごいエンジニアでもない限りコミュニケーション能力がいらないなんて嘘だ」
とはいえ、採用面接でコミュニケーション能力ばかり見るのはよろしくない。とある人物は知人社長からこう言われたという。
「コミュニケーションスキルは技術力よりはるかに短期間で身につくから、採用時は気にしません。だめでも他の人間がフォローして会社がうまく回ればそれでいい」
その結果、「逆にいい人材を採用できるようになった」とツイートしている。基本的なあいさつができないのは困るが、そういった人は稀だろう。その時点のコミュ力だけを見るのではなく、長期的な視点に立つことが大事、ということなのだろう。