始業前に体力を奪われる通勤時間は「サービス残業」なのか? 「仕事をスタートする時にはヘトヘト。馬鹿らしい」
自宅から勤務先までの交通費を支給する「通勤手当」は、欧米にはない制度だという。いくら交通費を出しても会社が出してくれるこの制度のせいで、わざわざ会社から遠い郊外に住む人が増えすぎるとして「通勤手当の廃止」を唱える人もいるほどだ。
しかしサラリーマンとしては、勤務先に近い場所は家賃が高く、「通勤手当」の有無は死活問題になる。中には、わざわざ遠くから時間をかけて通っているのだから、その分の手当を追加して払うべきという、ユニークな主張をする人までいる。
「遠くに住んだほうがお得」な問題を指摘する人も
はてな匿名ダイアリーには2月4日、「通勤はサービス残業」という記事が投稿され、話題を呼んでいる。投稿者は、毎日往復3時間かけて通勤している。郊外に住んでいるらしく、毎朝混雑した電車に揺られ、会社で仕事をする頃にはヘトヘトだという。
勤務先では拘束時間が9時間で、仕事と通勤を合わせると12時間。すなわち1日の半分を費やしていることになると嘆いた上で、こう不満をあらわにしている。
「わざわざ混雑した時間に電車に乗り、ストレスを感じる。/会社で仕事をスタートする時にはヘトヘトだ(略)通勤の3時間については一切の対価は支払われない。/無駄な時間、無駄な体力を使っている。/馬鹿らしい」
郊外から都心に向かう満員電車では、読書はおろか、スマホも触れない混雑のときもある。この時間がいかに苦痛でムダなものかと感じている人は少なくないようで、はてなブックマークには共感の声が上がっている。
「自分の通勤時間を計算すると、1週間で7時間ちょっと。 1ヶ月で…って計算していくと本当にバカバカしくなってきますね」
「30分以上通勤に費やすのは地獄と思う」
また「お金的には遠くに住んだほうがお得なんだよな」と、制度上の不備を指摘する人もいる。通勤手当よりも、家賃補助をして通勤地獄を和らげる配慮をすべきだというのだ。
通勤中も「指揮命令下」に置かれる弊害もある
ただし、勤務先と自宅が近くなることによる”社畜化”の弊害もある。
「自宅が徒歩2分だったときは楽だったけど、残業しまくってたなぁ……」
「徒歩数分の前職では終電もないから帰れない飲み会の強制がしんどかったなあ」
通勤時間を残業扱いにすると、電車の中の過ごし方に制約が出てくるとして、現実的ではないと反論する人もいた。
「通勤時間中も会社の指揮命令下、睡眠はもちろん休息も許さない、スマホも仕事目的以外で触れない、客から電話がきたら即電車を降りてその場対応、とか言われる方がずっと馬鹿らしい」
中には長時間の通勤も悪くないという考えもあり、「通勤時間は一人で読書とゲームできる時間なので重宝しております」「家に居場所が無い時期は通勤電車だけが唯一安らげる空間だったけど、、、」として、いまの生活を守りたがる人もいた。
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